平成30年度 名古屋市美術館協力会 総会

カテゴリ:協力会事務局 投稿者:editor


 6月10日日曜日、午後4時から名古屋市美術館の講堂にて会員30名あまりが集まり、平成30年度の協力会総会が開催されました。今年は参加者は例年より多く、役員らを含めた28名が参加して、活発な議論が展開されました。

発言する事務局長深谷さん

発言する事務局長深谷さん


当日参加してくださった会員のみなさん

当日参加してくださった会員のみなさん


 事務局からは平成29年度の活動内容報告や決算報告がなされ、また参加くださった会員のみなさまからは、協力会の活動についての率直なご意見を賜りました。ギャラリートークの開催日時や時間についてのご要望、イベントでの協力会の役割など、今後の協力会の活動に参考になるご意見をいただきましたので、これから反映していきたいと思います。貴重なご意見、ありがとうございました!
 事務局

体験しました「シャンパーニュの夕べ」

カテゴリ:協力会事務局 投稿者:editor

名古屋市美術館で開催中の「シャガール 三次元の世界」展の関連イベント「シャンパーニュの夕べ」を体験しました。
◆受付
当日は、美術館2階・講堂入口の受付で参加料5,000円を支払い、関係資料と観覧券1枚、シャンパン引換券2種・各1枚が入った透明ビニールの手提げ袋を受け取りました。イベント開始まで資料を眺めながら、講堂内で暫しの休息。
◆展覧会の見どころ解説
 午後5時から、深谷副館長による「展覧会の見どころ解説」が始まりました。深谷副館長によれば、「シャンパーニュの夕べ」は「ランス美術館展」の関連イベントとして開催したのが初の試み。幸いに評判が良く、今回、2回目となる「夕べ」の開催に至ったとのことでした。
◆ギャラリートークと自由鑑賞
 午後5時半に1階の展示室へ移動。展示室内で絵画と彫刻の《誕生日》、《座る赤い裸婦》、《彫刻された壺》などについてギャラリートークがあり、その後は自由鑑賞。午後6時には2階の展示室に移動。《エルサレム〈嘆きの壁〉》、《過越祭》、《アルルカン》、羊の骨を素材にした《二重の横顔》、《ヴァヴァの肖像》などについてのギャラリートークの後、自由鑑賞となりました。
◆シャンパンと軽食のサービス
 午後6時半頃には展覧会の鑑賞を終え、地下1階のロビーに移動。ロビーでは数か所にテーブルが置かれ、テーブルごとに8つのプレート。各プレートには一人分の軽食とおつまみが盛り付けられ、参加者は机・プレートを一つ選ぶことができます。
自分の机・プレートを決めて一杯目のシャンパンを賞味。イベントに協力の「株式会社ヴァンパッシオン」がシャンパーニュ・ジャクソン(Champagne Jacquesson:小売価格10,000円)を細長いフルート型シャンパングラスで提供。「少しずつ口に含んで、味わいながらお楽しみください。」というアドバイスに従いジャクソンを飲み終えた頃、二杯目のエグリ・ウーリエ(Domaine Egly Ouriet:小売価格12,000円)の提供が始まりました。こちらは、広口のクープ型シャンパングラスに注がれ、「グラスを水平にゆっくり回し、香りを楽しんでください。」とのアドバイス。
ペンネやソフトドリンクの提供も始まり、ケーキなどのデザートも出ました。気が付くと午後7時半。「シャンパーニュの夕べ」は続いていましたが、ほろ酔い気分で美術館を後にしました。
◆感想など
 解説がわかりやすく、ギャラリートークと自由鑑賞の時間配分は半々で、存分に展覧会を楽しめました。閉館後のイベントですから、まさに「貸し切り」。贅沢なひと時が味わえます。シャンパンと軽食のサービスも、普段は「飲食禁止」の地下1階ロビーを使うのですから、これも「スペシャル・タイム」。いま流行りの「コト消費」を満喫しました。
 ただ、「発展途上」のサービスもあります。一回目の時は、「食べ物がない」という参加者が居たとか。今回は各参加者に一つプレートがあるので、安心して食べることができました。なお、チケットをすでに持っている方からは「チケットを持っているのに、何で観覧料まで払うの?」という声もあがりました。
また、会場では「ペンネがアルデンテじゃない。」「シャンパンに合ったおつまみにして。」などの声も聞かれました。次回はどんな進化を遂げているか、楽しみです。
Ron.

平成29年度名古屋市美術館協力会総会

カテゴリ:協力会事務局 投稿者:editor

総会風景

総会風景


 気持ちよい晴天のもと、平成29年度名古屋市美術館協力会の総会が行われました。今年は会長以下の役員および会員が20名集まり、平成28年度の活動を振り返り、また29年度の活動について話し合いました。
今年度の秋の旅行について説明する松本理事

今年度の秋の旅行について説明する松本理事


真剣な様子の会員たち

真剣な様子の会員たち


 途中会員から名古屋市美術館が行っているゆめプレミアムアートコレクションについて質問などが出て、現在の活動状況などが事務局から回答されました。最後は和やかな雰囲気のなかお開きとなり、続いて美術館カフェでの懇親会へ。会員みなさんもビールと美味しいお料理で盛り上がりました。
総会から一転、懇親会へ

総会から一転、懇親会へ


退職して京都市美術館へ移られた山田学芸員も駆けつけてくれました

退職して京都市美術館へ移られた山田学芸員も駆けつけてくれました


お酒も入り、ゴキゲンな会員のみなさん

お酒も入り、ゴキゲンな会員のみなさん


なにやら真剣に議論する会員も

なにやら真剣に議論する会員も

「アドルフ・ヴェルフリ 二萬五千頁の王国」

カテゴリ:協力会事務局 投稿者:editor

「これはいったい何だろう。」と、2017.3.1付中日新聞で紹介された展覧会(以下「本展」)が始まりました。会場は名古屋市美術館。記事にあった「何を描いたものか理解しようとするより、子どものように理屈抜きで見る方が楽しめるかもしれません」という名古屋市美術館・笠木日奈子学芸員の言葉を参考にして、見てきました。
◆アール・ブリュット(Art Brut「生の芸術」、outside art)の先駆け
本展は日本で初めての、スイスの美術家アドルフ・ヴェルフリ(1864-1930)の本格的な回顧展です。ヴェルフリは、専門な美術教育を受けていない人による芸術「アール・ブリュット」を代表する作家で、31歳の時に統合失調症と診断されて精神病院に入院し、後半生を過ごしました。本展には、病院で描かれた膨大な作品の一部、74点が展示されています。
◆「これは何だ」:驚きの根気と集中力
 最初の展示は1904~1905年の作品。どれも、74.5×99.6cmの白紙の新聞用紙全面に顔や、装飾帯、文字を鉛筆で描き、これでもかというくらいまで埋め尽くしたものです。鉛筆の線は、ほぼ同じ太さで丁寧に描かれており、装飾帯や線で囲まれた所は、細かい格子模様や斜線、点、短い線などを描きこんだり、様々な濃さで塗りつぶしたりしています。きっと、1枚仕上げるのに相当な時間と労力を要したことでしょう。その根気と集中力には驚くばかりです。
また、大画面であるのに、画面構成が破綻していません。作品を描く前に、そのイメージが頭の中に完成しており、ヴェルフリは何の迷いもなく、そのイメージを黙々と紙に定着させたのではないでしょうか。たぶん、描かずにはいられなかったのでしょう。
中日新聞の記事のとおり、「これは何だ」と、作品に目が釘付けになります。ただ、長い時間見ていると頭がクラクラしてきますね。
◆色鉛筆がキレイ
 1910~1912年の『揺りかごから墓場まで』のシリーズ以降は、色鉛筆も使われたカラフルな作品になります。色鉛筆の発色がキレイなので、安物ではないと思います。また、五線譜ではなく「六線譜」に音符を描いた楽譜も登場します。
◆芸者の写真のコラージュも
 1917~1919年の『歌と舞曲の書』や1929年の『葬送行進曲』のシリーズは、雑誌などに載っている写真のコラージュの周囲に額装を模した装飾を施し、余白を文字や記号で埋め尽くした作品です。日本の芸者や長火鉢を前にして座る日本女性をコラージュした《芸者-お茶と小笛〔小煙管〕》やアンディ・ウォーホルでお馴染みのキャンベル・スープの缶詰をコラージュした《無題(キャンベル・トマト・スープ)》など、どれもセンスの良さを感じさせます。
◆ブロートクンスト(パンのための美術)
 最後の展示は、色鉛筆やタバコと交換したり、病院の職員や来訪者に売っていた絵です。売り物だっただけに、「これなら買ってもいいかな。」と感じました。
◆最後に
 絵描きを職業とした人の作品ではありませんが、アルタミラ洞窟の壁画のような芸術性を感じます。ヴェルフリの作品を保存管理する財団があることにもびっくりしました。
 3月19日(日)の協力会ギャラリートークでの笠木学芸員の解説が楽しみです。
Ron.