山田純嗣さんを招いた「作家を囲む会」

カテゴリ:作家を囲む会 投稿者:editor

会長の乾杯の音頭に合わせて、いただきます!

会長の乾杯の音頭に合わせて、いただきます!


2018年版の名古屋市美術館協力会カレンダーを制作された山田純嗣さん(以下、「山田さん」)をお招きした「作家を囲む会」(以下、「囲む会」)が、3月25日(日)に名古屋市美術館1階の ”Sugiura Coffee” で開催されました。
山田さんは2012年に開催された「ポジション展」時の囲む会以来、6年ぶりの参加です。今回のゲストは山田さんと名古屋市美術館の保崎学芸係長(以下、「保崎さん」)、協力会の会員は23名、計25名の参加でした。
お料理にお酒で盛り上がる会員たち

お料理にお酒で盛り上がる会員たち


当日はシャンパーニュの差し入れもあって大いに盛り上がり、あっという間に二時間が過ぎてしまいました。
山田さん、保崎さん、ご出席ありがとうございました。
作家の山田純嗣さんと美女たち

作家の山田純嗣さんと美女たち


学芸員の保崎さんも、山田さんを熱く語ってくださいました

学芸員の保崎さんも、山田さんを熱く語ってくださいました


以下、囲む会での話題を二つご紹介します。
◆「めがねと旅する美術展」
囲む会では、山田さんから「めがねと旅する美術展」に作品を出品するとのお話がありました。会場・会期は、①青森県立美術館 H30.7.20(金)~9.2(日)、②島根県立石見美術館 H30.9.15(土)~11.12(日)、③静岡県立美術館 H30.11.23(金・祝)~H31.1.27(日)です。
静岡県立美術館なら見に行けそうですね。
◆高校生の時に見た《赤いチョッキの少年》
 また、囲む会では2018年版名古屋市美術館協力会カレンダー(以下「カレンダー」)制作の裏話が披露されました。
 会員の皆様はご存じのとおり、カレンダーはセザンヌ《赤いチョッキの少年》をモチーフにしたもので、「少年」の画像は輪郭線を残して白抜きになっており、背景には植物や昆虫、鳥、ケモノが丹念に描きこまれています。
 この《赤いチョッキの少年》ですが、山田さんが高校生の時に展覧会で見て感動した作品だというのです。思い出の作品だったのですね。
なお、《赤いチョッキの少年》は、名古屋市美術館においてH30.7.28(金)から9.24(月・祝)までの会期で開催される「ビュールレ・コレクション展」で展示されるとのことでした。
           Ron.

真島直子 地ごく楽

カテゴリ:協力会ギャラリートーク 投稿者:editor


 3月10日土曜日、日中は少し暖かいのですがまだ朝晩は冷えるなか、名古屋市美術館での『真島直子 地ごく楽』展のギャラリートークが開催されました。37名がトークに参加し、担当学芸員角田美奈子さんの解説に熱心に聞き入り、真島さんの色美しくも少しグロテスクな印象も否めない、なんとも興味深い作品を鑑賞。しかし見終わった際には、参加者はすがすがしい思いに包まれました。
 白い大きなキャンバスに鉛筆の黒のみで細かなドローイングをびっしり書き込んだ作品や、木工用ボンドで様々な色の布や紐を固めて作られた立体作品など。点数は決して多いわけではありませんが、1つ1つの作品が強いインパクトを放っていて、作品を観る一人ひとりに何か訴えているようでした。
 そして忘れてはならないのは、2階展示の最後の方、いわば展覧会クライマックスの位置に、名古屋市美術館協力会で美術館の開館25周年を記念して購入、寄付した真島さんの作品が飾られています。協力会の会員みなさま、ありがとうございました。またこのような素晴らしい作品を寄付できるよう、がんばりましょう。

解説を聞きながら

解説を聞きながら


 さらに、今回は地下の常設展示室に名古屋のシュルレアリズムと題して、名古屋で活躍した作家さんのシュルレアリズム絵画が紹介されています。名古屋市美術館所蔵の作品が展示されているのですが、こちらもとても力強い作品が多く、名古屋画壇もこんな素晴らしい作家さんたちを輩出していたんだ!と驚きました。真島直子さんの父親である眞島建三さんの作品も展示されています。真島直子さんの展覧会にいらっしゃったなら必見です(その他、北脇昇さん、吉川三伸さん、三岸好太郎さんなど)
お話してくださった角田美奈子学芸員、ありがとうございました!

お話してくださった角田美奈子学芸員、ありがとうございました!


協力会

卒展、修了展(名古屋芸大)(その4)

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:editor

「回生の苗床」 光内惟奈

 先日、名古屋市美術館で「真島直子 地ごく楽」展を見た。
会場にはカラフルでぐるぐる、うねうねした様々な作品が並んでいた
が、後半から”人の形のようなもの”が多く現われてきた。 
(展示内容の詳細は省略。会期は2018年4月15日まで)
”キレイだけど少々不気味”な展示を見終え、その後、近隣の芸大の
卒業・修了展を観に行くことにした。名古屋芸術大学と愛知県立芸術
大学の展示を見たのだが、その会場でビックリ。”キレイだけど少々
不気味”は静かに拡散しているようだ。

「回生の苗床」 光内惟奈

「回生の苗床」 光内惟奈


 光内氏の作品を見たのは、名古屋芸術大学の会場だった。薄暗い展
示室の奥の方に2体の人形が横たえられていた。一方の人形の手足の先
は木の枝に変化しており、もう一方は腹部からキノコのようなものが
伸びていた。どちらも目は大きく、虚ろに開かれており、死体の様を
表現していた。

 人形は石粉粘土を素材に、キレイに彩色され、構造的に球体関節と
なっていた。(ハンス・ベルメールや四谷シモンを連想させる)
説明によれば、氏は以前より生死について考えることが多かったこと、
人形の中身は空洞になっていて、その空間を魂を入れるための空間と
考えていることがわかった。

「回生の苗床」 光内惟奈

「回生の苗床」 光内惟奈


 動物も植物も、死ねば徐々に腐敗し、いずれ消滅するが、無機物で
ある人形は誰かに破壊されるまで変わらずに存在する。氏の作った
人形は新しい生命の苗床として、永遠に鑑賞者の目にさらされる。
もし、遠い未来に氏の魂を宿した人形が再生するとしたら、彼女たちは
やはり新たな人形を作るのだろうか。
”キレイだけど少々不気味”。ヒンヤリとした予感を感じる展示だった。

杉山博之