瀬戸内旅行記 1

カテゴリ:アートツアー 投稿者:editor
豊島美術館「母型」の入口。ビニールの靴下を履いて…

豊島美術館「母型」の入口。ビニールの靴下を履いて…

 今年の協力会の旅行は、11月19・20日に行われ、岡山方面で瀬戸内海の豊島美術館と倉敷の大原美術館、美作の奈義町現代美術館を見学しました。

 1日目は雨。前日から九州地方では強風と雨の被害に見舞われた所もあり、少し心配ではあったのですが、予感が的中。宇野港からフェリーで豊島に渡る予定でしたが、豊島から戻るとき使う予定の便が大潮と天候の関係でバスを乗せられないことが判明。急遽バスだけを早い便で返し、我々見学者は徒歩で島をまわって別の港からフェリーで宇野港に帰るという作戦を遂行しました。幸いにしてこのトラブルのせいで大多数の参加者が豊島美術館に長居し、この日前例のないほど作品全体が結露した雨の「母型」を体験することができました。

豊島美術館のカフェ。カフェもくつろげます

豊島美術館のカフェ。カフェもくつろげます

海をバックに

海をバックに

奈義町現代美術館、荒川修作の展示室「太陽」をバックに

奈義町現代美術館、荒川修作の展示室「太陽」をバックに

 翌日はすっきりと晴れた青空の下、奈義町現代美術館へ。荒川修作+マドリン・ギンズ作の奇妙な展示室「太陽」や岡崎和郎作の展示室「月」などを体験し、胸いっぱいの感動を抱えて新幹線で名古屋に戻りました。

 余談ですが、豊島からフェリーで宇野港へかえる途中地元の女性に声をかけられ、今しがたフェリーに乗り込んだ唐櫃港の近くにあったたこ焼き家の情報をくれました。その店は野村商店といい、店主が漁師さんなこともあって新鮮な蛸の入ったたこ焼きが美味しいそうです。その他にも西貝という貝のはいったおでんも売りで、貝のだしがしみ込んだおでんは絶品とのこと。また、豊島美術館内のカフェスペースで出しているオリーブライスもお代わり必至ものらしいです。旅行に参加された皆さん、参加されてない方も、是非また行ってみてはいかがですか?

 来年度も、春、秋のツアーを企画します。たくさんの会員の方のご参加お待ちしております。

事務局 中村

ジャクソン・ポロック展、鑑賞ミニツアー開催

カテゴリ:協力会事務局 投稿者:editor

名古屋市美術館協力会では、11月11日から愛知県美術館で開催されている「生誕100年ジャクソン・ポロック展」の鑑賞ミニツアーを開催することになりました。

開 催 日  平成23年12月18日(日) 10:30~

集合場所   愛知県美術館12階アートスペースEF前(レクチャー会場)

会  費  入場料 @1,400円(当日集金。参加者が20名を超えた場合は団体扱い@1,200円です)

展覧会担当学芸員の方のレクチャーの後、自由観覧および解散を予定しています。会員みなさまのご参加お待ちしています。

中村正義展

カテゴリ:協力会ギャラリートーク 投稿者:editor
1つ1つの作品について興味深い解説

1つ1つの作品について興味深い解説

 中村正義といえば、以前、名古屋美術倶楽部で彼の作品がオークションに出ており購入しようかどうしようか迷ったことがあった。結局買わずじまいにおわった。今思うにかえすがえすも残念。妙に存在感のある自画像だったことを記憶している。今回の展覧会で彼の作品を通してその技量の高さ、才能、そして進化し続けた手法に驚かされた。11月6日の美術館学芸員の山田先生の2時間に及ぶ興味深い解説。その後の会員向けのギャラリートークに参加してなお一層作品を理解することができた。単刀直入に言わせてもらうならば 「おそるべき中村正義」 である。

   初期の伝統的な日本画、人物画、風景画。彼独自の感覚で描いた「舞妓」。名物切れの文様である花兎文金襴を一文字に使用した二幅の「瀟湘八景」。ウオーホールを彷彿とさせるポップアート風の「三島由紀夫像」。東山魁夷とは一線を画す湿潤のないシャープな線で描かれたひえきった冬景色の日本画。味わい深い仏画など日本画の伝統に挑戦し続けた姿勢が窺える。1940年代後半から1070年代までの時代を反映しつつもライバルたちとの競合をも含んだ彼の壮大なる葛藤の軌跡である。絵画に対して真摯に取り組み続けた偉大なる一人の画家の叫びがある。

   この展覧会は必見である。ぜひとも鑑賞することを皆さんにおすすめしたい。

谷口 信一

ど迫力の舞妓画の前で

ど迫力の舞妓画の前で