小磯良平展ミニツアー

カテゴリ:ミニツアー 投稿者:editor

稲沢市の荻須記念美術館で開催されている「小磯良平展」へのミニツアーに参加しました。参加者は18名。午後2時から美術館入口ポーチ付近で山田館長のレクチャーを受けた後は、自由行動です。室外でのレクチャーでしたが、半袖で来た人もいる程に天候に恵まれ、気持ちよく聞くことが出来ました。感想などは、以下のとおりです。

2014_小磯良平展ミニツアー

2014_小磯良平展ミニツアー

◆小磯良平と荻須高徳の関係を知りました
 山田館長によれば、小磯良平は荻須記念美術館の名前の由来である荻須高徳とは東京美術学校(現在の東京藝術大学)の同級生で、共に藤島武二の下で洋画を学び、エコール・ド・パリの頃、同時期にフランスに渡った仲。荻須高徳は風景画、小磯良平は女性像と描くものは違いますが、どちらも、当時の画家のなかではエリートであり、同世代の画家のトップランナーとして創作に励んだという点で共通するものがあるとのことでした。

◆絵の雰囲気に合った展示室です
美術館の入口から進むと、左手が「小磯良平展」の展示室、右手が常設展示室です。「小磯良平展」の展示室に入ると、床が絨毯張りで足音が響かないので、とても静かです。そんなに広い展示室ではありませんが、42点という作品数にはちょうど良いサイズで、絵が身近に感じられます。
若い時の絵も上手く「首席で卒業」も納得できます。小磯良平は単に「うまい」だけではなく、見ていると心が安らぎます。

◆常設展で荻須高徳の絵も見ました
大規模な美術館だと特別展で時間と体力を使い果たして、常設展はスルーということもありますが、今回は常設展と特別展の規模がほぼ同じで、「二人展」という感じです。常設展はパリやフィレンツェなどの風景画が中心です。展示室の中央にソファがあるので、座ったままぼんやりと絵を眺めることができます。

◆荻須高徳が使ったアトリエ(復元)も見ものです
美術館中央の通路をまっすぐ進むと渡り廊下があり、渡り廊下の突き当りの左側に、荻須高徳が使ったパリで使っていたアトリエ(復元)があります。建物は移築ではなく同寸に復元したものですが、陳列された用具類は荻須夫人から寄贈されたものです。2階建ての吹き抜けのアトリエで、2階から下を覗くこともできます。ちなみに、神戸市の小磯記念美術館の中庭には小磯良平のアトリエが移築・復元されているそうです。

◆交通アクセスは
 名鉄本線「国府宮駅」から西へ徒歩20分余り。名古屋文理大学の隣です。
                                                      会員 Ron.

ヨコハマトリエンナーレ2014(前編)

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:members

 一年前の今頃、名古屋の街は「あいちトリエンナーレ」でにぎやかだった。
名古屋市美術館も藤森氏の《空飛ぶ茶室》や、杉戸氏のカラーメッシュの作品でいつもと違う雰囲気を見せてくれていた。
また、多くのボランティアがトリエンナーレを盛り上げるために活躍していた。

 さて、今回、「あいちトリエンナーレ」のボランティアの有志が企画した「ヨコハマトリエンナーレ2014」見学ツアーに参加した。当日は横浜美術館前に現地集合という、いたっておおらかなツアーで、最寄駅を降りると風が強く、名古屋よりかなり涼しく感じた。

ヨコトリ_美術館前

ヨコトリ_美術館前

 美術館前でメンバーと合流し、美術館に入って、まず驚いたのが巨大な《アート・ビン》。応募すれば誰でも参加できるとか。中には、絵画、彫刻のほか、自転車やサッカーボールも入っている。これもアート?
その他の不思議な作品については、情報誌などでも取り上げられているので省略。全体的に、写真や映像作品の割合が高いように感じた。

 展示室を見終り、今度はヨコハマトリエンナーレサポーター「Hama-Treats!(ハマトリーツ!)」のメンバーと「LOGBOOK」に挑戦。(logbook;航海日誌)
手渡された「LOGBOOK」を手に美術館を出発するも、ヒントの解読ができず、航海途中で時間切れ。近くのショッピングモールを巡る「LOGBOOK」もあるそうで、時間があればお勧め。

 続いて、新港ピアに移動したのだが、汽車道の途中で結婚式に遭遇。とてもにぎやか。
こちらには大型の映像作品が多数出品されていて、とりわけ「福岡アジアトリエンナーレ」から出品されているものが興味深く、あっという間に閉館時間となってしまった。

 閉館後は、奥のカフェで交流会。2次会は「象の鼻テラス」へ。

(後編に続く)

杉山 博之

ヨコハマトリエンナーレ2014(後編)

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:members

ヨコトリ_BANKART

ヨコトリ_BANKART


 2日目はBankART Studio NYKからスタート。テーマは「東アジアの夢」。
こちらも映像作品が多く、大野一雄フェスアーカイブと楊福東のものが印象的だった。この会場は、展示室からテラスに出ると目の前が海で、とても開放的な雰囲気が特徴。対岸には赤レンガ倉庫がよく見える。、

 お昼ご飯はタイレストラン「ピー」。かなり辛めの味付けでおいしかった。少し休憩して、初黄・日ノ出町の「仮想のコミュニティ アジア」へ向かう。

 既にご覧になった方ならご理解いただけると思うが、今回のツアーを振り返ったとき、ここで見たものが一番強烈だった。
狭い路地、立ち並ぶ鉄の壁、電車の高架線路で区切られた空間。細かく区切られたアトリエ、ノンジャンルの作品群、あちこちから出現するネコ。ねこ。猫。
アートと生活感がぎゅーと詰め込まれた、非日常的な密度にぺしゃんこにされそうだった。この界隈は作品が点在しているので、これから見に行かれる方は、休憩しながら、半日くらいかけてゆっくり巡るといいと思う。

ヨコトリ_KOGANE

ヨコトリ_KOGANE

 そんな、こんなで2日間ひたすら歩いて、かなり疲れたが大満足のツアーだった。最後に今回のツアーに協力してくれた「Hama-Treats!(ハマトリーツ!)」の皆さん、ツアーを企画してくれた「あいトリふぁん」の皆さんへの感謝で小文を閉じたい。

「ありがとうございました。(拝)」

杉山 博之