プライス・タワーの構造は?

カテゴリ:Ron.,アート見てある記 投稿者:editor

2023.11.15 投稿

展示室でプライス・タワーの模型を見て、あまりにも不思議な形なので気になり、インターネットで図面や写真を探してみました。見つかったのは、次の三つです。

① 標準的な階の平面図

URL:https://www.pinterest.jp/pin/79727855888910972/

② 上空から撮影した写真

URL: https://www.pinterest.jp/pin/8233211821257477/

③ 立面図と三種類の平面図

URL: URL:https://www.pinterest.jp/pin/520095456941023919/

◆標準的な階の平面図から分かったこと

 中央部に4つのエレベーターが設置され、各エレベーター室から水平方向に梁が出て、床を支えているようにみえます。豊田市美術館「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」のミニツアーで、千葉学芸員が解説したジョンソンワックス・研究タワーと同様に、中央の柱で建物を支える構造のようです。

標準的な階は4つに仕切られています。3つはOffice(事務所)、1つはDwelling(住宅)。住宅のLiving room(居間)は、ほぼ正方形で水平に30度傾いています。30度というのは、ヨドコウ迎賓館の傾きと同じ角度ですね。台所とトイレはエレベーターから伸びた梁で支えられた場所にあり、上の階につながる室内階段も見えます。上の階の床面は点線で描かれています。水平30度の傾きは無く、床面の一部は外壁から飛び出ています。標準的な階と上の階の間は吹き抜けになっていると思われます。

◆上空から撮影した写真から分かったこと

上空から撮影した写真を見ると、低層の基部と高層のタワーで構成された建物だと分かります。千葉学芸員が解説した「垂直と水平の広がり」ですね。最上階の19階は塔屋で、屋上庭園が見えます。縦長の掃き出し窓があるので、室内から屋上庭園に出ることが出来るようです。

 また、17階・18階は住宅と共通部分だけで出来ているようで、18階にキッチンは無いと思われます。

 住宅の、外壁から飛び出た三角形の部分は銅製の手すりと床面のようで、縦長の掃き出し窓がついていますが、飾り的な要素が強いと思われます。

◆立体図と三種類の平面図から分かったこと

立体図を見ると、1階・2階と3階~16階、17階~19階の構造の違いが分かります。

平面図の一番上は19階。18階の陸屋根が19階の屋上庭園になっていることがわかります。

中央は偶数階の平面図。偶数階の平面図を見ると、どの階も同じ形の部屋になっています。また、住宅の外壁から飛び出した部分と居住部分との間には、縦長の窓が描かれています。

一番下は奇数階の平面図。標準的な階の平面図と同じ内容です。

◆NIKKEI The STYLE 2023.10.29 円い邸宅の謎 フランク・ロイド・ライトの面影に導かれ

 日本経済新聞にも、プライス・タワーに関する記事があり、プライス・タワーの外観とハロルド・プライス(プライス・タワーのオーナー、日本美術の収集家=ジョー・プライスの父親)のオフィスの写真が掲載されていました。

 オフィスの写真は、豊田市美術館「フランク・ロイド・ライト 世界を結ぶ建築」に展示の「19階エグゼクティブフロアのオフィスと居室内観」と同じ場所を撮影したものです。壁画も家具もフランク・ロイド・ライトが設計したもの、とのことでした。詳細は、下記URLをご覧ください。日経電子版の有料記事ですが、無料会員として閲覧することは可能と思われます。

URL: https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN020AN0S3A001C2000000/

Ron.

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