マリー・ローランサンとモード展ギャラリートーク

カテゴリ:協力会ギャラリートーク 投稿者:editor

                                     令和5年6月25日開催

 令和5年度の名古屋市美術館協力会総会のあと、午後5時から、協力会の会員限定のギャラリートークが開催されました。担当学芸員による解説を聞きながら、展示室内でゆっくり絵画を鑑賞でき、会員たちも満足の様子でした。

ローランサンの絵画の色調に合わせたピンクの壁など、展示も工夫されていて、見ごたえもあり、ローランサンやシャネルの活躍したころのフランスにタイム・トリップできますよ。

「クマのプーさん」展 協力会向け解説会

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名古屋市美術館で開幕したばかりの「クマのプーさん」展(以下「本展」)の協力会向け解説会に参加しました。参加者は29名。講師は、井口智子学芸課長(以下「井口さん」)。知っているようで、実はほとんど知らなかった「クマのプーさん」についての解説を2階講堂で聞いた後、自由観覧・自由解散となりました。

◆井口さんの解説の要点(16:00~16:45)

 以下、井口さんの話を、ざっくりと記します。

〇「クマのプーさん」(Winnie-the-Pooh)について

解説会の冒頭、井口さんから二つの質問がありました。一番目の「プーさんを知っている人」という質問には、ほとんどの参加者が挙手。しかし、二番目の「プーさんの本を読んだことがある人」という質問に挙手したのは、ほんの数人。じつは私も、プーさんは「ディズニー・アニメのキャラクター」という認識しかなく、「プーさんの本」どころか、アニメ映画も見たことはありません。プーさんについて知っているようで、実はほとんど知らなかったことを、改めて知りました。

井口さんによれば、プーさんは、物語「クマのプーさん」(原題:Winnie-the-Pooh、1926)のキャラクター。挿絵を描いたのはE.H.シェパード(Ernest Howard Shepard。以下「シェパード」)。最初の挿絵は「ペン画」ですが、本展では1950~1960年代にカラーで描き直したものを展示している、とのことでした。

〇「クマのプーさん」展について

井口さんによれば、本展は東京・立川市のプレイミュージアム(PLAY! MUSEUM)が企画した展覧会で、展示デザイン・コンセプトもPLAY! MUSEUMによるもの、とのこと。展覧会の構成等は下記のとおりです。

① プーさん A to Z

 挿絵原画を鑑賞する予習として、「プーさんの物語」に関するキーワードを整理、解説したもの

② アッシュダウンの森

 映像のインスタレーション。井口さんは「小さな巣箱の中も覗いてみてください」と、付け加えました。なお、吹き抜けでもアッシュダウンの森をドローンで撮影した動画を投影

③ 1950-60年代に描かれた挿絵の原画

 100点ほどの原画を展示。原画は、岩波書店の「プーさん」シリーズの表紙や口絵にも使われているものです

〇「クマのプーさん」の本について

井口さんによれば、原作者はA.A.ミルン(Alan Alexander Milne)。彼は第一次世界大戦に通信将校として参戦。1920年に、長男のクリストファー・ロビンが生まれ、子ども向け詩集を皮切りに4冊の本を発行。プーさんのモデルは、子どもが一歳の時に買い与えたテディ・ベアのぬいぐるみ。灰色のロバのぬいぐるみやコブタのぬいぐるみも子どものためのもの、とのことです。

シェパードは、第一詩集「クリストファー・ロビンのうた」(原題:When We Were Very Young、1924)にもプーさんの姿を描いています。ただし、プーさんという名前は、まだ付いていません。

プーさんの物語の舞台は、百町森(Hundred Acre Wood)。ロンドンの南にあるミルンの田園の家のそばのアッシュダウンの森をモデルにしている、とのことでした。

〇「プーさん A to Z」のみどころ

A America 本展の原画は、シェパードが1950-60年代にアメリカの出版社E.P.ダットンのために描いたもので、アメリカのエリック・カール絵本美術館の収蔵品

I Ishii Momoko 「プー横丁に建った家」(原題:The House at Pooh Corner、1928)の朗読(注:日本語版は、1942年初版)の声が流れています。カーペットが敷かれており、座ることができます

H Hundred Acre Wood 百町森のイラスト(チラシにも掲載)を展示。「スペルミス」を探してください

V Four Volume ミルンが書いた4冊の本を展示。英語版は横書きで右開きですが、日本語版は縦書きで左開きになります。そのため、進行方向が自然に見えるよう、左右を逆転したものもあります。

 本展とのコラボ企画として、名古屋市の図書館にも「クマのプーさん」コーナーがあるのでご覧ください。

◆自由観覧(16:45~18:00)

本展の会場入口は、2階でした。

〇プーさん A to Z (2階)

井口さんのお話どおり、予習のための展示でした。印象的だったのは、G Gloomy Place 灰色のロバのぬいぐるみ「イーヨー Eeyore」の家と、J Jars ハチミツの入れ物、N North Pole プーがつかんだ棒でした。二次元の挿絵ではなく、三次元の「物体そのもの」を展示しているので印象が強かったのでしょう。

〇アッシュダウンの森(2階)

 鳥の鳴き声やせせらぎの音などが聞こえてきて、森の中にいるような感じがします。座るところもあります。都会の喧騒から解放される、とても居心地の良い空間でした。

〇1950-60年代に描かれた挿絵の原画(1階)

・展示空間

展示室に円形の壁を設置して、中央に緑、青、黄、赤色の大きな布が垂れています。円形の壁には挿絵の原画が展示され、中央の広場には、①コブタが、ぜんぜん、水にかこまれるお話、②プー横丁にイーヨーの家がたつお話、③プーがあたらしい遊戯を発明して、イーヨーが仲間に入るお話、の原画をケースに入れて展示。ケースには絵本の「おはなし」が書かれているので、絵本を読んでいるような気分です。ケースの周りには、カーブした長い箱。箱の上面には緩やか起伏があります。最初「大人も子どもも座れるように、座面の高さを変えたのかな?」と思ったのですが、「物語の舞台となる百町森(Hundred Acre Wood)の地面の緩やかな起伏を表現したのではないか?」と思い直しました。井口さんによれば、円形の壁、緩やかな起伏など、展覧会の展示デザインは、PLAY! MUSEUMのオリジナル、とのこと。今までに体験したことのない展示空間でした。

・展示作品

展示作品は、シェパードのオリジナル。印刷用の挿絵の原画ですから観賞用の絵画とは違い、「小さな作品」ばかりですが、細かい所まで克明な線で描いているだけでなく、色彩が鮮やかで見ごたえがあります。本展にはあまり期待していなかったのですが、そのような先入観を持って解説会に来たことを反省するばかりです。

◆東京・立川のプレイミュージアム(PLAY! MUSEUM)について

「円形の壁の展示室」が気になり、家に帰ってからPLAY! MUSEUMについて調べてみました。ネット上にある2020年の記事(https://mag.tecture.jp/culture/20200609-988/)によれば、PLAY! MUSEUMは、2020年6月10日、東京・立川駅北側の旧飛行場跡地に誕生した新街区「GREEN SPRINGS(グリーンスプリングス)」の施設の一つです。新街区のコンセプトは「空と大地と人がつながるウェルビーイングタウン」。38,900.20平方メートルの敷地内に、多摩地区では最大規模となるホール、ホテル〈SORANO HOTEL〉、各種ショップ、保育園、複合文化施設〈PLAY!〉などがあります。PLAY! MUSEUMはPLAY!の2階で、その名物は「楕円形の展示室」とのことでした。模型写真を見ると、本展1階展示室を楕円形にしたものです。

そうすると、本展の1階展示室はPLAY! MUSEUMの壁を持ってきたのではなく「PLAY! MUSEUMの壁と同じようなものを名古屋市美術館で一から組み立てた」ということになりますね。本展の内装工事は、相当に大掛かりなものだったと思われます。

なお、PLAY! MUSEUMについては(MUSEUM|PLAY! MUSEUMとPARK (play2020.jp))もご覧ください。

内装設計をした「手塚建築研究所」についても調べると、500人の子どものために作られた外周183mの楕円形の「ふじようちえん」を設計していました(ふじようちえん|教育施設実績|手塚建築研究所 (tezuka-arch.com))。楕円が好きなのですね。「ふじようちえん」の屋上デッキでは、園児が遊ぶこともできます。

◆最後に

 井口さんによれば、「展覧会はスタートから好調」とのこと。挿絵の原画はもちろんですが、美術館1階の展示空間も見ものです。「プーさんA to Z」の展示や「アッシュダウンの森」のインスタレーションも、本展独自のもの。「スタートから好調」というのは、確かに頷けます。お勧めですよ。

ていねいに展示の工夫などにも言及してくださいました。
井口課長さん、ありがとうございました。

Ron

「ボテロ展 ふくよかな魔法」 協力会向け解説会

カテゴリ:協力会ギャラリートーク 投稿者:editor

名古屋市美術館(以下「美術館」)で開催中の「ボテロ展 ふくよかな魔法」(以下「本展」)の協力会向け解説会に参加しました。参加者は49名、猛暑とコロナ禍での開催としては、予想以上に多い人数です。講師は、本展担当学芸員の久保田舞美さん(以下「久保田さん」)。解説会では初めてお目にかかる学芸員さんです。2階講堂で本展の解説を聞いた後、自由観覧・自由解散となりました。

◆久保田さんの解説の要点 (16:03~45)

 以下、久保田さんの解説の要点をかいつまんで記します。

〇ボテロの略歴

1932年、南米コロンビアのメデジン生まれ。現在90歳で、現役の世界的作家。ゲルハルト・リヒターと同じ年の生まれ。「現在も現役の世界的作家」という点も共通。絵画だけでなく、彫刻も制作。1949年、ピカソの評論を地元の新聞に投稿し、高校から退学処分を受ける(17歳)。1956年、マンドリンの穴を小さく描いたら、マンドリンのボリューム感が増すことを発見(24歳)。1959年、第5回サンパウロ・ビエンナーレに、コロンビア代表として《12歳のモナリザ》を出品(27歳)。1961年、ニューヨーク近代美術館(MoMA)が《12歳のモナリザ》(1959)を購入(29歳)。1963年、メトロポリタン美術館がレオナルドダヴィンチ《モナリザ》を展示しているときに、MoMAが《12歳のモナリザ》を展示して、注目を集める(31歳)。

〇本展について

日本では26年ぶりの大規模展。愛知県では初めての展覧会。ボテロ本人が監修した70点の絵画を出品(彫刻はない)。展示作品のほとんどが、日本初公開。なかでも《モナリザの横顔》(2020)は、世界初公開。

〇出品作品について

出品作品に関する久保田さんの解説については、次の「自由観覧」の中で触れます。

◆自由観覧(16:45~18:00)

〇第1章 初期作品

《泣く女》(1949)は、17歳の時の作品。久保田さんによれば「ピカソの『青の時代』の影響を受けているほか、オロスコなどのメキシコ・ルネサンスの壁画の影響も受けている」とのことです。ボテロは、17歳の時から「ボリュームのある人物」を描いていますが、この時代は手や足など「体の末端が肥大」しているように見えます。また、久保田さんの解説によれば《バリェーカスの少年(ベラスケスにならって)》(1959)は「《12歳のモナリザ》に似ている作品」です。《庭で迷う少女》(1959)も《馬に乗る少女》(1961)も、この時代の作品は「ふくよかな人物」というよりも「二頭身の人物」を描いているように見えます。

〇第2章 静物

《楽器》(1998)に描かれているギターは穴がとても小さく「ボテロが1956年に描いたマンドリンも、こんな姿をしていたのかな?」と思わせる作品でした。ピンク色の布(ふとん?)の質感描写も素晴らしいと思います。《洋梨》(1976)について、久保田さんは「伝統的な静物画のジャンル=ヴェニタス(人生のむなしさの寓意)を踏まえて、腐りかけの果物を描いたもの。果物をかじった跡や、穴、果物を食べている虫を描いているのは、そのため」という趣旨の解説をされました。「虫は目も描かれていて、かわいい」と、付け加えています。「腐りかけ」というなら「萎れて崩れかけた果物を描く」という手もあると思いますが、さすがはボテロ。腐りかけの果物であっても、みずみずしさにあふれています。一方、果物のヘタだけでなく、誰かが齧った跡、虫、どれをとっても小さいので、洋梨のボリューム感は半端ないものでした。

解説の最後に、参加者からの「ボテロにとって、青はテーマカラーですか?」という質問に対し、久保田さんは「青、赤、緑のバランスを取っている。大小のバランスも取っている。青が特別な色という訳ではない」と回答していましたが、《黄色の花(3点組)》《青の花(3点組)》《赤の花(3点組)》(いずれも2006)の三点は、久保田さんの回答のとおり、色のバランスを取った作品でした。特に《青の花》《赤の花》は、花と花瓶の色が補色関係になっており、色の対比とバランスを考えた作品だと思います。

〇第3章 信仰の世界

《キリスト》(2000)を見て、特定の年代の参加者は「俺たちひょうきん族の神様にそっくり」と言っていました。若い人には何を言っているのか分からないと思いますが、とにかく似ています。《コロンビアの聖母》(1992)について解説の最後に、参加者から「幼いキリストと思われる子どもが現代風の服を着ているのは、何故ですか?聖母がつまんでいるのは果物ですか?」という質問がありました。久保田さんの答えは「ボテロに聞けば、ピンクが欲しかったから、と答えるかもしれません。聖母がつまんでいるのは果物です。子どもがつまんでいる小さなものは、コロンビアの国旗。ボテロが、この作品を描いたのは1992年当時のコロンビアの暴力的な環境にあるのでは、とも思いますが、答えは不明です」というものでした。1992年といえば、1984年から続いた、麻薬組織メデジン・カルテルとコロンビア政府との「麻薬戦争」が終結した年です(Wikipediaによる)。久保田さんによれば、《守護天使》(2015)は「ボテロの自画像」です。

〇第4-1章 ラテンアメリカの世界

最初に展示されているのが《バルコニーから落ちる女》(1994)。何が起きたのか、よくわかりませんが、説明書きには「陰謀の犠牲者か?」と書かれています。《ピクニック》(2001)に説明書きはありませんが、「芸術新潮」2021年12月号は「草原でくつろぐ男女は、マネの《草上の昼食》が元ネタ」と書いています。言われてみれば、そんな雰囲気が漂っています。元ネタそのままではなく、一度自分の中に取り込んでから「ボテロ流」に再構成した作品ですね。ボテロの作風には、揺らぎがありません。《通り》(2000)に違和感を覚えたので説明書きを見ると「現実にはあり得ない空間。(略)絵画とは現実を表したものではなく、個人的な現実を独自の視点と体験をもとに創り上げたもの」と書かれていました。

〇第4-2章 ドローイングと水彩

4-2章からは2階に展示。キャンバスに青鉛筆で描き、水彩絵の具で彩色した作品が並んでいます。いずれも、2019年に制作したもの。思わず「うまい」と、声を出してしまいました。描かれているのは、どれも「ふくよかな」人物ですが、油絵と違って「凛々(りり)しく」、違和感がありません。とはいえ、作風そのものは、まったく変わっていませんでした。

〇第5章 サーカス

「サーカス」で一つの章を構成するのですから、サーカスは、ボテロにとって「欠かせないもの」だったのでしょうね。どの作品にも、補色関係である緑と赤の対比が使われていました。「現実にはあり得ない遠近感」も、楽しめます。

〇第6章 変容する名画

名画がどのようにデフォルメされたか分かるように、元ネタとボテロの作品を並べて展示しています。なかでも、久保田さんが力を入れて解説したのは《ピエロ・デラ・フランチェスカにならって(2枚組)》(1998)でした。キーワードは「この作品には、フランチェスカに対する尊敬があらわれている。陰影を強くつけることなく、線と色彩でボリューム感を出している。フランチャスカを思わせるのは、無表情ではなく、口角を挙げて少し微笑んでいること。ボテロの様式で描いた、気分の上がる作品」等です。展示室で見ると、とても大きな作品でした。画面の上下を縮めて「ふくよか」な感じを強調していますが、他の作品に比べるとデフォルメの程度は小さく感じます。この作品で見入ったのは、服や帽子、髪飾りなどの質感描写です。イタリアで基礎を学んだだけあって、久保田さんの解説どおり「線と色彩でボリューム感」を出していました。質感も出ています。ボテロなら、元ネタそっくりに描くことも出来るでしょうが、それでは「模写」であって彼の「作品」にはならないので、デフォルメした作品を制作したのでしょう。絵の向きも、元ネタの逆です。他に目を引かれた作品が《フォルナリーナ(ラファエロにならって)》(2008)でした。ボテロの描く人物の多くは無表情ですが、このフォルナリーナの眼差しや唇は、妙に色っぽいのです。《モナリザの横顔》(2020)にも表情があります。このことを久保田さんに質問したところ、「微笑や眼差しは、作品を特徴づけるもので、不可欠な要素。なので、デフォルメしても、残したのではないか」という趣旨の回答をいただきました。上記以外の作品も「元ネタそのまま」ではなく、人物の向きや、服装などを変化させています。それを発見するのも、鑑賞の醍醐味だと思いました。

◆ボテロとゲルハルト・リヒターは、共通点があるものの、対照的な作家

ボテロもゲルハルト・リヒターも1932年生れで、世界的な作家、日本で大規模な巡回展が開催されている、という共通点があるものの、素人ながら対照的な作家だと思います。ボテロは20歳の時に描いた作品が第9回コロンビア・サロンで二等賞を獲得。その賞金でヨーロッパに渡り、プラド美術館でゴヤやベラスケスを模写。その後パリに移り、ルーブル美術館で巨匠の作品を模写。更にフィレンツェに移り、サン・マルコ・アカデミーに入学。フレスコ画の技法を学び、フィレンツェ大学美術学科でロベルト・ロンギの講義を受けています。抽象絵画が主流の時、古典絵画をデフォルメするという作風を確立してからは、作風を変えていません。一方、リヒターは東ドイツで描いていた「社会主義リアリズムの壁画」に疑問を持ち、西ドイツに出国。デュッセルドルフで抽象絵画の洪水に出会い、模索の後、フォト・ペインティングで評価されます。その後、カラーチャートやアブストラクト・ペインディングなど、具象と抽象の間で作風は変遷しています。「どちらが良いか」というのではなく、今年は対照的な二人の作家の展覧会を続けて鑑賞することができる、又とない機会だということです。

◆最後に

 正直に言うと、あまり期待せずに来たのですが、良い意味で裏切られました。いずれの作品も「ふざけて、ふくよかな人物を描いたのではなく、元になった名画に敬意を表して、まじめに描いたもの」でした。大きな作品が多く、見応えがあります。解説会にも予想以上の数の参加者がありました。お薦めですよ。

Ron

布の庭にあそぶ 庄司達展 解説会

カテゴリ:協力会ギャラリートーク 投稿者:editor

5月15日日曜日、4月29日から名古屋市美術館にて開催されている「布の庭にあそぶ 庄司達展」の協力会会員向け解説会が行われました。当日は2時間ほど前に作家自身によるアーティスト・トークも開催され、大勢の観客が訪れており、その余韻残るなかで解説会が始まりました。

今回展示は2階の展示室から始まっています。まずは作品のマケット(模型)が並んでいるところから。今回作品が展示されているものもありますが、マケットのみで実際の作品はまだ制作されていないものもありました。

今回、2階の展示室は移動壁を一枚も出していないそうです。そのような使い方をしてみると、2階展示スペースが非常に明るく、インスタレーション作品向けであると実感されたとのこと。なるほど、かなり前ですが、トリエンナーレでインスタレーション作品が展示されたときも、非常に面白い展示になっていたなと思い出しました。

庄司さんの作品は、体を使って体感するものが多く、作品の中に人が入ることが、作品にとって非常に大切であるとのこと。後に展示室でそれを十分に実感しました。

簡単なレクチャを聞いたあとに展示室をゆっくり堪能。会員は、作品の間を抜けて移動したり、なかには作品のなかで寝転んだりしてこの時間を楽しんでいました。実際に布を触ってみることが出来る作品もあり、触ったり、作品の中に迷い込んだり、それぞれが思い思いの楽しみ方をして過ごしました。