お知らせ

2025年8月18日

2025年協力会イベント情報

現在、下記のイベントの申し込みを受け付けています。

1.近代名古屋の日本画界(常設企画展) 協力会向け解説会 名古屋市美術館 令和7年1026

参加希望の会員の方は、ファックスか電話でお申し込みください。ホームページからの申し込みも可能です。

なお、次回特別展の「藤田嗣治 絵画と写真」の解説会は、アンケートを実施しています。ファックスまたは、下記のアンケートサイトから希望時間帯をお知らせください。後日、開催日をお知らせします。

最新の情報につきましては随時ホームページにアップしますので、ご確認ください。また、くれぐれも体調にはご留意ください。

10月からギャラリートークの形式が変更になりますので、会員の皆様の参加希望をアンケートさせていただきます。アンケートはこちら(受付期間:8月10日~9月10日まで)

これまでに制作された協力会オリジナルカレンダーのまとめページを作りました。右側サイドメニューの「オリジナルカレンダー」からご覧ください。

事務局

「ポジション2014」アーティストトークと作家を囲む会

カテゴリ:作家を囲む会 投稿者:editor

作家伊藤正人さんを囲んで

作家伊藤正人さんを囲んで

◆「ポジション2014」 伊藤正人「水性であること」
 現在、名古屋市美術館では、名古屋市とその近隣地方を拠点に活躍する作家を取り上げる≪ポジション展≫として、伊藤正人さん(1983~)の「水性であること」を、地下1階の常設展示室3にて12月3日(祝)まで開催しています。
 先日、作品を見ようと展示室入口に立ったところ、何も展示してないのでびっくりしました。受付の人に聞くと「作品は展示されています。」というので、半信半疑で奥の方に進んでいくと、壁に小さな水色の文字が波打つように横書きで書かれています。書かれているのは、散文詩のようです。
 文字を読むには壁に近づかなくてはなりません。上の方に書かれた文字を読んでいると首が痛くなるので、少し下がると、文字列が山の稜線のように見えます。すると、入口近くまで下がっても、さすがに文字は判読できないものの、壁に描かれた線がはっきりと見えます。「入った時には見えなかったものが、今では見える。」という、不思議な体験ができますよ。
◆アーティストトーク
 作家に興味を持ったので、11月15日(土)に開催されたアーティストトークに参加しました。自分の心の中を見つめながら注意深く話す、伊藤正人さんの姿が印象的でした。
 市美術館学芸員の角田美奈子さんが「なぜ、万年筆を使い、ロイヤルブルーのインクで壁に文字を書くという表現を始めたのですか。」と問いかけたところ、「早朝の、東京・青山の公園のベンチに座って目の前の景色を文章で綴ってみた。すると、目の前のことを文章で書くことに「もどかしさ」の感覚を覚えた。それが、今のような表現を始めたきっかけ。」と答えが返ってきました。
 また、「今までは、ずっと四畳半くらいの狭い空間の中で表現してきた。今回、今までの個展すべてを足したよりも広い空間を与えられた。文字を読んでもらえるか不安だったが、作品に「うごき」が出て、「跳び越えた」という感覚を覚えた。」とも、話されていました。
なお、書いているものは「詩ではなく、目に見える景色(風景ではない)を詩情を挟まず、客観的に描写したもの。」とのことで、伊藤さんは、文学者であり、視覚の芸術家でもあるという、ジャンルを超えたartistです。
お料理を囲んで、会長のあいさつ

お料理を囲んで、会長のあいさつ

◆作家を囲む会
 アーティストトークの当日、午後5時から、伊藤正人さん、伊藤さんのパートナーである吉田知古(よしだ・ともこ)さんと学芸員の角田美奈子さんをお招きして、市美術館1階の「おはな」で名古屋市美術館協力会主催の「作家を囲む会」を開催しました。軽食、ソフトドリンク、アルコール類等を楽しみながら、様々な話題が飛び交いました。
ある協力会員が、「壁に文字を書くという以外に、どんな創作活動をしていますか。」と質問したところ、「最近は、古い家具に文字を書いてほしいとか、民家を解体した古い材木に文字を書いてほしいなどの注文がある。」とのお答え。吉田さんは、「展示の準備として、常設展示室3の壁の穴を埋め、礬砂(ミョウバンとニカワを混ぜたもの)を塗り、サンドペーパーをかけて滑らかにするという作業を、仲間でやった。疲れたけれど、楽しかった。」などの裏話を披露されました。
 会期が終わると、壁に書いたロイヤルブルーの文字は「水を含ませた布で拭って消す」とのことで、作品はこの世から消えて無くなります。見るなら、今のうちです。
   Ron.
作家、パートナーさんと角田学芸員

作家、パートナーさんと角田学芸員

ヤゲオ財団コレクション展 ギャラリートーク 

カテゴリ:会員向けギャラリートーク 投稿者:editor

ギャラリートークに集まった会員たち

ギャラリートークに集まった会員たち

「現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより」という長い名前の展覧会(以下、「本展」と略します)の ギャラリートークに参加しました。参加者は、現代美術展にしては多い52名でした。当日は午後2時からの保坂健二朗氏(東京国立近代美術館主任研究員:本展の企画者)の記念講演会も聴いたので、こちらも併せて感想などを書きます。
◆ヤゲオ財団とは
 さて、保坂氏によれば、本展のきっかけは昨年開催された「フランシス・ベーコン展」の出品交渉だったとか。フランシス・ベーコンの作品を所有しているヤゲオ財団(台湾)CEOピエール・チェン氏(以下、「チェン氏」と省略します)の東京の邸宅を訪問したところピーター・ドイグの「カヌー・湖」が飾られていたのを見てびっくり。聞けばオフィスや台北、香港の自宅にも、とても高額な作品をいくつも飾っていることを知り、本展の企画を練り始めたとのことでした。
チェン氏は、台湾の大手電子部品メーカーであるヤゲオ・コーポレーションを経営する実業家で、ヤゲオ財団はヤゲオ・コーポレーションやチェン氏個人からの寄付金等をもとに設立された非営利組織です。財団が購入した作品はチェン氏の自宅やオフィスを飾っており、購入の基準はただ一つ「チャン氏の好み」です。
杉本氏の不思議な絵に見入る会員たち

杉本氏の不思議な絵に見入る会員たち

◆本展覧会の特色
保坂氏によれば、本展はチェン氏が自分の好みで集めたコレクションによるものであり、「脈絡がないのが特色」とのことです。要は「肩肘張らずに作品を見て楽しんでくださいよ」ということなのでしょう。「1階の展示は、杉本博司の海景シリーズとマーク・ロスコを向い合せにするなど面白い展示だと思ったけど、2階は何?!『ただ、並べました。』という感じで、意図がわからない。」と、知り合いから辛口の評を聞きましたが、「そういう声を承知で展示している」ということですね。
「2階は何?!」というのは、「中国の近現代美術」のコーナーのことのようで、保坂氏も「なぜ、ホワン・ミンチャンの水田の絵を展示しているのか」と、叩かれたようですが「異質かもしれないが、チェン氏はこの作品に対する思いを熱く語っていた」と、付け加えていました。
展示室で見ると、現代美術の展覧会というより「アジア・モンスーン地帯の風景」といったテーマにふさわしい作品ですが、懐かしさを覚える絵で、個人的には悪くないと思えました。
◆気軽に楽しむ
 自宅に展示しているだけあって、気軽に楽しめる作品が多いです。最初に展示されているマン・レイの「ジュリエット」は写真ではなく「油絵」で、珍品です。サンユウの「六頭の馬」はマティスの「ダンス」みたいで面白い。チラシ・入場券に使われているゲルハルト・リヒターの「リズ・ケルテルゲの肖像」は、ボケ・ブレが綺麗です。トーマス・シュトゥルートの写真は細部まではっきり写っていてリアルなのですが、じっと見ていると逆に非現実感が増してきます。マーク・タンジーの「サント・ヴィクトワール山」は、水辺は男ばかりですが、水面に映っているのは全て女性で、姿勢も少し違うという不思議な絵です。他にも、楽しめる作品がいくつもあります。
彫刻作品を囲んで

彫刻作品を囲んで


◆ゲーム「コレクターチャレンジ」
会場の最後には「今からあなたに50億円をお渡しします。」というキャッチコピーのゲームがあります。本展から選んだ17点の作品から5点以内を選んで家の模型に展示し、合計金額を50億円に限りなく近づけるようチャレンジするものです。知人がマーク・ロスコとフランシス・ベーコンなど5点を展示したところ、「予算オーバー」になりました。ゲームではマーク・ロスコとフランシス・ベーコンを一緒にしてはいけません。
                            Ron.

名古屋市美術館協力会 「挑戦する日本画展」ギャラリートーク

カテゴリ:会員向けギャラリートーク 投稿者:editor

7月6日(日)は、名古屋市美術館協力会総会に引き続いて、現在開催中の「挑戦する日本画展」のギャラリートークに参加しました。今回のギャラリートーク参加者は64名。大勢でしたね。

山田学芸係長のお話、とてもわかりやすい!

山田学芸係長のお話、とてもわかりやすい!

展示室に行く前に、名古屋市美術館の山田学芸係長から「この展覧会で紹介するのは、戦後登場した「日本画滅亡論」という逆風のなかで「日本画の革新」に取り組んだ作家たちです。その挑戦ぶりを見てほしい。」という話があり、大いに期待して展示室に向かいました。
展示室に入って、最初に目に飛び込んできたのは金色の棺に安置されたミイラを描いた大きな絵。顔の上では蝶が舞っています。これは、川端龍子「夢」で、中尊寺でミイラが発見されたというニュースに触発されて描いたもの。その左隣には白っぽい抽象画のような作品。福田平八郎「新雪」で、写実画との解説でしたが、写実画でも切り取り方によっては抽象画に見えるのですね。左手の壁には、赤ちゃんを抱いた農婦の絵。秋田の農村風景ですが、何か変。解説によれば、福田豊四郎「秋田のマリア」で、聖母子像とのこと。確かに、どの絵も「挑戦する日本画」です。
今回展示されているのは「よく集めたなあ」と感心するほど粒ぞろいで、大型の作品ばかりでしたが、中でも印象に残ったのは2階の展示室で最初に目にした、中村正義「妓女」と横山操「高速四号」。どちらもチラシに出ていますが、やはり、実物は違いますね。加山又造「黒い薔薇の裸婦」には、目が釘付けになりました。
地下1階の企画展示室3には、桑山忠明「無題」と李禹煥「点より」が展示されています。「これが日本画?」と疑問を持ちましたが、どちらも日本画を学んだ作家で「日本画に挑戦した結果、この表現に至った」とのことでした。
名古屋市美術館所蔵の作品も、いくつか展示されています。なかでも、堀尾実「冬の構図」は日本画による抽象表現であり、興味を惹かれました。
山田学芸係長のトークにも熱がこもっており、とても時間が短く感じられましたが、ギャラリートークが終了したのは予定を15分超過の午後6時45分。しかし、参加した人たちからは「これなら、午後10時までも聞いていたかった。」という声が多数。みんな、満足して美術館を後にしました。
最後に、川端龍子「夢」、福田豊四郎「秋田のマリア」、加山又造「黒い薔薇の裸婦」は、いずれも前期(8月3日まで)のみの出品です。後期(8月5日~24日)のみ出品の作品もありますので、前期・後期どちらもご覧ください。それから、常設展は「挑戦する日本画展」に合わせた展示をしています。常設展もお忘れなく。
Ron.

当日は大盛況!美術愛好家たちが集まりました。

当日は大盛況!美術愛好家たちが集まりました。

作家(山口晃さん)を囲む会

カテゴリ:Ron.,作家を囲む会 投稿者:editor

展覧会場の山口さんの作品の前で記念撮影

展覧会場の山口さんの作品の前で記念撮影

 作家を囲む会は、名古屋市美術館で展覧会が開催されるときに、現役の作家が名古屋市に来られる機会を捉えて開催する行事です。市美術館にお願いして、作家さんが講演会やワークショップなどをされた後、美術館閉館後に美術館内のコーヒーショップ「おはな」を貸し切って作家さんと協力会会員が歓談する行事です。もちろん、軽食、ソフトドリンクにビール、ワイン、日本酒などのアルコールも出ます。
 山口晃さんを囲む会は、先ず、展示室内の山口晃さんの作品の前で参加者の記念撮影から始まりました。山口晃さんが椅子に座り、その周りを協力会会員が取り囲んだところを撮影。
お料理も家庭的で美味しい!ワインと一緒に

お料理も家庭的で美味しい!ワインと一緒に

 撮影後は、「おはな」に移動。椅子は全て壁際に寄せて床を広くとり、机を集めて飲み物の島を二つ、食べ物の島を一つ作って、参加者はその周りを取り囲むという立食形式の会食です。今回は40人近い参加者なので、初の試みとして立食としました。
 会の始まりが予定よりもだいぶ遅くなったので、開会早々「乾杯」です。乾杯直後から、山口晃さんと一緒に写真を撮ってもらいたい協力会員が次々に押し寄せたので、山口晃さんはゆっくり食事する間もなかったと思います。申し訳ありませんでした。
山口先生の周りは人だかり

山口先生の周りは人だかり

 アルコールの助けもあり、会場のあちらこちらで話が弾みます。山口晃さんも近くに来た協力会員の感想や質問に嫌な顔ひとつ見せずに応えてくれます。これは「作家を囲む会」でなければ味わえない醍醐味ですね。
 和気藹々のなか、6時30分から「高橋コレクション展」担当の笠木学芸員の話に続いて協力会の佐久間会長の挨拶となり、最後に、山口晃さんから「囲む会」の感想などのお話をいただき、中締めとなりました。最後に、有志で後片付けをして解散です。
先生と直接お話できた会員も!ラッキーです。

先生と直接お話できた会員も!ラッキーです。


最後に先生からお言葉をいただきました。ありがとう!

最後に先生からお言葉をいただきました。ありがとう!


 朝から晩まで、3つの行事をハシゴした忙しい一日でしたが、満足できました。
 次回は、6月29日(日)名古屋ボストン美術館「ミレー展」ミニツアーです。     Ron.

山口晃さんの講演会

カテゴリ:Ron.,記念講演会 投稿者:editor

 午後1時半の開場時間に間に合わず、1時40分頃に講演会場の市美術館2階の講堂に入ると、席は8割以上埋まっていました。若い人が目立ちます。講演後にはサイン会があるので、サインを書いてもらうための本を、今日、ミュージアムショップで買った人も多数いるようです。
 開始時刻の2時になり、山口晃さんが入場して来ました。演台のところまで来て会場を見渡したあと舞台袖のスピーカーの後ろに姿を隠したので、何事が起きたかと、一瞬、会場のざわめきが止みます。ひと呼吸おいて、にこやかな表情をして山口晃さんが顔を出すと、会場は喝采の渦です。山口さんが、聴衆の心を掴んだ一瞬ですね。お茶目でサービス精神豊かな方だと感心しました。
 講演は、中日新聞などに連載中の五木寛之「親鸞」の挿絵のエピソードから始まり、「よく日本画家と紹介されるけれど、実は油絵科の出身なのです」ということから、高橋由一、黒田清輝など日本の油絵画家の苦労話へと繋がり、最後は、市美術館の「高橋コレクション展」で展示している3つの作品の話で締め括られました。ホワイト・ボードに字や絵をかきながら話を進めるのですが、これがウマイ。「親鸞」の挿絵は、一度に2日分の原稿が送られ、翌日(?と記憶してますが…)には完成した挿絵を新聞社に渡すという話を聞き「短い時間で構想をまとめて描く。それも、何年も延々と続けるのだから、気力、体力、技術が揃ってないと出来ないんだなあ」と、驚きました。
 講演会のあとはサイン会。人数が100人と多い上、サインだけでなく言葉を交わすなどサービス精神が豊かなので、終わった頃は5時をだいぶ過ぎていました。お疲れ様です。

「マインドフルネス!」展覧会ギャラリートーク

カテゴリ:Ron.,会員向けギャラリートーク 投稿者:editor

 4月11日(日)は、名古屋市美術館協力会の「マインドフルネス! 高橋コレクション 決定版2014」の展覧会ギャラリートークに参加しました。

美術館閉館後、集合した会員たち

美術館閉館後、集合した会員たち

展覧会ギャラリートークは、名古屋市美術館で特別展が開催される度に行われます。美術館が閉まった後、作品の前で名古屋市美術館の学芸員さんが協力会会員に向けて展覧会のテーマや展示内容等を貸切状態で解説してくれるというもので、美術好きにはたまりません。協力会会員の特典なので参加費は無料です。協力会会員になってよかった。
犬と一緒に、パチリ!

犬と一緒に、パチリ!

当日は、ひとまず美術館2階の講堂に集合。美術館閉館後の午後5時10分に企画展示室入口に移動して、草間彌生≪ハーイ!コンイチハ≫のヤヨイちゃんとポチの前で再び集合。なお、この作品はチラシやポスターにも使われており、この展覧会では「特別に撮影してもよい」ということなので、記念撮影する人が続出しました。
名古屋市美術館の笠木日南子学芸員によれば、今回の展覧会は精神科医で現代美術コレクターの高橋龍太郎氏のコレクションから40作家の119点を選りすぐったもの。展覧会タイトルの「マインドフルネス」という言葉の意味は、先入観にとらわれず「現実をあるがままに受け入れる、気づき」だそうです。高橋龍太郎氏は図録に「マインドフルネス」を「パーリ語のサティ(見出す)に由来する言葉」と書いており、うつ病の認知行動療法に関係し、禅の影響もあるようです。
さて、展示作品ですが、美術館の広い空間でないと十分に鑑賞できないような大型の作品が多かったのが印象的でした。また、「現実をあるがままに受け入れる」という言葉どおり、先入観を排除して作品に向き会えば胸がドキドキするものばかりです。コレクターが感じた衝撃を追体験している感じですね。個人コレクションの面白さを十分に楽しむことができる展覧会です。
チラシに印刷されていた草間彌生、加藤美佳、奈良美智、村上隆、鴻池朋子、会田誠、山口晃、名和聡子の作品はどれも、実物でなければ味わえない迫力に満ちていました。
なかでも会田誠は、チラシの作品以外に無数のゼロ戦が空爆でニューヨークを火の海にする「紐育空爆之図」と大勢の若い女性が粉々にされる「ジューサーミキサー」というショッキングな作品も展示されています。「えっ」と思わず息をのみますが「マインドフルネス」「あるがままに」と唱えていると、不思議なことに凄惨さ以外の面も見えてくるような気がしました。
名和聡子「幸福と絶望」は展示室の壁一面を覆う大きさで、美術館でなければ鑑賞できません。鴻池朋子はチラシのものだけでなく、立体の「惑星はしばらく雪に覆われる」と映像の「mini-Odyssey」も展示されています。特に、立体作品は表面が鏡に覆われた6本足のオオカミで、鏡に反射した光が展示室の四方八方に散らばり、キレイでした。
以上のほか、池田学「興亡史」は超細密でありながら巨大な絵で「どこまで描くんだ?」と、見飽きません。松井えり菜「食物連鎖」は宇宙空間を背景に作家自身がマンモスやクジラ、人間などを飲み込む絵で、左端にはウーパールーパーが泳いでおり、不思議な魅力があります。そういえば、開会式には作家本人がウーパールーパーの被り物をかぶって並んでいたそうです。
塩保朋子「cutting insights」は美術館の1階と2階をつなぐ吹き抜けに吊るされています。長さ650cm×幅356cmの紙に刃物で切り込みを入れて模様を描いた、巨大な伊勢型紙のようなもので、壁に映ったシルエットがキレイでした。ただ、光源の関係で影が二重になってボヤけていたのが残念です。小田ナオキ「undead Family」はユーモラスな中の少し悲しげな表情が気になり、染谷亜里可「Decolor-level5」はベルベットの色を抜いて制作したと聞いてびっくりしました。どの作品も理屈抜きで楽しめるものばかりです。お勧めですよ。開催は6月8日(日)まで。
                            Ron.
解説してくださった笠木学芸員を囲んで!

解説してくださった笠木学芸員を囲んで!

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