2025秋のアートツアー

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12月14日の日曜日に、名古屋市美術館協力会秋のツアーが行われ、総勢28名が参加しました。行き先は京都の對龍山荘と泉屋博古館です。当日は午前中あいにくの雨でしたが、午後からは晴れ、まずまずの天気でした。

最初の訪問先、對龍山荘では国の名勝に指定されている庭園と近代和風建築のすばらしさを体感することができました。蔵には柿右衛門の壺、楽旦入の茶碗があり、座敷には横山大観の絵画など数寄者を喜ばせる数多くの名品があり、その建物の歴史を感じることができました。また聚遠亭には裏千家11代玄々斎の掛け軸、ゆかしき茶室もあり、茶道をたしなむ人たちにとって興味深い場所であると思います。

對龍山荘にて

庭園については見事というほかありません。今までに京都で数多くの庭を見てきましたが、スケール感、設計における随所でのこだわりは半端ありません。それから池の錦鯉の圧倒的な数の多さ。これらの建物と庭を維持するのは大変なことだと思います。これからの長きにわたって文化遺産として保存されることを強く願います。

對龍山荘庭園

昼食は南禅寺山門前の順正で湯豆腐をいただきました。ひさびさに食べました。おいしかったです。

午後から泉屋博古館に移動して「鹿子木孟郎 不倒の油画道」、常設展「中国青銅器の時代」を鑑賞しました。鹿子木は、フランス留学をしている人で、落ち着いたリアリズムのなかに品のよさを感じさせる作品がありました。青銅器については見る機会もあまりないので、新鮮な気持ちをもって楽しむことができました。動物をかたどった文様など、貴重なコレクションを数多く見ることができました。随分前に東京の泉屋博古館に茶道具を見に行ったことがありますが、住友財閥系は数多くの名品を所有していると改めて認識しました。

泉屋博古館

 今回のツアーほぼ日程表どうり、存分に京都を楽しみました。同行の学芸員の竹葉さんには、いろいろな美術情報を教えていただきありがとうございました。また役員の皆さん、いろいろとお気遣いいただき感謝申し上げます。

谷口 信一

秋のアートツアー(京都)

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はじめに

協力会の秋のアートツアーで、京都の對龍山荘と泉屋博古館を訪問した。ツアー当日は、前日からの雨も止み、庭園の散策と展覧会を満喫した。

對龍山荘

對龍山荘の書

對龍山荘の庭園は、東山の眺めを背景に、約1800坪の広大な敷地に池や流れ、芝生広場などを配置している。国の名勝にも指定され、近代日本庭園の先駆者と称えられる七代目小川治兵衛が改修を手掛けた。座敷からの眺めも、庭に降りての眺めも、とても印象的な体験だった。

對龍山荘の庭園の眺め

お昼は、南禅寺界隈の湯豆腐のお店へ。暖かいものを食べ、体中がホカホカになった。

昼食のテーブル

泉屋博古館

「生誕151年目の鹿子木孟郎-写実絵画の精髄-」と、コレクション展の「中国青銅器の時代」を見た。

鹿子木の作品を見て、名古屋市美術館のコレクション展で見かける郷土の作家の中にも、よく似た作風の作家がいることに気がついた。同じ時代に活躍し、写実的な表現を試みた京都の作家と名古屋の作家の作品が、はからずも似ていることが面白かった。

会場入口

中国青銅器展では、青銅器の鋳造過程を模型と映像で解説しているコーナーがあった。いくつもの土の型を組み合わせ、とても複雑な形状の器ができる様子は、思わず映像の最後まで見てしまうほどの面白さだった。

展示風景

泉屋博古館で記念撮影。

美術館入口にて

杉山 博之

This is SUEKI -古代のカタチ、無限大!

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はじめに

愛知県陶磁美術館(以下、愛陶)で、全国の須恵器の名品を集めた展覧会が始まった。本展で紹介される須恵器とは、1600年以上前の古墳時代に生まれた“やきもの”。それまでの土器に比べ、穴窯を使い、高温で焼くことで、丈夫で水漏れしにくいことが特徴。

会場入口

須恵器の分布や形状の変化をたどると、当時の東アジアとの交流や日本の文化や美意識の変化をうかがうことができる。「やきもの」の殿堂、愛陶が見せる史上最大規模の須恵器展、これは見逃せない。

第1章 海を渡った技術と文化

須恵器の製法は、古墳時代の4世紀末から5世紀初頭に、朝鮮半島から伝来した。本章では、朝鮮半島で作られた「陶質土器」と日本列島で作られた「陶質土器=須恵器」を比較しながら、その類似点と相違点をわかりやすく展示している。

取っ手の付いた須恵器のカップを見ると、現在のマグカップのデザインとほぼ同じ。当時の人々が集まり、飲み物を入れたカップを手にして、談笑している様子を空想した。

展示風景

第2章 造形のうつりかわり

須恵器の製法は、奈良・平安時代にかけ、日本列島に拡大した。その過程で、東アジアの国際情勢の変化や仏教文化の伝来・定着により、器としての形は様々に変化する。

本章では、5~9世紀の須恵器の変遷を九州、近畿、東海、関東で比較し、紹介している。展示された器だけでなく、愛知、岐阜をはじめ、各地に残る古窯とその規模にも驚かされる。

展示風景

第3章 ハレのうつわ~古墳時代の祭り~

生活の道具としての用途以外に、儀礼や祭礼のための道具として作られた須恵器のことを、装飾須恵器、特殊須恵器と呼ぶ。その造形は、とても奇妙で複雑だ。例えば、大きな壺の肩の部分に小型の壺をたくさん載せたもの、蓋の持ち手の部分に鳥の造形を施したものなど。どちらも、使い勝手の良さを求めない、ユーモラスな形状をしている。作り手の豊かな創造力が存分に発揮されており、見ていて楽しい展示だ。

展示風景

おわりに

多様な造形の変遷を見せる須恵器の数々を見ていて、ふと、ガラスや金属などで作られた同形状の器が、身の回りにあることに気がついた。これらの器の中には、須恵器がルーツになったものもあるだろうと思うと、須恵器に親近感がわいた。

多数の展示物と、わかりやすいキャプションで、須恵器の歴史を見ることができる展覧会だった。

杉山 博之

2025年協力会イベント情報

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現在、下記のイベントの申し込みを受け付けています。

1.コレクション×現代美術 名古屋市美術館をめぐる4つの対話 協力会会員向け解説会 名古屋市美術館 

第1回  令和8年1日(金)16:00~

第2回  令和8年1月25日(日)15:00~

参加希望の会員の方は、ファックスか電話でお申し込みください。ホームページからの申し込みも可能です。両方の回に参加も可能です。

最新の情報につきましては随時ホームページにアップしますので、ご確認ください。また、くれぐれも体調にはご留意ください。

これまでに制作された協力会オリジナルカレンダーのまとめページを作りました。右側サイドメニューの「オリジナルカレンダー」からご覧ください。

事務局

オディロン・ルドン 夢の交叉

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オディロン・ルドンは、19世紀後半から20世紀初頭にかけ、フランスを中心に活躍した幻想的な作風で知られる近代絵画の巨匠。そのオディロン・ルドンの展覧会が、名古屋のヤマザキマザック美術館で開催中。会期は、前期が12月21日まで、後期は12月24日から2026年2月23日まで。

展示室入口

黒と白の世界

オディロン・ルドンの初めての石版画集『夢の中で』から最後の『ヨハネ黙示録』まで、彼の代名詞ともいえるモノトーンの幻想的な世界が広がる。とはいえ、近くで見ると不気味な作品が多い。アニメ映画に登場する魔物のように描かれていない分、その不気味さには深みと強さがある。

展示風景

色彩の世界

花瓶に生けられた色とりどりの花々の作品が観客を出迎える。作品のサイズも大きすぎることなく、大作を前にしたときの圧迫感がない。水色系の壁面の色合いと調和し、とても落ち着いた印象を受ける。

展示風景

美術批評

オディロン・ルドンは同時代の作家について、多くの批評を残した。好意的なもの、批判的なものを取り混ぜ、現代でも有名な作家もいれば、時代に埋もれた作家も含まれる。また、批評したジャンルも絵画だけでなく彫刻も含むなど、とても幅が広い。オディロン・ルドンの批評の目を通し、当時の美術界の動向を垣間見る趣向だ。

展示風景

おわりに

ヤマザキマザック美術館が所蔵するフランス美術のコレクション展と一緒に、19世紀末の幻想的で少しグロテスクなオディロン・ルドンの世界を楽しんではいかが。なお、展覧会の会期中に講演会やナイトミュージアム(演奏会)も開催される。

杉山博之

アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦

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豊田市美術館で、「アンチ・アクション 彼女たち、それぞれの応答と挑戦」を見た。

展示されているのは、以下の女性作家14名による約120点の現代美術の作品群。赤穴桂子、芥川(間所)紗織、榎本和子、江見絹子、草間彌生、白髪富士子、多田美波、田中敦子、田中田鶴子、田部光子、福島秀子、宮脇愛子、毛利眞美、山崎つる子。

美術館入口

展示室にて

最初の展示室は、「始まりと終わりの部屋」と名付けられ、作家ごとに1点ずつ、全部で14点の作品が展示されている。作品リストを見ると、この部屋の作品を見た後に大きな展示室を見るように促されている。最初に、それぞれの作家の作品を一覧し、展示全体の雰囲気をつかむという配慮なのだろう。

展示風景 始まりと終わりの部屋

芥川(間所)紗織

芥川(間所)紗織の「女シリーズ」、「神話・民話シリーズ」が展示されている。彼女の作品は、染色技法で制作され、絵画とは違う色の滲み具合や平坦さ、モチーフとなる人物のとらえ方に特徴がある。

展示風景 芥川(間所)紗織

白髪富士子

不規則な曲線で左右に分割された、長くて白い木製の板が、斜めに置かれている。見ていると、のこぎりを使うときの彼女の息遣いが目に浮かぶ。また、木製の作品の後ろ側の絵画を見ると、画面の所々に割られたガラスが接着され、レリーフのように盛り上がっている。はたして、これらの作品は彫刻なのか、絵画なのか、不思議な印象だ。

展示風景 白髪富士子

田部光子

半球状の突起が円形にならび、その周囲を尖った花弁の模様が取り巻いている。よく見ると、小さな半球は半分に割ったピンポン玉で、花弁はアイロンの焦げ跡のようだ。彼女は、前衛美術集団〈九州派〉の主要なメンバーのひとりであり、フェミニズム的な問題意識を表現してきた作家。大量のアイロンの焦げ跡や、卵の殻のようなピンポン玉は、日々繰り返される女性の家事を暗示しているかのようだ。

展示風景 田部光子

山崎つる子

メタリックな銀色に光る立体作品は、作品の前を横切る観客の姿を映し込み、また、床に置かれた照明に照らされ、様々に表面の模様が変化する。その隣には、赤、青、黄のカラフルさで目を引く絵画作品が置かれている。どちらも彼女の作品だが、作品の示す方向性には、明確な差異が見て取れる。

展示風景 山崎つる子

本展では時代ごとや作家ごとの章立てをしていない。また、展示壁にも視線を遮らない工夫が見て取れ、大きな展示空間を見通し良く使っている。おかげで、展示室がすっきりと鑑賞しやすい空間になっていた。

展示風景 

本展は、中嶋泉著『アンチ・アクション─日本戦後絵画と女性画家』(ブリュッケ、2019 年、第42 回サントリー学芸賞受賞)で提示された問題意識から出発している。

コレクション展

開館30周年記念コレクション展「VISION 星と星図 第2期 星図Ⅱ:独りと、集団と」が開催されている。展覧会を見ると、たびたび思うことがある。それは、「サイズの大きな作品を適切な状態で鑑賞するには、それに見合う大きな展示室が必要」ということだ。本コレクション展に出品されている村岡三郎の作品のように大きな作品を展示できる美術館は貴重。ぜひ実物を見てほしい。

展示風景 

迎英里子の新作インスタレーションも展示されている。今回は、パソコンやスマホなどに使われるメモリーにちなむ作品だ。スマホの内部構造の写真に比べ、ずいぶんとアナログな印象だが、きちんと機能するとのこと。

展示風景 迎英里子

杉山博之

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