2014年
1月28日
名古屋市美術館協力会 「北斎展」ミニツアー
ミニツアーは、名古屋市周辺で開催中の展覧会を「現地集合・現地解散」で鑑賞するという、気軽に参加できる行事です。平成23年に始まり、今年は足掛け4年目。平成26年最初のミニツアーは、金山の名古屋ボストン美術館で開催中の「ボストン美術館 浮世絵名品展 第三弾 北齋」です。
当日は、名古屋ボストン美術館のある金山南ビル1階の壁画前に午前10時集合。ボストン美術館の入口を見上げると長い行列ができていました。我々33名のミニツアー参加者は集合場所でチケットをもらえたので、開館と同時に、行列を横目で見ながら5階レクチャールームに直行し、学芸員の解説を聞きました。
解説によれば「今回の北斎展は142点の作品が展示されている。これまで名古屋市博物館や名古屋市美術館で記載された北斎展にくらべ、数は少ないが、世界でボストン美術館にしかない作品(役者絵「難波六郎常任」、団扇絵「菖蒲に鯉」、狂歌本「花の兄」)を含め、これまで日本で展示されていない作品が9割を占めており、保存状態の良いものを揃えているので見ごたえがある。」とのことでした。
40分ほどの解説を聞いた後、各自、自由行動となりましたが、「4階は混んでいるので、5階から鑑賞するのがお勧め」というアドバイスに従い、後期の作品から見始めました。「芥子」や「文鳥 辛夷花」などの花鳥図や「百物語 小はだ小平二」などの錦絵、いずれも色彩が鮮やかで「保存状態が良い」という解説は嘘ではないと感心しました。「百人一首うはかゑとき 持統天皇」「百人一首うはかゑとき 小野小町」では、線彫りだけの「校合摺(きょうごうずり)」も併せて展示されており、浮世絵は絵描きだけでなく、彫りや摺りの技量にも支えられていることを強く感じました。5階には、名古屋で出版された「北斎漫画」(個人蔵)も、名古屋ボストン美術館限定で特別展示されています。
4階には「神奈川沖浪裏」「凱風快晴」などの代表作が展示されており、とても見ごたえがありますが、見ている人が多く、体力を消耗します。5階を先見ておいてよかったです。本物を見ると、空摺り(?)による凹凸(エンボス)で表現したトンボの羽根や波などもわかり、一見の価値があります。まだ見てない人は、ぜひどうぞ。(もちろん、市美もよろしく)
翌日の新聞には「北斎展、来館者3万人達成」という記事が載っていました。 会員 Ron.
2013年
11月30日
2014オリジナルカレンダーのお知らせ 吉岡弘昭氏
2014年協力会オリジナルカレンダー
2014年の協力会オリジナルカレンダーが出来上がりました!今年は名古屋を中心に活動される銅版画家の吉岡弘昭さんの作品です。1枚ずつ手刷りの、温かみあふれる作品です。12月中にお届けしますので、楽しみにお待ちください。
☆
名古屋市美術館協力会では、毎年、地元作家によるオリジナルカレンダーを配布しております。そのほかにも特典がいっぱいです。まだ会員でない方は、是非、この機会にご入会ください。
お問い合わせは、名古屋市美術館協力会、中村(052-212-0001)まで。
2013年
11月15日
ハイレッド・センター直接行動の軌跡展
11月10日日曜日、名古屋市美術館で開催されている特別展『ハイレッド・センター直接行動の軌跡』のギャラリートークが行われました。
展覧会で紹介されている作品や直接行動の数々が60年代の産物であるため、会員らも展覧会を企画された山田学芸員の話を楽しみにしていました。
ギャラリートークが集まると参加者の興味は山田学芸員の解説に集中。
展示スペースを移動しながらの解説でしたが、その場にいた全員がひとつの同じ空気に包まれていたような時間でした。
事務局
2013年
10月27日
まるっと1日 わくわくアート2013
2013年
7月10日
作家を囲む会ー水野誠司・初美展
7月7日七夕の日、うだるような暑さの中14人の会員が参加して、現在名古屋市美術館の常設展で写真展を開催している水野誠司さんと初美さんご夫妻の作家を囲む会を開催しました。今年は早く梅雨が明け、猛暑が続いているせいもあって、お二人が撮るフィンランドの雪景色は、幻想的で少し魂が救われるような気がしました。
料理とお酒が出て参加者たちもゴキゲンになるなか、作家お二人から彼らが手がけるプラチナパラジウムプリントについての説明がありました。当日参加した会員たちも写真に興味を持つ方が多く、写真談義に花が咲きました。
展覧会に出品されている作品は、忙しい現代社会に生きる私たちに『静』の時間をくれるような素晴らしい作品ばかりでした。みなさんもお時間があれば是非ご覧ください。
2013年
1月9日
桑山忠明展とゴームリー作品を見る
クリスマスイブ(2012年12月24日),神奈川県立近代美術館葉山へ遠出をした.桑山忠明さんの新作展とゴームリーの作品を見るためである.名古屋市美術館が両者の作品を収集していることは言うまでもない.JR横須賀線逗子駅から京浜急行バスで約20分の海岸沿いに,白い建物の神奈川県立近代美術館葉山があった.
今回も,桑山さんの作品は展示室全体が一つの作品である.従来同様に,作品名はUntitled(無題)なので,Room X という仮番号が付いている.Room1は金沢21世紀美術館のためのプロジェクト(2011年)で発表された作品で,土台のような金属塊16個が床に一直線に並べられている.Room2には2壁面に格子模様のような20×20×5の小作品(一見,小箱のように見えるが実はチャンネル鋼(コの字の溝形鋼)の組合せ)が床から天井まで48個ずつ96個が端正に規則正しく掛っている.
個々の作品の様相を説明するのは止めよう.桑山さんがコメントしているように,空間(展示室)に足を踏み入れて何を感じるのか? それが大事、思ったことがアートだよ,と.それにしても20世紀の工業製品のアルミ,チタン材表面の仕上げは美しい.Room5には新作らしいチタン板8枚が直立している.光を鈍く反射すること自体が,さらに小空間を創り出している.材質自身の発言力が大きい.
天井の高い白い展示空間(ホワイトキューブ)にぴったりと合う作品群は2年前(2010年)の名古屋市美術館の個展を彷彿させる.Room4では,川村記念美術館や名古屋市美術館の個展で発表された縦長(240×18×5)の作品群がぐるりと壁面を取り囲む.122点の静かな迫力が圧巻である.
余韻を残して、美術館の外に出る.耳に潮騒が心地よい.海岸近くのあずまや横に立つ彫像と美術館屋上角に立つ彫像の二体が,遥か水平線と山の稜線を眺めている.アントニー・ゴームリー彫刻プロジェクトin葉山の作品である.彫像の原型は作家ゴームリー自身の人型という.Two Times – ふたつの時間と名付けられた作品からは悠久の時間と静寂を想う.夕陽を後に,館を離れる.
入倉 則夫(会員)