協力会のホームページに「サンセット/サンライズ展のミニツアーは中止」と書かれていたので、ミニツアーへの参加はあきらめて、一人で豊田市美術館(以下「豊田市美」)に出かけました。中学生くらいの子どもを始め、若い人が目立ちます。入り口で [ギャラリーガイド] をもらって、展覧会を鑑賞しました。
サンセット/サンライズ とは( [ギャラリーガイド] による)
[ギャラリーガイド] は次のように書いています。〈「サンセット(日没、夕暮れ)」と「サンライズ(日の出、夜明け)」(略)「サンセット/サンライズ」の豊かさは、眠りと目覚め、終わりと始まり、死と生、闇と光など、さまざまな象徴や解釈の可能性を差し出してくれるところにあります。こうした、生きる人間の儚さと強さ、相反する価値観やそのあわいなどをも表す意味の広がりは、まさしく芸術家たちの創造の問いかけと重なりあうものです。(略)本展は、こうした「サンセット/サンライズ」から派生する多様なイメージを手がかりに、豊田市美術館のコレクションを紹介する試みです。さらに招待作家として、愛知県にゆかりのある小林孝亘氏を迎え、静けさと強い存在感をもつその数々の作品を案内役に展覧会を構成します。〉(引用終り)
「愛知県にゆかりのある小林孝亘氏」と言われても、全く知識がなかったので、家に帰って「小林孝亘(たかのぶ)オフィシャルウェブサイト」を開くと、次のような略歴を掲載していました。
1960年 東京生まれ、1986年 愛知県立芸術大学美術学部油画科卒業、1999年 バンコクにアトリエを移す、2002年 東京にもアトリエを設ける、2011年までバンコクと東京を行き来しながら制作を続ける、2012年からは神奈川県在住(注:中日新聞の記事によると「逗子市」のようです)
展示室5では〈小林考亘 新作展「真昼」〉も開催していました。ガラスケースには豊田市美の所蔵作品も展示。新作展について小林考亘氏は
[ギャラリーガイド] に、こう書いています。〈海の近くで暮らすようになって10年になる。(略)「真昼」は「サンセット/サンライズ」の章立てを引き継ぎ、夜が明けて朝になり、そして昼になるというあたりまえの時間の流れと、新作が昼間の海岸の風景ということで付けている。(略)選んだ所蔵作品は基本的に好きな作家の作品だが、アレギエロ・ボエッティノの揺らぎや変化、城戸保の鮮やかな光、徳岡神泉のたおやかさ、ペーター・ベーレンスのグラスの輝きと脆さ、荒木経惟の死生観など、少なからず展覧会のテーマを含んでいると感じている。〉(引用終り)展示された豊田市美の所蔵作品は、小林考亘氏が選んだのですね。
1F:展示室8
展示室に入って正面の作品は、コンスタンティン・ブランクーシ《眠る幼児》(1907年 1960/62年鋳造)。頭部だけのブロンズ像です。[ギャラリーガイド] によると「眠り/目覚め」の章の作品です。わざわざ「サンセット/サンライズ」(以下「本展」)の最初に展示するのは、何か意味があるのでしょうね。本展では、他に二つの「頭部だけの像」を出品しています。
・マジックアワー
[ギャラリーガイド] は〈マジックアワーとは撮影用語で、日没と日の出の前後に現れる薄明の神秘的な時間帯を指すものです。(略)この章では、まさに夢を見ているかのような謎めいた瞬間を浮かび上がらせた作品を紹介します〉と、書いています。
この章は小林考亘《Home》(2022)から始まります。日が暮れたばかりの風景で、大木の前に建っている小屋の窓から漏れる暖かそうな光が、周りを照らしています。久門剛史《crossfades#4
air》(2020)は、同じ図柄の色違いの3点で構成された作品。左から「夕焼け」「夜の月」「朝日」と変化しているように見えます。丸山直文《path4》(2005)は、畦道?を走るランナーを描いた作品。豊田市美のホームページに掲載され、チラシにも使われています。燕を描いた村瀬恭子《Swallows 2》(2009) と《Swallows 3》(2009)は、黒い背景の(2)と青空を背景にした(3)が並んでいます。
反対側の壁に展示の小林考亘《Corpse Candle》(2015)は、ズバリ「人魂」。しかし、青白い光ではなくオレンジ色に光っているので、恐怖心は少し和らぎます。隣の杉本博司《AEGEAN SEA,
PILION》(1990)は、「海景シリーズ」の1点で、山本糾《暗い水-白山Ⅳ》(1993)は、2枚の写真をつなげた大画面の作品です。白い空の下に、黒い地面と水面が写っています。夕方なのか、夜明けなのか迷いましたが、「海景シリーズ」と並んでいますから、たぶん、明け方の景色なのでしょうね。沈む軍艦の艦橋に亡霊が出現している浜田知明の版画《よみがえる亡霊》(1956)は戦争の記憶を描いたのでしょう。マジックアワーは亡霊が出没する時間でもあります。
・眠り/目覚め
頭の上に耳のある白い顔。イケムラケイコ《きつねヘッド》(2010) は頭部だけの彫刻です。入口にあった、ブランクーシ《眠る幼児》を連想しました。両手のこぶしに顎をのせ、まどろんでいる女性を描いた小林考亘《Portrait – resting cheeks in hands》(2010)は、豊田市美のホームページにも掲載されています。眠る女性の上を飛ぶ虫を描いた村瀬恭子《Guru – guru》(2002) 《Nap(L)》(2003)は悪夢を描いたのかもしれませんね。
次のコーナーに展示の奈良美智の作品はローソクが印象的です。《Romantic
Catastrophe》(1988)は右手がローソク。《Dream Time》(1988)は右手でつかんだ棒の先がローソクになっています。イケムラケイコ《黒に浮かぶ》(1998-99)は、空中に浮かぶ胎児のように見えます。また、《黒の中に横臥して》(1998-99)は、ハイハイする幼児に見えました。
・死/生
展覧会の看板に使われている小林考亘《Pillow》(2021)は、ベッドと枕だけを描いた作品。「死/生」という章に展示されているので、「故人が使っていた枕?」と考えてしまいました。川内倫子《Untitledシリーズ「SEMEAR」より》(2007)は、足の骨と皮だけになった動物の写真。胴体の骨・筋肉・内臓を抜き取られた「抜け殻」が写っています。最初見たときは何を写したのか分からず、二度見してしまいました。小林考亘《Sleeping bag》(2010)は、そのものズバリのタイトルですが、イモムシの死体にも見えました。
フロアに展示の福永恵美《greenhide》(2005-06)は真っ白い造花で、花びらは蝋細工。茎は細い木材で、白く脱色した菊の葉が張り付いています。とても奇麗なのですが「白い造花」なので「お葬式」を連想してしまいました。向こうの壁には河原温の「Todayシリーズ」が7点。「死と生」を同時に見た感じです。
次のコーナーでは、親子3人を描いた加藤泉《無題》(2006)と福田美蘭《涅槃図》(2012)を展示。《無題》は不気味。《涅槃図》には金太郎や桃太郎、三匹の子ブタなど、昔話の登場人物が描かれています。クリスチャン・ボルタンスキー《聖遺物箱(プリーム祭)》(1990)の前では、たくさんの人が立ち止まっていました。マックス・クリンガー《ミューズの頭部》(1890年以前)は、「眠り/目覚め」の章の作品ですが、何故かボルタンスキーの作品の近くに展示されていました。これが、三つ目の「頭部だけの彫刻」です。
・見えない/見える
展示室8では最後の章。ソフィ・カル《盲目の人々》(1986)と小林考亘《Hard Shell》(1992)の二作品を展示しています。《盲目の人々》では、目の見えない人が「海」などをどのように捉えているかをインタビューしたときの回答と、回答した人の写真、インタビューのテーマとした「海の写真」などを展示していました。
2F:展示室1 「黒/白」
大きな空間なので、村上友晴《無題》(1989-90)、李禹煥《風と共に》(1987)、小林考亘《Water Fountain》(1994)、草間彌生《No. AB.》(1959)などの大作が並んでいます。なかでも目を引いたのは、画面に無数の釘を打ち込んだ、ギュンター・ユッカー《変動する白の場》(1965)です。ユッカーは、ゲルハルト・リヒターをモデルにした映画「ある画家の数奇な運命」に登場していました。
3F:展示室2 「黒/白」(つづき)
森村泰昌の映像作品《なにものかへのレクイエム(創造の劇場/動くウォーホル》(20210)を上映していました。画面は2つで、向かって左の画面には黒ずくめのウォーホルに扮した森村が、右の画面では白いシャツを着たモデルが写っています。もちろん、モデルも森村が扮しています。 映像はウォーホルがモデルを2回撮影する様子を撮ったものです。森村の扮したウォーホルが使用した撮影機材は、最初がストロボ付きのコンパクトカメラ、2回目がSonar Focusが付いたPOLAROID
SX-70 LAND
CAMERAでした。
3F:通路・展示室3 「黒/白」(つづき)
通路には小林考亘のリトグラフと横山奈美《ラブと私のメモリーズ》(2019)を展示。展示室3には高さ2.4m・幅18mの大作、篠原有司男(うしお)《ボクシングペインティング》(2007)を展示しています。展示室いっぱいに広がった《ボクシングペインティング》の大きさには、びっくりしました。
3F:展示室4 「終わり/始まり」
クリムト、エゴン・シーレ、フランシス・ベーコン等と並んで、小林考亘の作品も展示していました。
2F:展示室5 小林考亘 新作展「真昼」
湘南海岸と思われる浜辺をテーマにした作品をはじめとする新作を展示しています。小林考亘が言及していた荒木経惟の写真は3点。新婚旅行を撮影した「センチメンタルな旅」と妻・陽子さんの死を主題にした「冬の旅」が並んでいるので、私も「荒木経惟の死生観」を感じました。
最後に
美術館全部を使った展覧会なので見ごたえがあります。観覧料は700円。会期は5月8日まで。
Ron.
協力会のホームページに「サンセット/サンライズ展のミニツアーは中止」と書かれていたので、ミニツアーへの参加はあきらめて、一人で豊田市美術館(以下「豊田市美」)に出かけました。中学生くらいの子どもを始め、若い人が目立ちます。入り口で [ギャラリーガイド] をもらって、展覧会を鑑賞しました。
サンセット/サンライズ とは( [ギャラリーガイド] による)
[ギャラリーガイド] は次のように書いています。〈「サンセット(日没、夕暮れ)」と「サンライズ(日の出、夜明け)」(略)「サンセット/サンライズ」の豊かさは、眠りと目覚め、終わりと始まり、死と生、闇と光など、さまざまな象徴や解釈の可能性を差し出してくれるところにあります。こうした、生きる人間の儚さと強さ、相反する価値観やそのあわいなどをも表す意味の広がりは、まさしく芸術家たちの創造の問いかけと重なりあうものです。(略)本展は、こうした「サンセット/サンライズ」から派生する多様なイメージを手がかりに、豊田市美術館のコレクションを紹介する試みです。さらに招待作家として、愛知県にゆかりのある小林孝亘氏を迎え、静けさと強い存在感をもつその数々の作品を案内役に展覧会を構成します。〉(引用終り)
「愛知県にゆかりのある小林孝亘氏」と言われても、全く知識がなかったので、家に帰って「小林孝亘(たかのぶ)オフィシャルウェブサイト」を開くと、次のような略歴を掲載していました。
1960年 東京生まれ、1986年 愛知県立芸術大学美術学部油画科卒業、1999年 バンコクにアトリエを移す、2002年 東京にもアトリエを設ける、2011年までバンコクと東京を行き来しながら制作を続ける、2012年からは神奈川県在住(注:中日新聞の記事によると「逗子市」のようです)
展示室5では〈小林考亘 新作展「真昼」〉も開催していました。ガラスケースには豊田市美の所蔵作品も展示。新作展について小林考亘氏は
[ギャラリーガイド] に、こう書いています。〈海の近くで暮らすようになって10年になる。(略)「真昼」は「サンセット/サンライズ」の章立てを引き継ぎ、夜が明けて朝になり、そして昼になるというあたりまえの時間の流れと、新作が昼間の海岸の風景ということで付けている。(略)選んだ所蔵作品は基本的に好きな作家の作品だが、アレギエロ・ボエッティノの揺らぎや変化、城戸保の鮮やかな光、徳岡神泉のたおやかさ、ペーター・ベーレンスのグラスの輝きと脆さ、荒木経惟の死生観など、少なからず展覧会のテーマを含んでいると感じている。〉(引用終り)展示された豊田市美の所蔵作品は、小林考亘氏が選んだのですね。
1F:展示室8
展示室に入って正面の作品は、コンスタンティン・ブランクーシ《眠る幼児》(1907年 1960/62年鋳造)。頭部だけのブロンズ像です。[ギャラリーガイド] によると「眠り/目覚め」の章の作品です。わざわざ「サンセット/サンライズ」(以下「本展」)の最初に展示するのは、何か意味があるのでしょうね。本展では、他に二つの「頭部だけの像」を出品しています。
・マジックアワー
[ギャラリーガイド] は〈マジックアワーとは撮影用語で、日没と日の出の前後に現れる薄明の神秘的な時間帯を指すものです。(略)この章では、まさに夢を見ているかのような謎めいた瞬間を浮かび上がらせた作品を紹介します〉と、書いています。
この章は小林考亘《Home》(2022)から始まります。日が暮れたばかりの風景で、大木の前に建っている小屋の窓から漏れる暖かそうな光が、周りを照らしています。久門剛史《crossfades#4
air》(2020)は、同じ図柄の色違いの3点で構成された作品。左から「夕焼け」「夜の月」「朝日」と変化しているように見えます。丸山直文《path4》(2005)は、畦道?を走るランナーを描いた作品。豊田市美のホームページに掲載され、チラシにも使われています。燕を描いた村瀬恭子《Swallows 2》(2009) と《Swallows 3》(2009)は、黒い背景の(2)と青空を背景にした(3)が並んでいます。
反対側の壁に展示の小林考亘《Corpse Candle》(2015)は、ズバリ「人魂」。しかし、青白い光ではなくオレンジ色に光っているので、恐怖心は少し和らぎます。隣の杉本博司《AEGEAN SEA,
PILION》(1990)は、「海景シリーズ」の1点で、山本糾《暗い水-白山Ⅳ》(1993)は、2枚の写真をつなげた大画面の作品です。白い空の下に、黒い地面と水面が写っています。夕方なのか、夜明けなのか迷いましたが、「海景シリーズ」と並んでいますから、たぶん、明け方の景色なのでしょうね。沈む軍艦の艦橋に亡霊が出現している浜田知明の版画《よみがえる亡霊》(1956)は戦争の記憶を描いたのでしょう。マジックアワーは亡霊が出没する時間でもあります。
・眠り/目覚め
頭の上に耳のある白い顔。イケムラケイコ《きつねヘッド》(2010) は頭部だけの彫刻です。入口にあった、ブランクーシ《眠る幼児》を連想しました。両手のこぶしに顎をのせ、まどろんでいる女性を描いた小林考亘《Portrait – resting cheeks in hands》(2010)は、豊田市美のホームページにも掲載されています。眠る女性の上を飛ぶ虫を描いた村瀬恭子《Guru – guru》(2002) 《Nap(L)》(2003)は悪夢を描いたのかもしれませんね。
次のコーナーに展示の奈良美智の作品はローソクが印象的です。《Romantic
Catastrophe》(1988)は右手がローソク。《Dream Time》(1988)は右手でつかんだ棒の先がローソクになっています。イケムラケイコ《黒に浮かぶ》(1998-99)は、空中に浮かぶ胎児のように見えます。また、《黒の中に横臥して》(1998-99)は、ハイハイする幼児に見えました。
・死/生
展覧会の看板に使われている小林考亘《Pillow》(2021)は、ベッドと枕だけを描いた作品。「死/生」という章に展示されているので、「故人が使っていた枕?」と考えてしまいました。川内倫子《Untitledシリーズ「SEMEAR」より》(2007)は、足の骨と皮だけになった動物の写真。胴体の骨・筋肉・内臓を抜き取られた「抜け殻」が写っています。最初見たときは何を写したのか分からず、二度見してしまいました。小林考亘《Sleeping bag》(2010)は、そのものズバリのタイトルですが、イモムシの死体にも見えました。
フロアに展示の福永恵美《greenhide》(2005-06)は真っ白い造花で、花びらは蝋細工。茎は細い木材で、白く脱色した菊の葉が張り付いています。とても奇麗なのですが「白い造花」なので「お葬式」を連想してしまいました。向こうの壁には河原温の「Todayシリーズ」が7点。「死と生」を同時に見た感じです。
次のコーナーでは、親子3人を描いた加藤泉《無題》(2006)と福田美蘭《涅槃図》(2012)を展示。《無題》は不気味。《涅槃図》には金太郎や桃太郎、三匹の子ブタなど、昔話の登場人物が描かれています。クリスチャン・ボルタンスキー《聖遺物箱(プリーム祭)》(1990)の前では、たくさんの人が立ち止まっていました。マックス・クリンガー《ミューズの頭部》(1890年以前)は、「眠り/目覚め」の章の作品ですが、何故かボルタンスキーの作品の近くに展示されていました。これが、三つ目の「頭部だけの彫刻」です。
・見えない/見える
展示室8では最後の章。ソフィ・カル《盲目の人々》(1986)と小林考亘《Hard Shell》(1992)の二作品を展示しています。《盲目の人々》では、目の見えない人が「海」などをどのように捉えているかをインタビューしたときの回答と、回答した人の写真、インタビューのテーマとした「海の写真」などを展示していました。
2F:展示室1 「黒/白」
大きな空間なので、村上友晴《無題》(1989-90)、李禹煥《風と共に》(1987)、小林考亘《Water Fountain》(1994)、草間彌生《No. AB.》(1959)などの大作が並んでいます。なかでも目を引いたのは、画面に無数の釘を打ち込んだ、ギュンター・ユッカー《変動する白の場》(1965)です。ユッカーは、ゲルハルト・リヒターをモデルにした映画「ある画家の数奇な運命」に登場していました。
3F:展示室2 「黒/白」(つづき)
森村泰昌の映像作品《なにものかへのレクイエム(創造の劇場/動くウォーホル》(20210)を上映していました。画面は2つで、向かって左の画面には黒ずくめのウォーホルに扮した森村が、右の画面では白いシャツを着たモデルが写っています。もちろん、モデルも森村が扮しています。 映像はウォーホルがモデルを2回撮影する様子を撮ったものです。森村の扮したウォーホルが使用した撮影機材は、最初がストロボ付きのコンパクトカメラ、2回目がSonar Focusが付いたPOLAROID
SX-70 LAND
CAMERAでした。
3F:通路・展示室3 「黒/白」(つづき)
通路には小林考亘のリトグラフと横山奈美《ラブと私のメモリーズ》(2019)を展示。展示室3には高さ2.4m・幅18mの大作、篠原有司男(うしお)《ボクシングペインティング》(2007)を展示しています。展示室いっぱいに広がった《ボクシングペインティング》の大きさには、びっくりしました。
3F:展示室4 「終わり/始まり」
クリムト、エゴン・シーレ、フランシス・ベーコン等と並んで、小林考亘の作品も展示していました。
2F:展示室5 小林考亘 新作展「真昼」
湘南海岸と思われる浜辺をテーマにした作品をはじめとする新作を展示しています。小林考亘が言及していた荒木経惟の写真は3点。新婚旅行を撮影した「センチメンタルな旅」と妻・陽子さんの死を主題にした「冬の旅」が並んでいるので、私も「荒木経惟の死生観」を感じました。
最後に
美術館全部を使った展覧会なので見ごたえがあります。観覧料は700円。会期は5月8日まで。
Ron.