クリムト黄金の騎士をめぐる物語、ミニツアー

カテゴリ:ミニツアー 投稿者:editor
レクチャの様子

レクチャの様子

 1月27日、愛知県美術館で開催されている、クリムト「黄金の騎士をめぐる物語」展の鑑賞ミニツアーを開催しました。当日は数日前から続く寒波の影響で身を切るような寒さのなか、29名の会員が参加しました。

 まずは愛知県美術館の12階アートスペースに集合し、スライドを観ながらの古田浩俊企画業務課長のレクチャを受けました。クリムトは、知名度も抜群で誰もが画家をよく知っていると思ってしまうのですが、知らない側面もいろいろとあり、レクチャはとても興味深いものとなりました。

 愛知県美術館が所蔵する黄金の騎士についても謎がいくつかあり、その謎をこれから明らかにしていくことが研究の課題となっていくということでした。毎回のことですが、ミニツアーで訪れる展覧会では企画されたご本人によるレクチャが受けられるので、本当に楽しみです。

 展覧会が終わってから近隣の食事処で昼食をとり、午後2時からクリムト展会場のホールで開催されたガラコンサートも満喫。ピアノやヴァイオリンの生演奏も楽しむことが出来て、ちょっと贅沢な一日となりました。

 これからも、名古屋市美術館はもちろんのこと、愛知県美術館での展覧会から目が離せませんね。

古田浩俊企画業務課長

古田浩俊企画業務課長

真島直子画伯の個展

カテゴリ:アート・ホット情報 投稿者:editor

 来年度、協力会が名古屋市美術館に寄贈する「密林にて」の作者である真島直子画伯の個展が4月1日から上前津の「ギャレリア・フィナルテ」(Galleria Finalte; 名古屋市中区大須4-6-24 成田ビル上前津B1F, TEL052-242-8684, http://www.finarte.net/)で開かれます。
時間のある方、行ってみて下さい。狭い会場なので、協力会としてのミニツアーは計画しません。
協力会事務局


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大須観音展ミニツアー

カテゴリ:ミニツアー 投稿者:editor
チラシより

チラシより

新春の1月6日、寒さに身も引き締まるなか名古屋市博物館にて大須観音展のミニツアーが行われました。

学芸員の木村慎平氏が大須観音のいわば『生い立ち』から話をはじめられました。能信という学僧が、のちの大須観音となる真福寺を建立したころは、学問所であったということ。そしてその後を継承した僧の信瑜が東大寺の出であったために、彼の写しやその他東大寺の蔵書の多くが大須観音にももたらされることになったことなどが説明されました。その後大須観音は、徳川家康によって羽島の水害に遭いやすい土地から現在の大須へ移され、貴重な書物もそれに伴って名古屋へやってきたとのこと。

今回は、江戸時代に尾張藩士によって調査され保存されて、戦時中も東京大学教授らの調査・保護によって守られた古事記も展示されており、会員も熱心に見入っていました。

現存する最古の古事記も…

現存する最古の古事記も…

桑山忠明展とゴームリー作品を見る

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:editor

クリスマスイブ(2012年12月24日),神奈川県立近代美術館葉山へ遠出をした.桑山忠明さんの新作展とゴームリーの作品を見るためである.名古屋市美術館が両者の作品を収集していることは言うまでもない.JR横須賀線逗子駅から京浜急行バスで約20分の海岸沿いに,白い建物の神奈川県立近代美術館葉山があった.

今回も,桑山さんの作品は展示室全体が一つの作品である.従来同様に,作品名はUntitled(無題)なので,Room X という仮番号が付いている.Room1は金沢21世紀美術館のためのプロジェクト(2011年)で発表された作品で,土台のような金属塊16個が床に一直線に並べられている.Room2には2壁面に格子模様のような20×20×5の小作品(一見,小箱のように見えるが実はチャンネル鋼(コの字の溝形鋼)の組合せ)が床から天井まで48個ずつ96個が端正に規則正しく掛っている.

個々の作品の様相を説明するのは止めよう.桑山さんがコメントしているように,空間(展示室)に足を踏み入れて何を感じるのか? それが大事、思ったことがアートだよ,と.それにしても20世紀の工業製品のアルミ,チタン材表面の仕上げは美しい.Room5には新作らしいチタン板8枚が直立している.光を鈍く反射すること自体が,さらに小空間を創り出している.材質自身の発言力が大きい.

天井の高い白い展示空間(ホワイトキューブ)にぴったりと合う作品群は2年前(2010年)の名古屋市美術館の個展を彷彿させる.Room4では,川村記念美術館や名古屋市美術館の個展で発表された縦長(240×18×5)の作品群がぐるりと壁面を取り囲む.122点の静かな迫力が圧巻である.

余韻を残して、美術館の外に出る.耳に潮騒が心地よい.海岸近くのあずまや横に立つ彫像と美術館屋上角に立つ彫像の二体が,遥か水平線と山の稜線を眺めている.アントニー・ゴームリー彫刻プロジェクトin葉山の作品である.彫像の原型は作家ゴームリー自身の人型という.Two Times – ふたつの時間と名付けられた作品からは悠久の時間と静寂を想う.夕陽を後に,館を離れる.

入倉 則夫(会員)

遥か水平線を眺める彫像(ゴームリー作)

遥か水平線を眺める彫像(ゴームリー作)

美術館屋上から山の稜線を見上げる彫像(ゴームリー作)

美術館屋上から山の稜線を見上げる彫像(ゴームリー作)