11月3日、現在名古屋市美術館で開催されている特別展『青木野枝-ふりそそぐものたち』のギャラリートークが開催され、名古屋市美術館協力会の会員37名が参加しました。
昨年度からミニツアーという近隣の美術館を会員の方々と巡るイベントが開催されていることもあり、会員の方々同士で挨拶をされたり、会員が学芸員の角田美奈子さんと談笑したり、会が始まる前から和やかな雰囲気が漂っていいました。
美術館が閉館する時間になり、まずは会場の作品を会員各自が自由鑑賞、そのあと角田学芸員の解説が始まりました。会員はメモを取ったり、作品を見上げながら注意深く解説に耳を傾け、夜になって静かになった美術館のなかで作品を鑑賞しました。昼間とは全く別の印象を楽しむことが出来ました。青木さんの作品は、空間を大きく使って表現されているものが多く、会員はみな作品のなか(というか下)にもぐり込んで鑑賞しました。イベント後半では角田さんを囲んで会員たちが自然と輪をつくり、作品についての個人的な感想を言い合ったり、角田さんに質問をしたりしてとても有意義な時間を持てました。
私も個人的には野枝さんをよく知りませんでしたが、大きな作品を繊細な鉄の加工技術を使って作り上げていて、鉄を知り、愛していることが作品からもよく伝わってきました。作品も彼女が80年代に制作したものから今年制作したものまで幅広い時代を網羅していて、その制作された時代々を反映して印象が違うのも感じ取れます。女性の作品であるためか、フォルムも曲線が多くて美しく、見ているとうっとりして時間が経つのを忘れてしまいます。
会期中に、よりたくさんの観客がこの恍惚感を楽しんでくれたらなあ、と願ってやみません。