特設サイトを見て甦った映画の記憶は、何といっても《レストランの内部》や《夜のプロヴァンスの田舎道》などについて熱く語っていたマルコ・ゴルディン(イタリアで開催された ”Van Gogh – Tra il grano e il Cielo”=「ファン・ゴッホ 小麦と空の間」展のキュレーター)の姿です。「本物が見たい」と、強く思いました。来年になれば、それらの作品が名古屋市美術館に来るのです。今からワクワクします。
豊橋市美術博物館で開催中の「ANIMALS 2021 in TOYOHASHI 三沢厚彦」(以下「本展」)を見てきました。皆さんお馴染みのクマ、ライオン等の大型動物の木彫作品だけでなく、ヤモリ等の小型動物や抽象彫刻、油彩も出品されています。夏休み中なので家族連れが多く、子どもたちが作品を楽しんでいる様子を見て頬が緩みました。子どもたちの良い思い出になると、いいですね。
モンドリアン展を後にして、2階の展示室に入ると、抽象美術の後継者たちの作品が並んでいます。岡﨑乾二郎の「おかちまち」シリーズが5点、「かたがみのかたち」が2点。色紙を切って貼り付けたように見える杉戸洋《guadⅡ》(2009)は、モンドリアン展の延長のようです。展示室の中央には巨大な「メビウスの帯」とも言うべき、徳富満《2Ⅾ
or not 2Ⅾ》。寺内曜子の立体作品も3点あります。高松次郎の《板の単体(青)》《板の単体(黒)》《板の単体(赤)》(いずれも1970)の色彩もモンドリアンを想起させます。田中敦子《Work1963》は、モンドリアンとは違い、円と曲線で構成された抽象画でした。
展示室1の続きで、床にはカラフルなプラスチック容器の破片が敷き詰められています。トニー・クラッグ《スペクトラム》(1979)でした。その向こうには白い大理石で出来た長屋2棟の周りには白米が山並みのような形に盛られています。ヴォルフガング・ライブ《ライスハウス》(1996)でした。壁面には丸山直文《breeze of river2》(2009)、村瀬恭子《White Coat》(2009)、杉戸洋《Untitled》(2016)の3点を展示しています。