ひろしま国際建築祭2025

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:members
今秋、愛知県では国際芸術祭「あいち2025」が開催され、幅広い現代美術の作品に出合うことができます。また、国際芸術祭「あいち2025」以外にも、各地で多くの芸術祭が開催されます。<ひろしま国際建築祭>は、愛知からだと少し距離がありますが、戦後80年ということもあり、ぜひ訪れたい芸術祭のひとつです。
ひろしま国際建築祭のHPより

<ひろしま国際建築祭>は、今年から新しく始まる芸術祭です。「建築」で未来の街をつくり、こどもの感性を磨き、地域を活性化させ、地域の“名建築”を未来に残すことをミッションとしています。

本年は、「つなぐ「建築」で感じる、私たちの“新しい未来”」をテーマに、歴史、風土、景観、技術、思想など、さまざまな視点から「建築」に触れ、考え、交わる機会をつくり、建築文化を感じる場を目指すそうです。「建築」は私たちの生活をより豊かにしながら、より良い未来をつくるための「知恵」のひとつです。建築祭に参加し、私たちの新しい未来について、考える機会にしてみませんか。

ひろしま国際建築祭2025
会期|2025年10月4日(土)~ 2025年11月30日(日)
開催地|広島県福山市、尾道市+瀬戸内エリアのサテライト会場

詳しくは、以下を参照してください。

ひろしま国際建築祭2025

杉山博之

FUJI TEXTILE WEEK 2025

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今秋、愛知県では国際芸術祭「あいち2025」が開催され、幅広い現代美術の作品に出合うことができます。また、国際芸術祭「あいち2025」以外にも、各地で多くの芸術祭が開催されます。その中から、愛知から出かけやすそうな芸術祭を、いくつか紹介します。
FUJI TEXTILE WEEKのHPより

FUJI TEXTILE WEEK は、テキスタイルと芸術が融合する国内唯一の布の芸術祭です。本芸術祭では、テキスタイルの新たな可能性を模索するとともに、使われなくなった工場や倉庫、店舗などを展示会場として再利用し、産業の記憶の保存と街のアイデンティティ形成に取り組んでいます。展示会場となる山梨県富士吉田市は、1000年以上続く織物の産地です。その歴史ある地域で2021年よりスタートした新しい芸術祭です。

FUJI TEXTILE WEEK 2025のテーマは「織り⽬に流れるもの」です。布の折り目は、表面の⽬に⾒える糸と、その下にある目に⾒えない糸の両方で出来ています。それは、まるで地表と、その地下を流れる伏流⽔のように思われます。そんな可視化されないものに意識を向けながら、織物の⽂化背景や歴史に思いを巡らせてはいかがでしょうか。

FUJI TEXTILE WEEK
会 期|2025年11⽉22⽇(⼟)〜12⽉14⽇(⽇)

詳しくは、以下を参照してください。

FUJI TEXTILE WEEK

杉山博之

GO FOR KOGEI 2025

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:members
今秋、愛知県では国際芸術祭「あいち2025」が開催され、幅広い現代美術の作品に出合うことができます。また、国際芸術祭「あいち2025」以外にも、各地で多くの芸術祭が開催されます。その中から、愛知から出かけやすそうな芸術祭を、いくつか紹介します。
GO FOR KOGEIのHPより

今年のGO FOR KOGEI 2025は、「工芸的なるもの」というテーマで開催されます。

染色、陶芸、木工、ガラスなどの作品は、日常使いの道具の延長としても鑑賞でき、抽象絵画のような美術作品よりも、とっつきやすい印象があります。

展示会場は、富山県富山市の岩瀬エリアと、石川県金沢市の東山エリアに分かれており、どちらも昔ながらの街並みを留めたエリアに点在しています。また、参加している作家の中には、地元出身、あるいは地元の工房出身の作家もいて、彼らの作品からは北陸地方の土地柄も感じ取れるのではないでしょうか。

作品展のほか、北陸と言えば、おいしい食材の宝庫ですから、時間に余裕をもって訪問し、例えば海鮮などを楽しんで帰ってくるというのはいかがでしょうか。

GO FOR KOGEI 2025
会期|2025 年9 月13 日(土)〜10 月19 日(日)

詳しくは、以下を参照してください。

GO FOR KOGEI 2025

杉山博之

神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:members
今秋、愛知県では国際芸術祭「あいち2025」が開催され、幅広い現代美術の作品に出合うことができます。また、国際芸術祭「あいち2025」以外にも、各地で多くの芸術祭が開催されます。その中から、愛知から出かけやすそうな芸術祭を、いくつか紹介します。
神戸六甲ミーツ・アートのHPより

「神戸六甲ミーツ・アート」は、神戸・六甲山上で開催される芸術祭です。16回目を迎える今年のテーマは「環境への視座と思考」です。六甲山は、かつて樹木などの乱伐により荒廃しましたが、多くの先人達の努力により、現在は緑豊かな環境を取り戻しています。そのような神戸・六甲山上でアートに触れ、多様な視点で環境を見つめる機会にしてはいかがでしょうか。

出展アーティストは61組、愛知県に関係する作家は奈良美智、西野達、白水ロコなどです。国際芸術祭「あいち」(あいちトリエンナーレ)や、名古屋市美術館のポジション展などでおなじみかと思います。

また、9月20日からは「ひかりの森 夜の芸術散歩」と題する、夜間限定の光のアート作品も鑑賞できます。光のコントラストが織りなす、特別な空間に包まれてみませんか。

神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond
会期|2025年8月23日(土)〜11月30日(日)

ひかりの森 夜の芸術散歩
会期|2025年9月20日(土)〜11月30日(日)の土日祝

詳しくは、以下を参照してください。
神戸六甲ミーツ・アート

杉山博之

璃月ゆあ ≪同業者コミュニティの形成と印刷産業発展の可能性について-インタビュー分析による他己紹介をワークショップの契機として-≫

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情報科学芸術大学院大学(以下、IAMAS)の修了研究発表会/プロジェクト研究発表会は、ソフトピアジャパン・センタービルで開催されている。このビルは、大垣駅周辺で一番の高層ビルらしく、最上階の展望エリアからは市街の景色を一望できる。この時期、西の方角には雪をかぶった伊吹山もよく見える。

情報科学芸術大学院大学修了研究発表会/プロジェクト研究発表会にて (その1)

璃月ゆあ ≪同業者コミュニティの形成と印刷産業発展の可能性について-インタビュー分析による他己紹介をワークショップの契機として-≫

研究成果をまとめたポスターが、ずらりと並んでいる。他の美大、芸大でも論文の概要展示は見かけるが、IAMASでは修了要件として作品と論文の両方に取り組むため、論文の本数が多いみたいだ。

その中で、衰退する印刷産業に関するアートっぽくない研究論文に目が留まった。市中のニュースでも書店の減少について見聞きすることがある。自分の周りでも、いろいろな資料や書類が電子データ化され、紙の印刷物はずいぶんと減った。そのような状況下、印刷産業が生き残るためにはどうするか、ひとつの会社のみでは解決できない課題にどのように取り組むかを検討した研究論文だ。

展示風景

研究中に始めた実験的な取り組みは、実験に参加した会社間の関係性にゆっくりと、明らかな変化をもたらすという、明るい未来も見え始めている。しかし、本研究では、決して短期的な解決策を求めていない。効果が見えてくるのは、10年先か、20年先か、ひょっとすると30年先かもしれない、そのような長い目で業界を見渡した提言がまとめられている。

ポスター展示の傍らに、「月の声を聴くための言葉」という題名の小冊子が置かれていた。

展示風景

ページを開くと飾りのスリットがあったり、微細な感情の表現のため、ページごとの行間が微妙に変えてあったり、多くの工夫が凝らされている。この小冊子には、ひとつの印刷会社ではカバーできない印刷・製本技術が詰め込まれている。この小冊子を作る時の経験が、本研究の出発点になっているようだ。

展示風景

作家によれば、本研究には「宝物を探す」ような気持ちで、誠実100%で取り組んだそうだ。また、修了にあたり作品は制作していないが、論文自体が作品でもあると感じているそうだ。

アートっぽくない、異色な展示だが、とても有意義な「作品」を見ることができた。

杉山

對中優 ≪Drifting≫

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研究発表会の会期中、「IAMAS JUNCTION」というトークプログラムが複数回、実施された。今年の卒業生が自身の制作の説明をしたり、学生時代の思い出を話すのだが、学生時代を振り返り「楽しかった」という学生が多かった。きっと充実した時間を過ごしたからに違いない。

情報科学芸術大学院大学修了研究発表会/プロジェクト研究発表会にて (その2)

對中優 ≪Drifting≫

入口の手前に置かれた注意事項を読み、順番を待つ。モニターの表示が「空室(vacant)」に変わったら、ドアを開ける。右側の壁面の中央付近に椅子を見つけた。ひとまず椅子に座り、何が起こるのか、ドキドキしながら待つ。

展示会場入口

目の前のモニターにアバターが映り、いろいろな身振り、手振りを見せてくれる。しばらくすると、モニターの背後の壁の上から、何かが飛んでくる。時折、光るものも飛んでくる。床に落ちたものを見ると、飛んできたのは紙飛行機だった。

≪Drifting≫(部分)

モニターに映るアバターは時折、手をこちらに差し出す。ジェスチャーで何かを伝えようとしているようだ。また、紙飛行機に使われている色紙の裏側に、記号の書かれたものが混じっている。これも何かの伝言だろうか。

≪Drifting≫(部分)

對中は、壁と紙飛行機などで構成されたインスタレーションで、アバターが象徴するバーチャルな空間と観客が存在するリアルな空間の二重性を提示している。壁の向こうのパフォーマーは沈黙しているが、紙飛行機は伝言用のメモ用紙にも変わりうる。観客は飛んでくる紙飛行機を静かに眺めていればいいのだろうか。もし紙飛行機がコミュニケーションの手段であるならば、観客が紙飛行機を壁の向こうに飛ばし返すことで、双方向のコミュニケーションが成立するだろう。作家は、観客がインスタレーションに介入することを期待しているだろうか。あるいは、ただ静かに座っていることを期待しているだろうか。どちらを期待するかにより、作品が示唆するコミュニケーションの展開は、その様相を大きく変えるのではないか。

杉山

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