2016オリジナルカレンダーのお知らせ 設楽知明氏

カテゴリ:オリジナルカレンダー 投稿者:members

2016年の協力会オリジナルカレンダーの作家は設楽知明氏に決定しました。

設楽知明氏は北海道生まれ、愛知県立芸術大学で教鞭をとられています。名古屋を中心に精力的に作品を発表し続け、1994年に名古屋市美術館で開催された「ポジション展」にも作品を出品しています。そのご縁で、オリジナルカレンダーをお願いすることとなりました。

会員の方には、準備が整い次第、順次、発送させていただきます。お手元に届くまで、もうしばらくお待ちください。

名古屋市美術館協力会では、毎年、地元作家によるオリジナルカレンダーを配布しております。そのほかにも特典がいっぱいです。まだ会員でない方は、是非、この機会にご入会ください。

お問い合わせは、名古屋市美術館協力会、中村(052-212-0001)まで。

だまし絵Ⅱ ギャラリートーク

カテゴリ:会員向けギャラリートーク 投稿者:members

講堂に集合した会員たち

講堂に集合した会員たち

新春初のギャラリートークは「だまし絵Ⅱ」です。
当日は入場者が3,895人もあり閉館時刻を過ぎても館内に人が居たので、講堂で短いレクチャーを受けてから展示室に入ることになりました。担当の保崎裕徳学芸員によれば「前回(2009年)のテーマは、だまし絵400年の歴史。今回のテーマは、20世紀になって「だまし絵」がどのように進化したのか。」とのことです。

アルチンボルドの作品を前に

アルチンボルドの作品を前に

レクチャーが終わって、参加者52名が展示室に移動。通常の展覧会とは違い入口は2階です。
プロローグは古典的なだまし絵の展示で、最初の展示はアルチンボルドの「司書」。チラシに印刷されていた絵です。目は鍵、ひげはハタキ。本と人物のダブルイメージです。

第1章 トロンブルイユ(だまし絵)からは、20世紀の作品になります。杉本博司の「Polar Bear」は福岡伸一が日経新聞の連載「芸術と科学のあいだ」で取り上げていました。福田美蘭の「Copyright原画」は、一見ディズニーのキャラクターなのですが、著作権に抵触しないようキャラクターが隠されているという作品です。須田悦弘の「雑草」「葉」は見落としそうなところに展示されていました。

福田美蘭さんの作品に見入る会員たち

福田美蘭さんの作品に見入る会員たち


第2章 シャドウ、シルエット&ミラー・イメージは、鏡を使った20世紀の技法。福田繁雄の「アンダーグラウンド・ピアノ」は、現実の世界の破片の寄せ集めが、鏡の中ではちゃんとしたピアノになっています。ダニエル・ローズィンの「木の鏡」は、その前に人が立って動作をすると、いくつもの木片でできたパネルに影が出現し、カタカタと音を立てて動作を真似るという楽しい作品です。

第3章 オプ・イリュージョンは錯覚を楽しむもので、パトリック・ヒューズの「広重とヒューズ」は、前に立って体を左右に振ると、絵も左右に動く不思議な作品です。(ただし、仕掛けを見ると魔法が解けてしまいます)アニッシュ・カプーアの「白い闇Ⅸ」を凝視していると、穴の中が底なしの空間に見えてきます。

第4章 アナモルフォーズ・メタモルフォーズは歪み・変容。ダリの「海辺に出現した顔と果物鉢の幻影」に隠されたイメージを探していると、いつまでたっても絵の前から離れることができません。エヴァン・ペニーの「引き伸ばされた女#2」は高さ3メートルの作品で大きさにびっくりします。トニー・アウズラーの「ピンク」は人間の目と口を持ったカエルが様々な表情をします。とても気味が悪いけど、思わず見入ってしまうキモかわいい作品です。

地下1階の常設展示室3ではハンス・オプ・デ・ベークの「ステージング・サイレンス(2)」を上映しています。風景が次々に変わり、やがて角砂糖の摩天楼が出現するのですが、最後はどうなるでしょうか?美術館で確かめてください。
理屈ぬきで楽しめる展覧会です。お勧めします。 
Ron.

解説してくださった保崎裕徳学芸員

解説してくださった保崎裕徳学芸員

「点描の画家たち」ミニツアー

カテゴリ:Ron.,ミニツアー 投稿者:members

3月21日(祝)に行われた「点描の画家たち」ミニツアーに参加しました。午後2時、愛知芸術文化センター12階に集合。アートスペースE、Fで中西園子学芸員の解説を聞いた後、10階の愛知県美術館に移動し自由行動です。

中西学芸員

中西学芸員


中西学芸員の解説によれば、
①日本で点描や新印象派を紹介した展覧会は今回が3回目
②クレラー=ミュラー美術館のオリジナルコンセプトは「点描」、「新印象派」ではなく「分割主義」
③オランダのクレラー=ミュラー美術館の名品が揃う
の3つが本展の特色とのことです。
参加した会員のみなさん

参加した会員のみなさん


分割主義と聞くと「プーチン大統領によるウクライナの領土分割」などと連想してしまいますが、その趣旨は「色を純粋色に分割して並置する」ということであり、明るく鮮やかな色彩とするため「絵の具を混ぜるのではなく、カンバスの上に並べて、網膜上で一つの色と認識させる」というもので「補色の組み合わせで色彩の鮮やかさを強める」手法とのことです。
確かに、今回の展覧会名は英文表示で”DIVISIONISM FROM VON GOGH AND SEURAT TO MODDRIAN”=「分割主義 ゴッホ スーラからモンドリアンまで」となっており、「点描」にとどまらず「分割主義」の原理で制作されたゴッホやフォーヴィズム、モンドリアンの作品まで展示しています。

前置きはこのくらいにして、展示作品を紹介しましょう。
先ず、会場に入って正面の壁にはゴッホの「レストランの内部」が展示されています。「ゴッホが点描の画家?」と思いましたが、分割主義というオリジナルコンセプトを考慮すると納得できます。
最初の部屋は「印象派の筆触」をテーマに、国内美術館の所蔵作品を展示しています。モネの「ラ・ロシュブロンドの村」「ジヴェルニの草原」は夕焼け空に光る茜雲が印象的でした。スポットライトの効果でしょうか、絵の裏から光が出てくる感じがします。

二つ目の部屋は「スーラとシニャック」で、スーラの「ポール=アン=ベッサンの日曜日」はパステル調の色彩もよかったですが、堤防に佇む小さな人物までも克明に描写しており、彼の忍耐力に感心しました。メナード美術館所蔵の「サーカスの客寄せ」(展示は3月23日まで)は小さな素描ですが、思わず見入ってしまいました。モーリス・ドニの点描もあります。

三つ目の部屋はクレラー=ミュラー美術館所蔵のゴッホを中心に、国内美術館所蔵のゴーギャンやヴラマンク、ドランの作品も展示し、分割主義の影響の広さを示しています。

四つ目の部屋はベルギーとオランダの作品で、初めて目にする作品ばかりでした。チラシにはテオ・ファン・レイセルベルヘの「7月の朝」やヤン・トーロップの「海」が紹介されていますが、個人的には、レイセルベルヘの「満潮のペール=キリディ」に惹かれます。「銭湯の大きな壁面にタイル画で描いたら迫力があるだろうな」と妄想してしまいました。ヤン・ファイルブリーフの「積み藁のある風景」とヨハン・アールツの「砂丘の農家」はサイズも構図もほぼ同じですが使っている色彩が違うので、その対比が面白く、しばらくの間絵の前に立ち止まり2つの作品を見比べていました。

最後の部屋は、モンドリアンです。赤、青、黄の3原色と白、黒だけで描かれた「赤と黄と青のあるコンポジション」は「点描」とは程遠い作品ですが、「色を純粋色に分割して並置する」という分割主義の方法には従っており、今回の展覧会のオリジナルコンセプトの奥深さに感心しました。なお、作品鑑賞に関係ありませんが、モンドリアンの作品は「額」まで一体となっているので「大きな額の中に、額に入った絵がある」という展示が多く、面白い発見でした。
なお、三連休初日ということで入場者が多く、我々もモギリのところで行列待ちをしました。展示室内は鑑賞に支障を来さないギリギリの人出です。人ごみを避けたいなら、平日の閉館間際に入ると良いでしょう。
Ron.

「遠まわりの旅展」パフォーマンス作家を囲む会

カテゴリ:作家を囲む会 投稿者:members

 3月15日、日曜日、ダンサーの三輪亜希子さんのパフォーマンスの後、三輪さんと作家のD.D.さんとCONTAGIOUS ORGASMさんをお迎えし、「作家を囲む会」が行われました。

2014_遠まわりの旅_作家を囲んで_乾杯!

2014_遠まわりの旅_作家を囲んで_乾杯!

2014_遠まわりの旅_作家を囲んで_お話を聞く

2014_遠まわりの旅_作家を囲んで_お話を聞く

2014_遠まわりの旅_作家を囲んで_三輪さん

2014_遠まわりの旅_作家を囲んで_三輪さん

2014_遠まわりの旅_作家を囲んで_今村さん

2014_遠まわりの旅_作家を囲んで_今村さん

2014_遠まわりの旅_作家を囲んで_CONTAGIOUS ORGASM

2014_遠まわりの旅_作家を囲んで_CONTAGIOUS ORGASM

2014_遠まわりの旅_作家を囲んで

2014_遠まわりの旅_作家を囲んで

○ 作家を囲む会は、開催中の展覧会にちなんだ作家を美術館内のカフェにお迎えし、直接いろいろなお話を聞く貴重な機会になります。
 これからも折を見て開催しますのでお楽しみに。
協力会事務局

「あいちトリエンナーレ2013」ギャラリートーク

カテゴリ:会員向けギャラリートーク 投稿者:members

 8月11日(日)の夕方、先日から始まった「あいちトリエンナーレ2013」のギャラリートークが行われた。先回の「あいトリ2010」でも多くの作品に出会えたが、今回はガイドトーク・ボランティアに参加していることもあり、とても楽しみにしていた。

あいトリ2013_ラッピングカー_横山裕一

あいトリ2013_ラッピングカー_横山裕一

 いつもどおり、2階講堂に集まって概説を聞く。担当の山田学芸係長は開口一番「現代美術のギャラリートークに50名を超える参加者がいて驚いています」と言われたが、確かに「あいトリ2010」のときは10名くらいだったので、ずいぶん注目度が上がったようだ。

今回、名古屋市美会場で展示されていた5名の作家のうち、とりわけ印象的だったのは、杉戸洋氏の空間構成と、藤森照信氏の「泥舟」だった。2階展示室を大きなカラーメッシュでいくつもの小部屋に分割した杉戸氏の作品の中に入ると、まるで氏の作品中の登場人物になったかのように、心地よい色彩に取り囲まれる。ただ、仕切りの発泡スチロールのブロックは崩れやすいので要注意。

あいトリ2013_色彩に囲まれて_杉戸洋

あいトリ2013_色彩に囲まれて_杉戸洋

 展示室を出て、美術館東側に回ると見えてくるのが宙に浮かぶ「泥舟」だ。まるで、ぶんぶく茶釜の狸みたいでユーモラスな形をしている。美術館開館時間中は予約制で梯子を上って、中に入れるそうだが、人気が高く、かなり待たなければならないようだ。すでに、舟に登った人によると、お昼前後は中が暑いので、夕方がおすすめ!らしい。

あいトリ2013_空飛ぶ泥舟_藤森照信

あいトリ2013_空飛ぶ泥舟_藤森照信

 ギャラリートークはさらに続き、サンクンガーデンの青木野枝氏の「ふりそそぐもの」の間を抜け、地下の常設展示室へ入ると、岡本太郎氏、荒川修作氏の作品に出迎えられる。山田学芸係長によれば、今回のあいトリ2013の展示は、常設展示の作品も含めて完結しているそうなので、こちらも見逃せない。

あいトリ2013_サンクンガーデンにも_青木野枝

あいトリ2013_サンクンガーデンにも_青木野枝

そんな、こんなでギャラリートークも無事終了!したのだが、解散と同時に足早に北の方角に向かうグループがあった。トークと同時刻に行われたマーロン・グリフィスのパレードを見に行ったらしい。彼らはパレードに間に合ったのだろうか。
ともあれ、あいトリ2013の夏はアツイようだ。
杉山 博之

「空飛ぶ泥船ワークショップ」 あいちトリエンナーレ

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:members

7/28(日)10時から「空飛ぶ泥船ワークショップ」が藤森先生の挨拶で始まりました。藤森先生は体育祭の校長先生のような真っ白な出立でした。
参加者28名(大人20名、小人8名)、名古屋市美術館の関係者5名、名古屋市美術館ボランティアガイド9名、あいちトリエンナーレ実行委員会事務局6名、総数48名で作業開始。

トリエンナーレ_泥舟_ワークショップ

トリエンナーレ_泥舟_ワークショップ

今回のワークショップは「泥船」を支える鉄柱2組、計4本に杉の皮を巻く事でした。最初に杉の皮を固定する銅線を切るグループと長い杉の皮を30㎝に切るグループに別れて作業が始まりました。銅線と杉の皮が準備出来たら鉄柱に巻き始めるグループも作業開始でした。快晴の中、厳しい暑さにも関わらず皆元気に午前中の作業は終了しました。

12時頃名古屋市美術館の講堂で食事休憩を取りました。藤森先生より「泥船」についてのレクチャーもあり、参加者全員熱心に聴き行っていました。

トリエンナーレ_泥舟_ワークショップ

藤森先生と五十嵐監督

13時から午後の作業が再開されました。鉄柱に杉の皮を巻く再開を全員で作業しました。真夏の太陽にさらされ鉄柱は素手では触れない位暑くなっていました。途中、銅線が足りなくなってしまいましたが、予定より早く作業は終了しました。後片付け等済まし完成した鉄柱の前での記念撮影は感無量でした。

トリエンナーレ_泥舟

トリエンナーレ_泥舟

厳しい暑さにも関わらず皆元気で無事作業が終わったのは関係者の方々のおかげと感謝しています。
8/10からのあいちトリエンナーレで「空飛ぶ泥船」を見るのがとても楽しみです。充実した素晴らしいワークショップでした。

松本 裕子

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