展覧会見てある記 豊田市美術館「未完の始まり」ほか  

カテゴリ:Ron.,アート見てある記 投稿者:editor

 2024.02.12 投稿

豊田市美術館(以下「豊田市美」)で開催中の「未完の始まり―未来のヴンダーカンマー」(以下「本展」)に行ってきました。当日は「第3期 コレクション展」(以下「コレクション展」)も同時開催していました。

原稿を書こうとしたら、「美術館ナビ」に本展の写真入りレビュー(2024.2.11 ライター・岩田なおみ。URLは次ページ末)が掲載されていることを知りました。なので、図版・解説はそちらに譲り、以下は簡単なレボート・感想とします。

◆本展(1階・展示室8)

 本展の作品リストによれば、「ヴンダーカンマー(驚異の部屋)」は15世紀に始まった「ミュージアム」の原型で、「世界中からあらゆる美しいもの、珍しいものが集められた」部屋とのことです。豊田市美の入口に豊田市博物館のパンフレット(URLは次ページ末)が多数積まれていました。本展は本年4月予定の豊田市博物館の開館を盛り上げるための企画かもしれませんね。

さて、本展に展示されているのは、5人の作家による現代アートの作品です。うち、4人の作品は1階・展示室8に、残る1人の作品は2階・展示室1に展示されています。

展示室の入口に展示室内の作品配置図や出品作家・出品作の紹介を掲載した作品リストが置かれていたので、鑑賞の助けになりました。余裕があれば、お守り代わりに作品リスト(URLは次ページ末)をダウンロードして、予習しておくことをお勧めします。

〇リウ・チュアン(Liu Chuang:メキシコ生まれ)

展示室に入ると、ウサギの剥製を使った作品、さらに進むとシカの剥製を使った作品を展示。先住民の伝統的な手法で刺繍した作品もあります。どれもマイルドで、なじみやすい作品だと思いました。

〇タウス・マハチェヴァ(Taus Makhacheva:旧ソビエト連邦生まれ)

立体作品の《リングロード》、装身具とその解説文書による《セレンデピティの採掘》の外、写真・動画と、多彩な作品を展示しています。2つの動画は、どちらも1時間近い作品だったので、パスしてしまいました。

〇田村友一郎リウ・チュアン(日本生まれ)

作品リストには《TIOS》と記載されていますが、樹脂製バンカー・、スマートフォン用ガラスの砂・チタン製ゴルフドライバーというインスタレーション、数多くのスマートフォンで作った照明器具、チタン製の骨、チタン製の骨とスマートフォンのレントゲン写真などの総称です。

「物を並べる」という点は、コレクション展(展示室3)に多数展示されているヨーゼフ・ボイスの作品と共通していると思いました。

〇リウ・チュアン(Liu Chuang:中国生まれ)

出品しているのは《リチウムの湖とポリフォニーの島Ⅱ》という1時間近い映像作品のみ。長いので「パスしようか」と一瞬思いましたが、思い直して鑑賞。映写機4台を使った超ワイド画面は迫力があります。座る場所もあって、疲れません。この動画を見なかったら展覧会の内容の2割を捨て去ることになっていたので、鑑賞してよかったと思います。

動画の始まりは、SF映画のようでした。「リチウムの湖」というのは南米の塩湖のことです。湖の塩水を濃縮してリチウムを採取する動画は初めて見るもの。あまりの規模の大きさに「怖ろしい」とさえ感じました。このほか、東南アジアの少数民族の映像や絵巻物に描かれた中国風の動物のアニメーションもあります。

◆本展(2階・展示室1)

〇ヤン・ヴォー(Danh Vo:ヴェトナム生まれ)

大きな木製の枠に吊り下げた、額入りの植物写真の数々と、レタリング、脚の彫像を展示しています。作品の詳細は「美術館ナビ」のレビューをご覧ください。

◆コレクション展(2階・展示室2~3)

本展に来たら「コレクション展を見ない」という手は、ありません。

展示室2は、山口啓介のエッチング。展示室3で、最初に目に飛び込んできたのはヨーゼフ・ボイスの作品ですが、折りたたみ式のクラシックカメラを板に貼り付けた、アルマン《Click-Clack Flub》、イケムラケイコ《大きいライオンの家》、塩田千春《トラウマ/日常―赤い靴》、奈良美智《Girl on the Boat》、河井寛次郎《象嵌草花扁壺》《碧釉扁壺》、黒田辰秋の漆器2点などが目を引きました。

◆コレクション展(3階・展示室4)

2020年制作の奈良美智《Though the Break in the Rain》が一番印象的でした。白髪一雄、堂本尚郎の作品を見た時は、岡崎市美術博物館「レアリスムの視線」を思い出しました。

◆コレクション展(2階・展示室5)

藤田嗣治《自画像》が印象的でした。岡崎市美術博物館「レアリスムの視線」でも《少女》《ラ・フォンテーヌ頌》を展示していましたね。

◆最後に

 昨年秋の「フランク・ロイド・ライト展」の余韻でしょうか。私が豊田市美に行った時は、若い人たちが多数来館していました。会期は長く、5月6日(月・祝)まであります。

Ron.

参考資料(本展関係のURL)

豊田市美術館

「未完の始まり」ホームページURL: Toyota Municipal Museum of Art 豊田市美術館

作品リスト   URL:wunderkammer-galleryguide-0119-A4.pdf (museum.toyota.aichi.jp)

プレスリリース URL: press-release_wunderkammer231205-5 (city.toyota.aichi.jp)

2023年度 第3期コレクション展 URL: Toyota Municipal Museum of Art 豊田市美術館

作品リスト   URL: HP(\Áê¹È.xlsx (museum.toyota.aichi.jp)

豊田市博物館

ホームページ  URL: どんな博物館? – 豊田市博物館 (city.toyota.aichi.jp)

パンフレット  URL: 01.pdf (city.toyota.aichi.jp)

美術館ナビ

「未完の始まり」レビュー URL: 【レビュー】「未完の始まり―未来のヴンダーカンマー」 豊田市美術館 ~地球規模で情報やモノが行き交う現代の「ミュージアム」のゆくえ – 美術展ナビ (artexhibition.jp) )

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