名古屋芸術大学卒業・修了制作展 (その3)
村上可威の≪continue≫は、3個の大きな金属のフレームに収められたインスタレーション作品だ。展示室内にはモーターとギヤの回転音が響き、長いパイプはゆっくりと左右に上下し、長方形の透明なパネルはパタパタと揺らぎ、右手奥には、木の幹が宙づりになっている。
一見、無関係な要素の取り合わせに見えるが、手前から「ししおどし」、「暖簾」、「丸太」を表現しているそうだ。

村上は、日本的な「風流」が内包してきた態度や感覚を工業的な構造に置き換え、可視化した。騒々しい駆動音を響かせる「ししおどし」や「暖簾」は、もはや「ししおどし」や「暖簾」ではないだろう。それらは「風流」から切り離され、名前を失い、漂流している新しい「なにか」のように思われる。
作品タイトルの「continue(継続する)」に込められた作家のメッセージを考えてみよう。名付けようのない「あいまい」な状態の継続を提示することで、観客の好奇心を揺さぶっているのだろうか。
杉山 博之


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