アルフレド・ジャー あなたと私、そして世界のすべての人たち

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:members

アルフレド・ジャーは、南米チリ出身で、ニューヨークを拠点に国際的に活躍しているアーティスト。彼の作品は、写真、映像、大型のインスタレーションが特徴的だ。

彼の作品は、時々の社会情勢を取り込み、様々な悲劇を取り上げ、作品を見る人々に静かに、深く考えることを促す。そこには、単純な善悪で割り切れない、遠い世界の他人ごとでは済まない出来事が、とても詩的な表現で提示されている。

会場入口

≪あなたと私、そして世界のすべての人たち≫

展覧会のタイトルにもなっている≪あなたと私、そして世界のすべての人たち≫は、ガラスと鏡で構成された3個の立方体だ。作品の周りを歩くと、他の作品や観客が立方体に映りこみ、自分を取り巻く室内の様子や、それぞれの距離感が様々に変化する。奥側の壁面に展示された≪彼らにも考えがある≫と重ねて見ると、異なる価値観を持つ他者の存在を強く意識させられる。

展示風景 手前 ≪あなたと私、そして世界のすべての人たち≫ 2020、奥側 ≪彼らにも考えがある≫ 2012

≪エウロパ≫

その他にも、鏡を印象的に使った作品がある。≪エウロパ≫は、炎を写したライトボックスと、その背後に並んだ多数の鏡で構成される。炎の裏側にもイメージが展示されているが、そのイメージは隠され、直接見ることができない。よく見ること、見ようとすることの困難さと、隠されがちな真実の存在の暗喩だろうか。

展示風景 ≪エウロパ≫ (部分)1994

≪写真はとるのではない。つくるものだ。≫

展示室入口のすぐ横に大判のポスターが積み上げられている。白地に黒い文字で大きくメッセージが印刷されている。英語で「写真はとるのではない。つくるものだ。」と書かれたこのポスターは、一枚ずつ、持ち帰りできる。

展示風景 ≪写真はとるのではない。つくるものだ。≫ 2013

ここで、本展で見た作品のことを思い返してほしい。世界の出来事は、お互いに鏡写しになりながら、様々に影響しあっていることを。

展覧会名 アルフレド・ジャー あなたと私、そして世界のすべての人たち
会期 2026年1月21日から3月29日
会場 東京オペラシティ アートギャラリー

杉山 博之

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