對中優 ≪Drifting≫

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:members
研究発表会の会期中、「IAMAS JUNCTION」というトークプログラムが複数回、実施された。今年の卒業生が自身の制作の説明をしたり、学生時代の思い出を話すのだが、学生時代を振り返り「楽しかった」という学生が多かった。きっと充実した時間を過ごしたからに違いない。

情報科学芸術大学院大学修了研究発表会/プロジェクト研究発表会にて (その2)

對中優 ≪Drifting≫

入口の手前に置かれた注意事項を読み、順番を待つ。モニターの表示が「空室(vacant)」に変わったら、ドアを開ける。右側の壁面の中央付近に椅子を見つけた。ひとまず椅子に座り、何が起こるのか、ドキドキしながら待つ。

展示会場入口

目の前のモニターにアバターが映り、いろいろな身振り、手振りを見せてくれる。しばらくすると、モニターの背後の壁の上から、何かが飛んでくる。時折、光るものも飛んでくる。床に落ちたものを見ると、飛んできたのは紙飛行機だった。

≪Drifting≫(部分)

モニターに映るアバターは時折、手をこちらに差し出す。ジェスチャーで何かを伝えようとしているようだ。また、紙飛行機に使われている色紙の裏側に、記号の書かれたものが混じっている。これも何かの伝言だろうか。

≪Drifting≫(部分)

對中は、壁と紙飛行機などで構成されたインスタレーションで、アバターが象徴するバーチャルな空間と観客が存在するリアルな空間の二重性を提示している。壁の向こうのパフォーマーは沈黙しているが、紙飛行機は伝言用のメモ用紙にも変わりうる。観客は飛んでくる紙飛行機を静かに眺めていればいいのだろうか。もし紙飛行機がコミュニケーションの手段であるならば、観客が紙飛行機を壁の向こうに飛ばし返すことで、双方向のコミュニケーションが成立するだろう。作家は、観客がインスタレーションに介入することを期待しているだろうか。あるいは、ただ静かに座っていることを期待しているだろうか。どちらを期待するかにより、作品が示唆するコミュニケーションの展開は、その様相を大きく変えるのではないか。

杉山

コメントはまだありません »

No comments yet.

RSS feed for comments on this post.

Leave a comment

コメントを投稿するにはログインしてください。

error: Content is protected !!