愛知県立芸術大学卒業・修了制作展にて (その2)
成田愛実 ≪超宇宙生命ラボ 宙蟲≫
近い将来、人類が発見するかもしれない地球外生命体の数々が並んでいる。作家により「宙蟲」(SORAMUSI)と命名された彼らは、過酷な環境に適応し、誰かに発見されるのを待っている(らしい)。

バリエーション豊かな彼らは、確かに架空の存在なのだが、展示台の説明を見ると、居住地域や生態などの設定が細かく書かれ、まるで実在しているかのようだ。
例えば、大きな口(?)を開け、こちらを威嚇する生命体は、SF映画の凶悪キャラクターを彷彿とさせる。実在すれば、間違いなく「危険な外来生物」の指定を受けるだろう。

細かい突起に覆われた金ピカの生命体は、土星の美しいリングの中をふわふわと浮遊しながら、粘液で獲物を捕獲し、吸収する想定だ。地球の生物でよく似ているものとしては、クラゲがあげられるだろうか。

それにしても、それぞれの生命体の設定、水族館か動物園のような展示方法、展示全体をラボ(研究所)とするアイディアなど、完成度の高さは群を抜いている。とてもよく考えられた展示だった。
杉山
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