展覧会見てある記「挑む女たち~芥川沙織を中心に~」豊橋市美術博物館

カテゴリ:Ron.,アート見てある記 投稿者:editor

2024.07.15 投稿

先日、豊橋市美術博物館(以下「豊橋市美」)で開催中の美術展示Ⅱ「挑む女たち~芥川沙織を中心に~」を見てきました。先ず、豊橋市美までのアクセス、次に美術展示Ⅱの概要について書き、最後に、同時開催の「豊橋鉄道100年 市電と渥美線」にも触れます。

◆豊橋市美までのアクセス

JR豊橋駅・名鉄豊橋駅から豊橋市美までは「市電」の愛称で親しまれている豊橋鉄道東田(あずまだ)本線(市内線)(以下「市電」)に乗車し、「市役所前」で下車するのが便利です。市電は7分~8分間隔で発車。「市役所前」は「駅前」から4つ目、発車から約7分で到着します。「市役所前」から豊橋市美までの所要時間は約5分です。市電乗り場は豊橋駅2階から続くペデストリアンデッキの下。電車マークのある階段を降りれば、市電「駅前」の乗り場です。運賃は均一料金で大人200円。ICカード(MANACA又はTOICA)なら、運賃箱のIC読み取り機にタッチするだけでOK。歩くことが好きな人でしたら、徒歩約25分~30分で行けます。

◆美術展示Ⅱ「挑む女たち~芥川紗織を中心に~」(1階 展示室4 入場無料)

会場の展示室4は、豊橋市美1階の一番奥。5人の作家による14点の絵画と芥川沙織関係の資料を展示しています。絵画の内訳は、三岸節子が3点、朝倉摂が2点、芥川沙織が5点、丸木俊が1点、高畑郁子が3点、計14点です。三岸節子の作品のうち赤い屋根の家を描いた《グアデイスの家》(1988)を見て、名古屋市美術館所蔵の《雷がくる》(1979)を思い出しました。

芥川沙織の《女・顔Ⅰ》《女・顔Ⅱ》(いずれも1954)には「当初描いた主題は、自らの苦悩や葛藤を反映したかのような女性像が多い」という解説が、《民話より》(1955)には「大きなハサミを振り上げ、毛に覆われた脚を持つたくましい蟹の姿が現れる」という解説が、《天を突きあげるククノチ》(1955)には「茨城に伝わる樹木神」が付いていました。《作品D》(1955)は植物のようにも、女性のようにも見えます。

なお、芥川沙織の作品の図版は、下記のURLに掲載されています。

URL: 展示作品詳細−豊橋市美術博物館 | 芥川(間所)紗織 生誕100年 特設サイト (saori-100th-anniversary.com)

〇ミュージアム展示ガイド「ポケット学芸員」について

 展示室4の入口には、ミュージアム展示ガイド「ポケット学芸員」のダウンロード方法、操作方法の掲示がありました。QRコード(App Store用、Google Play用の2種)を読み取るか、スマホやパソコンで「ポケット学芸員」と入力・検索すれば、アプリをダウンロードできます。ポケット学芸員の操作方法ですが、アプリを起動して、①「関東地方」「中部地方」等の地域を選択、②表示された中から希望の施設を選択、③施設のプロフィールが表示されるので、「リスト」を選ぶと展示物のリストを表示、④「ダウンロード」を選ぶと施設の情報がスマホにダウンロードされます(24時間後に消去)。作品解説を読むときに便利なアプリです。

◆「豊橋鉄道100年 市電と渥美線」(2階 展示室7~9,展示コーナー 観覧料 一般500円)

現在、市電と渥美線を運営している豊橋鉄道株式会社が「豊橋電気軌道株式会社」として創立したのが大正13(1924)年3月7日。豊橋で路面電車(市電)が開業したのは、大正14(1925)年7月14日。豊橋と田原を結ぶ渥美線が、渥美電鉄株式会社により高師~豊島間が開通したのが大正13(1924)年5月、新豊橋~三河田原が全通したのが大正14(1925)年5月1日。市電と渥美線の歴史をたどり、豊橋鉄道株式会100年の歩みを振り返る展覧会が「豊橋鉄道100年 市電と渥美線」です。観覧券売り場は、2階エレベータ前。

〇市電について

展示品で目を引いたのは「豊橋市新市街地図」です。現在、豊橋市美のある豊橋公園一帯は、歩兵第18聯隊と練兵場、射撃場で、市電の「市役所前」は「営門前」でした。市電を降りて豊橋市美に向かう途中に通過する門は、歩兵第18聯隊の営門だったのです。営門には哨舎(歩哨が24時間常駐した場所)跡が残っています。

〇渥美線について

展示品で目を引いたのは「空中ヨリ見タル高師[絵葉書] 昭和初年」です。写っていたのは、騎兵25,26聯隊、教導学校(下士官の養成所)、憲兵分隊、旧第15師団司令部所在地。陸軍第15師団は明治38(1905)年から大正14(1925)年まで渥美郡高師村(現在は豊橋市)に駐留していた師団です。芥川沙織は大正13(1924)年5月24日渥美郡高師村生まれ。芥川沙織が生まれた当時の渥美郡高師村は、陸軍第15師団の駐留地だったのです。なお、「挑む女たち~芥川沙織を中心に~」の作品リストは「沙織は軍に所属していた父親の赴任先である豊橋に生まれました」と記載しています。

Ron.

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