アイチトリエンナーレから名称を変更した国際芸術祭あいち2022のミニツアーが、9月11日午前10時から行われました。会場のある愛知芸術文化センターの12階にはレクチャのスペースがあり、当日は24名の名古屋市美術館協力会員が集まり、担当の中村史子学芸員のお話を聞きました。
解説はとても分かりやすい展開で、まずはこのタイトル、STILL ALIVEから。
このタイトルは、愛知県刈谷の出身である現代アーティストの河原温の言葉から取ったとのこと。ニューヨークに在住していたかわらは、作品は発表するものの、オープニングやインタビューなどにも姿を現さず、ミステリアスな作家(現代にもそんなアーティストがいるような…)であったが、その作家から電報が届いてそこには I am still alive.とだけ書かれている、といった具合で、その電報を打つという行為自体をアートとしてしまうような作家であったとのこと。しかし、この時代、コロナで離れて暮らしている家族や友人となかなか会えないために、この河原の用いた言葉は今の時代にも非常にマッチしているとも言えるので、タイトルに採用されているとのこと。なるほど、そういうことでしたか。
その後、芸術祭に参加しているアーティストとその作品について、時間の許す限り解説していただけました。大多数のアーティストは、日本で暮らしているとわからないような、世界で起こっている窮状をテーマにした作品を手掛けていて、解説していただかないとなかなか想像し難い内容が多かったように感じます。世界で今、実際に起こっていることに目を向けることも大切だと感じました。
協力会事務局