◆ 豊田市美術館で見たシャネルのドレスと同じようなドレスを「美術展ナビ」で発見
豊田市美術館「交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー」で見た、ガブリエル・シャネル(1883-1971)《イヴニング・ドレス》(1927年頃)が気になり、ネットで検索したところ「美術展ナビ」で同じようなドレスを発見しました。記事は、「ガブリエル・シャネル展」(三菱一号館美術館)の特集(URL: https://artexhibition.jp/topics/news/20220627-AEJ858090/)で、ドレスの説明は《イヴニング・ドレス》(1920年代後半)というもの。「美術展ナビ」の記事には「1920年代から30年代にかけて、ツーピースのスーツや単色のドレスが登場。過剰な飾り気がなく、柔らかでシンプルな造形は『リトル・ブラック・ドレス』など、シャネルの『マニュフェスト』の重要な要素として定着していきます」と書かれていました。
◆ 「リトル・ブラック・ドレス」とは何か? その革新性は?
リトル・ブラック・ドレス(Little black dress)については「ココ・シャネルの歴史的な業績とは何か」に分かりやすい説明がありました。(URL: https://histori-ai.net/archives/1522)
記事の要点は、以下のとおりです
・1926年、アメリカのファッション誌「VOGUE」で紹介されて、一躍世界中に広まった
現在の目で見ると「女性用の普通の黒いワンピース」だが、以下の革新性があった
・コルセットをしていない
コルセットの着用によって多くのヨーロッパの貴婦人は行動の自由を制限された生活を送った。そんな中で、シャネルはコルセット不要なドレスを発表して社会に受け入れられた
・黒一色のみ
当時、黒一色の服は「喪服」か「黒の組織」のメンバーの一員を意味した。その様な中でシャネルは黒一色のドレスを発表。このドレスの爆発的な普及により黒を喪服以外での通常のファッションカラーとして世間一般に認知させることに成功した
・スカートの丈が膝丈
当時は、裾が床に触れるほど長く、レースやフリルがついたドレスが一般的。シャネルは簡素で筒状の「裾が膝丈まで」という非常にシンプルなデザインで新しい女性像を提案。女性が歩きやすい、動きやすい、活動しやすいことを前提としたデザインされたドレスだった
◆ ネット記事「実は『新』定番だった リトル・ブラック・ドレスの歴史」 より
URL:http://www.fragmentsmag.com/2015/10/little-black-dress-history/
見出しのネット記事には「1929年に米国に起こった大恐慌の頃は、質素倹約の時代。それが逆に追い風になり、リトル・ブラック・ドレスは定着。女性の「定番」となっていくのです」と書かれていました。
また、1961年に公開された「ティファニーで朝食を」で、黒のシックなドレスを身にまとったオードリー・ヘップバーンと、そのドレスをデザインしたユベール・ド・ジバンシィが「リトル・ブラック・ドレスを1960年代のファッションアイコンに育てた」とも書いています。
◆最後に
「交歓するモダン 機能と装飾のポリフォニー」に展示されていたガブリエル・シャネルの《イヴニング・ドレス》。気になった訳は「歴史的な作品だったから」でした。
Ron.
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