巣ごもりの日々の読書ノート(再開2)

カテゴリ:Ron.,アート見てある記 投稿者:editor

◆文春美術館「東洋美術逍遥」(9)橋本麻里 (週刊文春2020年12月17日号)

膨大な破片から蘇った美 特別展「海を渡った古伊万里~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~」

 12月6日(日)放送の NHK・Eテレ「日曜美術館 アートシーン」で、大倉集古館で開催中の「海を渡った古伊万里~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~」の紹介動画を見て「面白い展覧会が開催されているのだな」と思っていたら、週刊文春でも取り上げました。

橋本麻里によれば、展覧会の第1部は「伊万里焼」の歩み、第2部は第2次世界大戦後に旧ソ連兵士によってことごとく破壊された古伊万里コレクションの、復元作品の展示です。

橋本は「マイセン窯の白磁大壺などは、これほど細かい細工をどうやって元にもどしたのか、まるで魔法を見るようだ。ありがたいことに、修復手法の解説パネルや道具も紹介されているので、後世のために『修復した痕跡を残す』という文化財修復の考え方まで、併せて理解できる。一連の調査からわかってきたのは、ロースドルフ城のコレクションが非常に広い時代、地域の窯の作品を集めていること、また古伊万里金襴手をモデルに、中国・景徳鎮窯が日本から市場を奪回した『チャイニーズイマリ』や、ヨーロッパ各地の窯で焼かれた模倣製品が多いことなどだという」とも、書いています。

「伊万里」については、NHK「ブラタモリ」が2週にわたって放送した「有田町特集」を視聴していたので身近な感じがします。今年、岡崎市美術博物館で開催された「マイセン動物園展」で装飾壺や動物の置物などを見たので、「マイセン窯の白磁大壺」にも興味が湧きます。

NHK・Eテレ「日曜美術館 アートシーン」によれば、「海を渡った古伊万里~ウィーン、ロースドルフ城の悲劇~」は2021.4.10~6.13の会期で愛知県陶磁美術館に巡回、とのこと。

今から楽しみです。

    Ron.

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