白川公園の木々が色づき始めた11月8日夕方より名古屋市美術館 特別展「絵画と写真の交差」展の協力会会員向けギャラリートークが始まりました。
今年の春から会員になりましたが、楽しみのひとつが特別展ギャラリートークでした。
今回の展覧会を担当した学芸員の原沢暁子さんが約1時間20分くらいかけて写真が発明される以前から現在の写真に至るまでを絵画と関連付けながらわかり易く解説されました。
270点ある作品の展示は時代別になっています。解説を聞きながら作品鑑賞をした中で印象に残ったことを書いてみたいと思います。
写真が発明される以前の絵画「農民の結婚式」ブリューゲル(父)作の本物はウイーン美術史美術館にあるそうですが、ブリューゲル(子)の模写作品でも結婚式に参加している農民のいきいきした動きや、奥のほうでほんのり頬を染めて座っている花嫁の幸せ感が伝わってきました。
画面に花婿はいないのが不思議ですが、もしかしたら花婿の眼から見た結婚式の絵なのかしら??
カメラが普及しそれに伴い絵画も、印象派のように、見たままを写実的に描くより感じたままを表現するようになったり、写真に影響を受け一瞬を絵画に取り入れたりするようになったのが良くわかる展示でした。ドガ作「マネとマネ婦人像」が印象的でした。お互いの絵を交換したものの描かれた奥さんの顔が気に入らずマネが切り取ってしまった状態で展示してありました。
切り取る前の作品が見たい!どんな作品だったのでしょう。
会場で他の協力会員の方から、マネが同じように描いた作品がパリのオルセー美術館にあると教えてもらいました。(でもやっぱりドガの描いた作品が気になります。)
解説の最後は杉本博司氏の「インペリアル、モントリオール」の写真についてでした。
長い時間を閉じ込めた白い画面は見る者にとって考えさせる作品になっていました。見えないものが見える不思議。
嬉しかったのは写真との関連は余りわからないけど、モランディ「静物」が展示されていたこと。
幸福な気分になりました。
川瀬 三重子
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