お知らせ

2025年9月11日

2025年協力会イベント情報

現在、下記のイベントの申し込みを受け付けています。

1.近代名古屋の日本画界(常設企画展) 協力会向け解説会 名古屋市美術館 令和7年1026

2.国際芸術祭あいち2025 鑑賞ミニツアー 愛知県陶磁美術館 令和7年11月15日(土)14:00~)

参加希望の会員の方は、ファックスか電話でお申し込みください。ホームページからの申し込みも可能です。

令和7年度秋の旅行、行先決定しました!

令和7年度の協力会秋の旅行の行先は、京都方面。ニトリホールディングス所有の對龍山荘を見学し、昼食をとり、午後は泉屋博古館にて鹿子木孟郎の展覧会等を観覧します。会員の皆さまには参加者募集の案内をお送りします。詳しくは、そちらをご覧ください。

最新の情報につきましては随時ホームページにアップしますので、ご確認ください。また、くれぐれも体調にはご留意ください。

これまでに制作された協力会オリジナルカレンダーのまとめページを作りました。右側サイドメニューの「オリジナルカレンダー」からご覧ください。

事務局

FUJI TEXTILE WEEK 2025

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:members
今秋、愛知県では国際芸術祭「あいち2025」が開催され、幅広い現代美術の作品に出合うことができます。また、国際芸術祭「あいち2025」以外にも、各地で多くの芸術祭が開催されます。その中から、愛知から出かけやすそうな芸術祭を、いくつか紹介します。
FUJI TEXTILE WEEKのHPより

FUJI TEXTILE WEEK は、テキスタイルと芸術が融合する国内唯一の布の芸術祭です。本芸術祭では、テキスタイルの新たな可能性を模索するとともに、使われなくなった工場や倉庫、店舗などを展示会場として再利用し、産業の記憶の保存と街のアイデンティティ形成に取り組んでいます。展示会場となる山梨県富士吉田市は、1000年以上続く織物の産地です。その歴史ある地域で2021年よりスタートした新しい芸術祭です。

FUJI TEXTILE WEEK 2025のテーマは「織り⽬に流れるもの」です。布の折り目は、表面の⽬に⾒える糸と、その下にある目に⾒えない糸の両方で出来ています。それは、まるで地表と、その地下を流れる伏流⽔のように思われます。そんな可視化されないものに意識を向けながら、織物の⽂化背景や歴史に思いを巡らせてはいかがでしょうか。

FUJI TEXTILE WEEK
会 期|2025年11⽉22⽇(⼟)〜12⽉14⽇(⽇)

詳しくは、以下を参照してください。

FUJI TEXTILE WEEK

杉山博之

GO FOR KOGEI 2025

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:members
今秋、愛知県では国際芸術祭「あいち2025」が開催され、幅広い現代美術の作品に出合うことができます。また、国際芸術祭「あいち2025」以外にも、各地で多くの芸術祭が開催されます。その中から、愛知から出かけやすそうな芸術祭を、いくつか紹介します。
GO FOR KOGEIのHPより

今年のGO FOR KOGEI 2025は、「工芸的なるもの」というテーマで開催されます。

染色、陶芸、木工、ガラスなどの作品は、日常使いの道具の延長としても鑑賞でき、抽象絵画のような美術作品よりも、とっつきやすい印象があります。

展示会場は、富山県富山市の岩瀬エリアと、石川県金沢市の東山エリアに分かれており、どちらも昔ながらの街並みを留めたエリアに点在しています。また、参加している作家の中には、地元出身、あるいは地元の工房出身の作家もいて、彼らの作品からは北陸地方の土地柄も感じ取れるのではないでしょうか。

作品展のほか、北陸と言えば、おいしい食材の宝庫ですから、時間に余裕をもって訪問し、例えば海鮮などを楽しんで帰ってくるというのはいかがでしょうか。

GO FOR KOGEI 2025
会期|2025 年9 月13 日(土)〜10 月19 日(日)

詳しくは、以下を参照してください。

GO FOR KOGEI 2025

杉山博之

神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:members
今秋、愛知県では国際芸術祭「あいち2025」が開催され、幅広い現代美術の作品に出合うことができます。また、国際芸術祭「あいち2025」以外にも、各地で多くの芸術祭が開催されます。その中から、愛知から出かけやすそうな芸術祭を、いくつか紹介します。
神戸六甲ミーツ・アートのHPより

「神戸六甲ミーツ・アート」は、神戸・六甲山上で開催される芸術祭です。16回目を迎える今年のテーマは「環境への視座と思考」です。六甲山は、かつて樹木などの乱伐により荒廃しましたが、多くの先人達の努力により、現在は緑豊かな環境を取り戻しています。そのような神戸・六甲山上でアートに触れ、多様な視点で環境を見つめる機会にしてはいかがでしょうか。

出展アーティストは61組、愛知県に関係する作家は奈良美智、西野達、白水ロコなどです。国際芸術祭「あいち」(あいちトリエンナーレ)や、名古屋市美術館のポジション展などでおなじみかと思います。

また、9月20日からは「ひかりの森 夜の芸術散歩」と題する、夜間限定の光のアート作品も鑑賞できます。光のコントラストが織りなす、特別な空間に包まれてみませんか。

神戸六甲ミーツ・アート2025 beyond
会期|2025年8月23日(土)〜11月30日(日)

ひかりの森 夜の芸術散歩
会期|2025年9月20日(土)〜11月30日(日)の土日祝

詳しくは、以下を参照してください。
神戸六甲ミーツ・アート

杉山博之

令和7年度名古屋市美術館協力会総会

カテゴリ:協力会事務局 投稿者:editor

令和7年7月13日日曜日、真夏の暑さのなか、令和7年度の名古屋市美術館協力会総会が実施されました。今年の総会には25名の会員が参加してくださり、それぞれの議題について真剣に資料をめくりながら聞き入ったり、メモをしながら聞いてくださったりしていました。

やっと感染症によるイベントの中止などもなくなり、通常の活動などに戻ってきたなという矢先、われわれ協力会は会長の太田さんをなくしてしまい、今年度も様々なことが起こった1年でした。

総会では、議事については特に異議などはなくスムーズに進み、約1時間ほどでお開きとなりました。

総会終了後は深谷さんから最新の南仏の美術館事情を講演していただき、聞いていたわれわれ一同暑い日本の夏にいながら、南仏の風を感じることができました。深谷さん、いつもありがとうございます!

共有すること 耕すこと 続けること

カテゴリ:記念講演会 投稿者:members

はじめに

「アートラボあいち」で、「池田佳穂さんによるシャルジャ・ビエンナーレ・キュレータープログラム報告会」が行われました。

国際芸術祭「あいち2025」のフール・アル・カシミ芸術監督がディレクターを務めるシャルジャ・ビエンナーレは、西アジアで最も長い歴史を持ち、最大規模を誇る国際芸術祭です。また、世界各地から若手キュレーターを招聘し、その育成にも力を入れています。

報告会では、国際芸術祭「あいち2025」のラーニングチームの感想や質問を交え、池田氏のこれまでの活動や、シャルジャでのキュレータープログラムの様子が紹介されました。また、会場からの活発な質問もあり、楽しく芸術祭への期待を高める機会になりました。

左から 村上慧(国際芸術祭「あいち2025」ラーニングチーム)、池田佳穂(インディペンデント・キュレータ)

報告会の概要

冒頭では、まず池田氏のこれまでの活動が紹介され、一例として、東南アジアや日本各地でアートのようなものを地域に芽吹かせた事例紹介がありました。それらの事例では、アートになじみのない人々でも参加しやすい、音楽や対話を取り入れた企画に興味を惹かれました。

報告会のスライドから

話が進み、シャルジャ・ビエンナーレでのキュレータープログラムの紹介では、ビエンナーレにかかわる女性が多いこと、参加者は世界各地から来ていること、プログラムの期間中は朝から夜まで、密度の濃い時間を過ごしたことなどが紹介されました。

いろいろと話題が進む中で、これまでの展覧会は、キュレーターが作家や作品を選択し、物質として展示することが主目的になりがちなこと、その一方で「ラーニング」は展覧会の補助的なプログラムとして扱われがちだが、「ラーニング」で作品の周辺を「深堀り」することで展覧会の在り方を拡張できるという指摘は興味深いものでした。

報告会のスライドから

報告会では、今回で16回目となるシャルジャ・ビエンナーレのガイドブックも回覧されました。掲載された作家や作品は、ほとんど目新しいものばかりで新鮮な経験でした。また、参加作家や出展作品の多さ、展示場所の多様さ、スポンサーや協賛の多種多様さにも驚かされました。

シャルジャ・ビエンナーレのガイドブックなど

おわりに

報告会の中で、アートへのアクセスの難易度の指摘がありました。気になる話題なので、最後に少し触れておきます。芸術祭には、車いすの方、聞こえにくい方、見えにくい方も来場します。国際芸術祭「あいち2025」の美術展、パフォーマンス、ラーニングでも、より幅広い方たちが芸術祭を楽しめるよう、スロープや手すり、字幕や音声ガイドなど、アクセスの難易度への配慮が適切にされることを期待します。

杉山 博之

アートツアー アンゼルム・キーファー:ソラリス(京都)

カテゴリ:アートツアー 投稿者:members

名古屋市美術館協力会のアートツアーで、京都・元離宮二条城で開催されている「アンゼルム・キーファー:ソラリス」展(以下、ソラリス展)と、京都国立近代美術館で開催されている「若きポーランド」展(以下、ポーランド展)を訪問しました。以下で簡単に、「ソラリス展」の様子をご紹介します。

会場入口

アンゼルム・キーファーは、名古屋市美術館の名品コレクション展(常設展)でも、毎回、彼の作品が展示されるので、とても親近感のある作家です。特に、今回の「ソラリス展」は、世界遺産である元離宮二条城を会場とし、スケールの大きな作品が野外にも展示されます。また、主催者であるファーガス・マカフリーのスタッフによる本アートツアーのための作品解説もあり、とても楽しみにしていました。

作品解説の様子

作品保護と展示室内の導線を残すため、作品解説は途中から2つのグループに分かれました。会員からは、「作品タイトルを見ると女神の名前が多いが、男神の名前の作品はあるのか」、「重そうな作品だが、どうやって展示したのか」、「作品の表面に張り付けられた材料はなにか」など、活発な質問が出ました。

作品解説の様子

作品解説では、第二次世界大戦で敗戦国となったドイツと日本の共通性、フランスにあるアンゼルム・キーファーのアトリエの様子、元離宮二条城で展示する意義についても、話題が出ていました。おもしろかったのは、江戸時代のものと思われる「落書き」が残されていたことです。「落書き」した本人は、まさか2025年の「ソラリス展」で、大勢の観客に見られるとは、思ってもいなかったことでしょう。

作品解説の様子

中庭に面した展示室では、麦のような作品の穂先が窓からの光で金色に輝いていました。これらは、もちろん本物の植物ではありません。ここでも、「作品タイトルのモーゲンソー計画とは」、「砂の上にどうやって植えているのか」、「通路のほうに斜めに傾けているのはなぜか」、「砂の上に置かれた蛇や陶器の破片の意図は」、「麦の種類はなにか」など、活発な質問が出ました。

作品解説の様子

前日からの雨も上がり、前庭の≪ラー≫を背景に記念撮影をしました。中庭にも、鉛で作られた多くの作品が並んでいました。

元離宮二条城 台所前庭にて
元離宮二条城 御清所中庭にて
元離宮二条城 御清所中庭にて

アンゼルム・キーファーの作品には、大量の鉛が使用されています。古代から中世にかけて、盛んに研究された錬金術は、卑金属の鉛から貴金属の金を精錬できませんでしたが、現代アートの世界では鉛の作品から、とても貴重な、金にも勝る鑑賞体験をすることができました。

杉山 博之

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