石切り場(丸山富之)

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:editor

 「モネ それからの100年」展の会期中、松本陽子氏を囲んでお話を聞く会(以下、囲む会)が催された。囲む会は名古屋市美術館協力会の会員向けの催しで、会食しながら、出展作家の方からあれこれとお話を聞くことができ、とても好評だ。
 松本陽子氏の囲む会には、hino galleryのスタッフも参加していて、ギャラリーの夏以降の展示予定や最寄駅からの行き方を聞く機会があった。そんな経緯があって、今回、ギャラリーを訪問してみた。

石切り場 前室にて

石切り場 前室にて


 石切り場(丸山富之、hino gallery)を見た。彫刻だった。前室には石材の重量感と表面のザラザラ感が強く意識される作品が置かれていた。後室には上部に突起の付いた、大きな文鎮のような作品が並んでいた。突起の中は深くえぐられ、のぞきこむと石材の裏側(内側)までつながっているようだ。
石切り場 後室にて

石切り場 後室にて


 スタッフと話をしているうちに、えぐられた突起が石に開けられた口に見えてきた。見てのとおり、作品の形態には生物を連想させる要素はないが、スポーツ中継で見る水泳の息継ぎを連想した。
 隣にいるスタッフは、石の産地や制作のこだわり、重量のある作品ならではの展示の苦労話を優しく教えてくれるのだが、水面に浮きあがり、勢いよく突起から空気を吸い込むイメージが作品に重なる。

 お昼近くになり、冷房のおかげで汗も引き、ギャラリーを退去した。駅に向かいながら、ぼんやりと息継ぎする彫刻のイメージが暗示するものについて考えた。答えは意外と身近にありそうだ。

展覧会は9月29日まで。

http://www.hinogallery.com/2018/1901/

杉山 博之

東京アラカルト

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:editor

 展覧会名に興味を惹かれて「東京アラカルト」展を見てきた。出品作家すべてが初見ということで、予備情報なし、わくわくしながら会場へ。お昼過ぎだったので、途中のスーパーマーケットの総菜コーナーをのぞいてみると、おいしそうなお弁当が20%引。時間をずらすとお買い得なんだなー。

 会場のリーフレットによれば、この展覧会はバッカーズ・ファンデーションとNPO法人アーツイニシアティブトウキョウによリ開催されたレジデンスプログラムの集大成。ちょうど、ギャラリートークが始まるようなので、聞いてみることにした。

 10名くらいで始まったトークは内容盛りだくさん。なんといっても20名の作家による100点近い作品のほぼすべてに解説をしてくれる。テーマごとの展示を優先したようで、同一の作家でも異なるフロアーに展示されている場合があり、作家ごとの作風の広がりがつかみにくい。
 印象的だったのは、カラフルなくぎを大量に打ちつけた作品、灰色のコイルで編んだ大きな靴下のような作品、真っ赤な背景に様々な生物を描いた作品など。

 トークの最後で、今後の活動について、レジデンスプログラムは終了し、別の形で活動を継続すると締めくくられた。本当に熱心で、盛りだくさんのトークだった。

おまけ
 協力会のT氏に教えてもらったお得なランチに行って見た。トレシャスビルの11階。見た目もきれいで美味だった。

杉山 博之

おまけ1

おまけ1


おまけ2

おまけ2

音のアーキテクチャ展

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:editor
音のアーキテクチャ トンネルでピクニック

音のアーキテクチャ トンネルでピクニック


 「音のアーキテクチャ展」を体験してきた。
あいちトリエンナーレのボランティアで知り合った人たちと最近の展覧会について話していたら、ミケランジェロ展(国立西洋美術館)、ルーブル展(国立新美術館)、ゴードン・マッタ=クラーク展(東京国立近代美術館)に混じって話題に出たので気になっていた。

 開館直後に入館したが、海外からの観客で混み合っている。(チケット売り場で聞いた話では、時々、不思議なファッションのお客様もいらっしゃるとか。不思議なって、どんな?)

 建物に入ると地下の会場の方から軽快な音楽が聞こえてくる。音と映像の展示なので、館内はほぼ真っ暗。スタッフの誘導とライトの案内でメインギャラリーに入る。目が慣れると、階段状のベンチと床にも大勢の人影が。
 直後、メインスクリーン(正面の壁面と床面)に映像が映し出されたのだが、まるで、キラキラのダンスパレードの真ん中にパラシュート降下したみたい。高速で展開する音と光のトンネルを走り続けるような映像が続き、すぐに頭がグラグラしてくる。 
 
 のんびり鑑賞するには不向きだが、確かに印象的な展示だった。ジェットコースターが苦手でない方はぜひどうぞ。

杉山 博之

音のアーキテクチャ 音と光の土砂降り

音のアーキテクチャ 音と光の土砂降り

2018年10月14日まで
ミッドタウン・ガーデン
21_21デザインサイト

佐川美術館で開かれている田中一村展

カテゴリ:アート見てある記,旅ジロー 投稿者:editor

佐川美術館

佐川美術館


先日NHK日曜美術館でも紹介されたように、琵琶湖の畔の佐川美術館で「生誕110年 田中一村展」が開かれている。佐川美術館では7月14日から9月17日まで開催されている。佐川美術館は佐川急便が創立40周年を記念して1998年に開館した美術館。通常は平山郁夫と佐藤忠良と15代樂吉左衛門を展示する美術館だが、特別展も時折開かれている。
前回行ったのは、偶然佐藤忠良が亡くなってすぐだったから、2011年2月のことだった。所在地が守山市ということなので、東海道線守山駅からタクシーで行った。守山駅からもバスはあるが本数がとても少なく、タクシー代は\3,000.-以上だった。今回は京都にも寄るつもりで調べてみたら、湖西線の堅田駅に出てバスに乗るのが便利なことが分かった。地下鉄東西線の蹴上駅から山科駅で湖西線に乗り換えて堅田駅まで30分ほど。堅田駅前からバスに乗ると15分ほどで美術館に着いた。バスはだいたい一時間に一本で、湖西線に連絡している。気候が良いときは、堅田駅から琵琶湖大橋を渡って歩く人もいるようで距離は4 km強、タクシーだと\1,800.-程度。名古屋から一番速く簡単に行く方法は、新幹線で京都駅に出て、湖西線に乗り換えて堅田駅に出る行程で、名古屋駅から美術館まで1時間半程度だ。入館料は\1,000.-、特別展をやっていてもいなくとも同じ料金だ。
田中一村は、1996年に東京新宿にあった三越美術館で観て以来、とても好きな画家だ。奄美大島に観に行きたいと前々から思っているが、未だに行けていない。今回の展示作品は、一村の子供時代から奄美大島時代までを網羅していて、一村作品の軌跡がよく分かるようになっている。個人蔵の作品がかなり多いので、奄美大島の田中一村記念美術館に行っても観られないだろうと思う作品がかなりあった。その一方で、これぞ一村という作品はそれほど多くなかった。今回の目玉は「アダンの海辺」、アダンの実の向こうに砂浜と海が見える作品だ。22年前には気付かなかったが、砂浜の表現が超絶技巧で暫し見入ってしまった。ヤマボウシの白い花を一面に描いた大きな作品「白い花」も美しい。いつもは佐藤忠良の作品を並べてある展示室も使っているので、忠良作品は廊下などに展示されていた。

音のアーキテクチャ トンネルでピクニック 佐川美術館 ギャラリートークの様子 展示会場で話をきく会員たち 泉屋博古館にて まずは講堂でレクチャを聴く会員たち 会長の乾杯の音頭に合わせて、いただきます! 「回生の苗床」 光内惟奈 燃やせないもの 夢見たものは 展示室で解説を受ける会員たち プティパレ まずはエントランスホールでの解説