気になる展覧会

カテゴリ:Ron.,アート見てある記 投稿者:editor

 2019年も半ばを過ぎてしまいましたね。今後、名古屋周辺で開催予定の美術展の中から「気になる展覧会」を会期の近いものから順番に書いてみました。

◆キスリング展 エコール・ド・パリの夢  岡崎市美術博物館 2019.7.27~9.16  2019年6月23日放送のNHK・Eテレ「日曜美術館」アートシーンで、東京都庭園美術館で開催中の展覧会(7月7日まで)を紹介していました。2007年以来、12年ぶりに開催される個展とのことです。キスリングといえば、名古屋市美術館所蔵の《マルセル・シャンタルの肖像》が頭に浮かびますが、東京都庭園美術館のホームページ(注1)のイチ押しはフランスの女性小説家コレットの娘を描いた《ベル=ガズー(コレット・ド・ジュヴネル)》で、静物画も出品されるようです。滞米時代の作品を含む約60点の作品が出品されるので、見逃せませんよ。

注1 キスリング展のURL=https://www.teien-art-museum.ne.jp/exhibition/

◆空間に線を引く 彫刻とデッサン展  碧南市藤井達吉現代美術館 2019.8.10~9.23 2019年6月30日放送のNHK・Eテレ「日曜美術館」アートシーンで、足利市立美術館で開催中の展覧会(7月28日まで)を紹介していました。足利市立美術館のホームページ(注2)には、「彫刻家は(略)描くことがすなわち触れることであり(略)画家のデッサンにはない様々な要素が見出せる」と書いてあります。アートシーンでは柳原義達、青木野枝、大森博之のデッサンと彫刻を紹介していましたが、読売新聞のベテランアート記者・高野清見氏のコラム【きよみのつぶやき】第16回(注3)では舟越直木(1953-2017:舟越保武の三男)の作品紹介にページを割いています。【きよみのつぶやき】第16回によれば、本展を企画したのは「リアル(写実)のゆくえ展」(2017年)等を手がけてきたベテラン学芸員のコンビとのことです。「リアルのゆくえ展」はとても面白かったので、本展も大いに期待できると思います。

注2 足利市立美術館・彫刻とデッサン展のURL=http://www.watv.ne.jp/~ashi-bi/

注3 【きよみのつぶやき】第16回のURL =https://artexhibition.jp/topics/features/20190604-AEJ83154/

◆シャルル=フランソワ・ドービニー展  三重県立美術館 2019.9.10~11.4  

これは、協力会・2018秋のツアーのトークで名古屋市美術館の保崎学芸係長(以下「保崎さん」)が「お勧めの展覧会」として紹介していたものです。保崎さんが紹介したのは山梨県立美術館で開催中の展覧会でしたが、本年9月に三重県立美術館へ巡回してきます。  

巡回先のひとつ・東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館(本展は6月30日終了)のホームページ(注4)によればドービニーの作品約60点の外、コロー、クールベなどドービニー周辺の画家たちの作品約20点も出品されるとのことです。ホームページには作品リストの外、約6分の動画もアップされていますので、一見の価値があります。  

なお、【きよみのつぶやき】第6回(注5)は「ゴッホが敬愛した画家」と副題をつけて本展を紹介しています。山梨県立美術館での展示風景画像もありますよ。

注4 ホームページのURL=https://www.sjnk-museum.org/program/current/5750.html

注5 【きよみのつぶやき】第6回のURL https://artexhibition.jp/topics/features/20181203-AEJ51978/

Ron.

六本木アートナイト2019(その3)

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:members

 5月26日、早朝。前日からのアートツアーの疲労もあり、夜通し開館していた森美術館で「六本木クロッシング2019展:つないでみる」を見ながら、空が白むのを見ていた。

館内には、他にも大勢の観客がおり、窓辺で静かに景色を眺める人、テンション高めでじゃれている人、スマホで誰かと話している人など様々だった。

 午前5時30分過ぎ、アリーナに降りた。今回のアートナイトで一番驚いた「ラジオ体操」が始まろうとしていた。

六本木アートナイト アリーナ

 これから始まるのは「クラシックなラジオ体操」(日本フィルハーモニー交響楽団xインビジブル)。そう、夏休みの朝に公園とかで見かける、あれ。ただし、日本フィルの生演奏付き。中央では正装の演奏者らが準備中。参加者の皆さんは音楽が始まるのを待ち構えている。

ちなみに、真夜中には同じ場所で「六本木夜舞場 (真夜中の盆踊り)」で盛り上がっていたらしい。残念ながら、こちらは見学できず。

六本木アートナイト ラジオ体操

 午前5時50分頃。ここ数年、六本木アートナイトの恒例行事らしく、元気で楽しそうなラジオ体操が始まった。ご近所の方たちと思われる、親子連れもちらほら見かけた。聞いていた話が目の前で再現されるのだが、残念なことに疲労感が強く、ただ見ているだけで精いっぱいだった。

 ラジオ体操のあと、近くにいた観客と、残りのプログラムや、国内各地の芸術祭のことについて、簡単な意見交換ができた。

「あいちトリエンナーレ」にも行きたい、という意見もあった。ともあれ、六本木アートナイトは想像以上にハードなアート体験だった。

杉山 博之

六本木アートナイト2019(その2)

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:members

 六本木アートナイトでは、より多くの来場者にアート散策を楽しんでもらうため、様々なプログラムを用意している。

例えば、バリアフリーツアー(車椅子・ベビーカー等の利用者向け)、外国語ガイドレクチャー(英語、中国語、韓国語に対応)など。

今回は「六本木アートナイトをもっと楽しむガイドツアー」に参加することにした。

六本木アートナイト 西公園の様子

 集合場所の西公園にも作品が設置されている。昼間は太陽光が強く、発光する作品とは思わなかったが、ずいぶん見やすくなっていた。

最終のツアーは午後11時に出発。所要時間は約1時間なので、解散するのは午前零時過ぎ。先日、エルメスで鑑賞した「ピアニスト」みたいだ。

六本木アートナイト  ノースタワー前

 カラフルなライトボックスの表面は黒い塗料で覆われており、観客が長い串のようなもので塗料をこすり落とすと、だんだん明るくなってゆく。観客参加型の作品で、とても賑わっていた。

六本木アートナイト 路地裏にて

 周辺の民家の就寝を妨げないよう、静かに進むツアーの途中、ふと振り返ると、窓に照明のともった六本木ヒルズ。皆さん、まだ仕事中? 

美術作品ではないけれど、とてもシュールな光景にツアー参加者から軽いどよめきが上がった。

 ここ数年、毎年来ているという参加者もいて、夜のプログラムの充実ぶりに拍手。延長営業する飲食店(手ごろな価格の居酒屋など)もあり、休憩場所にも困らない。

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杉山 博之

六本木アートナイト2019(その1)

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:editor

 六本木アートナイト2019に行ってきた。 池袋モンパルナス回遊美術館を見た後、メトロで六本木へ向かう途中、地震があったらしい。幸い大きな被害はなく、ダイヤの遅延などもなさそうだった。

案内図

パフォーマンスは夕方からのものが多いので、周辺の美術作品から見ていくことにした。今回のメインプログラム・アーティストはチェ・ジョンファ。六本木ヒルズの居住棟にも常設作品があるそうだ。十和田市現代美術館のフラワー・ホースが有名だ。

チェ・ジョンファ 《ライフ・ライフ》

無数のカラフルで細長いゴム風船を取り付けた大きなかごのような作品。 時々、「パーン」と風船のはじける音がする。周辺のカフェでは、屋外に出したテーブルを囲んで、歓談しているお客さんが多い。映画のロケの一コマみたいだった。

チェ・ジョンファ 《みんなで集めよう》

カラフルで大小様々なプラスチック容器を、塔のように縦に積み上げた作品。 とても軽やかに見え、新国立美術館の重量感のあるガラス曲面との対比が面白かった。この作品は触ってもいいそうで、子供たちが思い思いに遊んでいた。

ラピロス前

周辺には所々、このような提灯が飾り付けられ、お祭りの雰囲気を醸し出していた。特製うちわや特製タオルのようなものを持った人もいて、野球ファンかサッカーファンの集まりのように、独特の熱気がうかがえた。

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杉山 博之