豊田市美術館のリニューアルオープン

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豊田市美術館のホームページ(以下「HP」)を開いたら、6月1日(土)にリニューアルオープンするとのことでした。あと2カ月足らずで再開。待ち遠しいですね。

◆リニューアルオープン記念は、全館コレクション展「世界を開くのは誰だ?」 HPによれば、リニューアルオープン記念の「世界を開くのは誰だ?」は、会期が6月1日(土)から6月30日(日)で、内容は “本展は「世界を開く」をキーワードに、この大きな課題に挑む表現の数々を4つのテーマに分けて紹介します。美術館活動の源であるコレクションの中から、選りすぐりの名品をはじめ、新収蔵品もあわせた約100点を全館にて展示します。”と書かれていました。“約100点を全館にて展示”なので、愛知県美術館で開催中の「アイチアートクロニクル1919-2019」とほぼ同じ規模の「全館コレクション展」ということですね。

◆2年間で見た「全館コレクション展」は、いずれも「ハズレなし」 最近の2年間で4つの「全館コレクション展」を見ました。会期の古いものから順に、三重県立美術館「[開館35周年記念]ベスト・オブ・コレクション-美術館の名品」(会期:2017.4.22~6.18、観覧料:一般700円)、「名古屋市美術館開館30周年記念 ベスト セレクション」(会期:2018.10.6~11.25、観覧料:一般700円)、名古屋市博物館「国芳から芳年へ」(会期:2019.2.23~4.7、観覧料:一般1,300円)、愛知県美術館「アイチアートクロニクル1919-2019」(会期:2019.4.2~6.23、観覧料:一般500円)です。 以上4つの展覧会は、いずれも見ごたえのあるものでした。考えてみれば、数多くの収蔵品から、その作品についてよく知っている学芸員が選び抜いた作品を、様々な工夫を凝らして展示した展覧会なのですから「ハズレなし」は当たり前のことです。観覧料もリーズナブルでした。ただ、「国芳から芳年へ」は全国巡回する(広島県立美術館、福岡市美術館の外、2020年度も巡回の予定)こともあって「特別展の料金」でしたが、1,300円の価値は十分にありました。

HPを見る限りでは「世界を開くのは誰だ?」の詳細な内容はわかりませんが、他の美術館・博物館と同じように「ハズレなし」だと期待しています。なお、豊田市美術館では今後「クリムト展」や「あいちトリエンナーレ2019」などが開催されるので、年間パスポート券(3,000円)を購入するのが「お値打ち」な鑑賞法だと思いますよ。

◆最後に  4月9日(火)に、名古屋市美術館で「世界に誇る吉野石膏コレクション 印象派からその先へ-」(以下「本展」)が開幕しました。考えてみると、本展は名古屋市博物館「国芳から芳年へ」の「吉野石膏コレクション版」のようなものですね。本年2月23日にNHK・Eテレで放送された日曜美術館「日本で出会える! 印象派の傑作たち」では、大宮エリーが訪れた山形美術館で、本展のチラシ・ポスターに使われているルノワール《シュザンヌ・アダン嬢の肖像》のほか、「全国の美術館からの貸出し依頼№1」のモネ《サン=ジェルマンの森の中で》などが紹介されていたので、「どうかな?」と期待半分で出かけたところ。本展も「ハズレなしの展覧会」でした。おすすめです。見逃せませんよ。          Ron.

2019年協力会イベント情報

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現在、募集中のイベントは下記のとおり。

平成31年4月14日(日)17時~
・名古屋市美術館:『吉野石膏コレクション‐印象派からその先へ』展ギャラリートーク (終了しました)

会員の皆様は、ファックスか、お電話でお申込ください。
なお、ホームページからもお申込可能です。
(右側の”Gトーク”申込ボタンから)

展覧会見てある記 「印象派からその先へ」

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名古屋市美術館(以下「市美」)で「印象派からその先へ ― 世界に誇る吉野石膏コレクション」(以下「本展」)が開幕しました。展覧会のチラシには、こんなことが書いてあります。

(略)石膏建材メーカーとして知られる吉野石膏株式会社は、1970年代から本格的に絵画の収集を開始し、2008年には吉野石膏美術振興財団を設立。(略)そうして形成された西洋近代美術のコレクションは、質量ともに日本における歴代のコレクションに勝るとも劣らぬ内容を誇っています。現在、その多くは創業の地、山形県の山形美術館に寄託され、市民に親しまれています。本展ではバルビゾン派から印象派を経て、その先のフォーヴィスムやキュビズム、さらにエコール・ド・パリまで、大きく揺れ動く近代美術の歴史を72点の作品によってご紹介します。とりわけピサロ、モネ、シャガールの三人は、各作家の様式の変遷を把握できるほどに充実しており、見応え十分です。(略)中部地方では初めて。知られざる珠玉の名品を、どうぞこの機会にご堪能ください。

 「でも、大したことないんじゃないの」と、少し馬鹿にして市美に出かけたのですが、結果は良い方に大ハズレ。「へへー、おみそれいたしました」と、なりました。本展を舐めていたことを大いに反省しています。「見応え十分」というだけでなく、コレクターの感性によるのでしょうか、「見ていて気持ちが良い」のです。 「印象派」だけでなく、「その先」の展示も充実しています。また、わかりやすくて簡潔な「子供向け解説」は大人でも十分、読み応えがあります。本展は、見逃せません。

◆1章:印象派、誕生 ~革新へと向かう絵画~ ◎エントランスホールでモネ《睡蓮》と《サン=ジェルマンの森の中で》が出迎え  市美1階の橋を渡って企画展示室のエントランスホールに入ると、正面の壁に拡大されたモネ《睡蓮》と《サン=ジェルマンの森の中で》が並んでいます。「ピサロ、モネ、シャガールの三人」のうち、先ず、モネが出迎えてくれました。展示は、バルビゾン派からクールベ、マネ、ブーダンと続き、印象派はシスレーから始まります。作品は年代順に並んでいますが、《モレのポプラ並木》の前で思わず足が止まってしまいました。  続くのはモネ。なかでも《サン=ジェルマンの森の中で》は不思議な作品です。見ていると、絵の中に引き込まれそうになります。映画「となりのトトロ」に出てきた“秘密の抜け穴”を思い出しました。《睡蓮》と《テムズ河のチャリング・クロス橋》は、「モネ それからの100年」以来1年ぶりの再会。去年の展覧会を思い出します。

◎特等席はルノワール、ドガ、ゴッホ  1章では、ルノワール《シュザンヌ・アダン嬢の肖像》とドガ《踊り子たち(ピンクと緑)》が水色の壁、ゴッホ《静物、白い花瓶のバラ》が茶色の板の特等席に展示されていました。ルノワールとドガが特等席なのは納得できますが、ゴッホの静物画が特等席なのは何故でしょうか?重要な作品だとは思うのですが……。

◎パステル画を堪能 コレクターの好みなのか、本展ではパステル画が目立ちました。水色の特等席の2作品だけでなく、メアリー・カサット《マリー=ルイーズ・デュラン=リュエルの肖像》、ピカソ《フォンテーヌブローの風景》がパステル画です。鮮やかな中間色のふわっとした感じがいいですね。癒されます。

◆2章:フォーブから抽象へ ~モダン・アートの諸相~  2章で強烈な印象を受けたのはヴラマンク。《セーヌ河の岸辺》は「どこがセーヌ河?」という感じの赤と緑のコントラストが目に飛び込んでくる作品。しばらく眺めていて「左上の白っぽいところがセーヌ河?」とわかりました。でも、このめちゃくちゃな色使いは癖になりますね。静物画が2点並んで、最後の《村はずれの橋》は正に「万緑叢中紅一点」。ワンポイントの赤が効いています。 マティス《緑と白のストライプのブラウスを着た読書する若い女》はストライプが印象的な作品。「子ども向け解説」を読みながら鑑賞することをお勧めします。

◎2章は、アンリ・ルソーから2階に展示 2階は抽象画が中心。カンディンスキーの作品は「音楽」を感じさせます。また、ルソー《工場のある風景》も、ここで見ると抽象画のような感じがします。

◆3章:エコール・ド・パリ ~前衛と伝統のはざまで~ ◎ユトリロとマリー・ローランサン 3章はユトリロとローランサンから始まります。ヴラマンクと違って、ドキドキせず、安心してみることのできる作品が並びます。この中では、群像を描いたローランサン《五人の奏者》がいいですね。

◎これは「小さなシャガール展」です  本展の最後を飾るのは、吹き抜けの上の広い空間に展示されたシャガールの作品です。数えると、シャガールだけで10点。そのうち3点に「子ども向け解説」が付いていました。シャガールは学芸員さんの「お気に入りの作家」なのでしょうか?それとも、「子どもを引き付ける作家」なのでしょうか?いずれにせよ、吹き抜けの手すり近くから、L字型の壁に並ぶシャガールを眺めるのは壮観です。

◆最後に  名古屋市美術館協力会では4月14日(日)午後5時から、会員向けに「印象派からその先へ ― 世界に誇る吉野石膏コレクション」のギャラリートークを開催します。詳しくは、名古屋市美術館協力会のホームページをご覧くださいね。                             Ron.

「人騒がせな名画たち」

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 かなり評判になっている本なのでもう読まれたひとも多いだろう。筆者は西洋美術史家「木村泰司(きむら たいじ)」氏。「目からウロコ」と表題の前に小さくある。画家は変人が多いから、それほど目からウロコはなかったが、それでも聞いたこともない話はいろいろあり、興味深く読んだ。なかでも、昨年市美であった「ビュールレ・コレクション」展に出ていたルノワールの「イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢」のイレーヌ(1872-1963)の話には感動した。深谷副館長の講演では、「イレーヌの両親はこの肖像画が気に入らなかった。イレーヌはユダヤ系銀行家で貴族のダンベール家に生まれ、同じような出自のユダヤ人と結婚した。しかし、離婚してユダヤ教からカトリックに改宗してイタリア人と再婚した。1963年にイレーヌが死んだとき、その死は新聞で大きく報道された」ということだった。時間もなかったのかも知れないが、それ以上詳しいイレーヌの人生についての言及はなかったと思う。しかし、いくら有名な絵でも、なんで絵のモデルが死んだくらいでそんなに話題になったのか、何かモヤモヤしたものが残っていた。それがこの本を読んで腑に落ち、すっきりとした。イレーヌはフランスでは有名な、悲劇のヒロインだったのだ。美しい金持ちの女性の幸せな人生は面白くもないし、決して共感は呼ばない。章題は「小説より奇なモデルの少女の壮絶人生!」。

イレーヌの結婚相手は、ダンヴェール家と同じようなユダヤ系の名家、貴族で銀行家で大金持ち、12歳年上カモンド家のモイーズ・ド・カモンドだった。その当時1890年頃としては、あたり前で良い縁組みだっただろう。イレーヌは一男一女を産み名家に嫁いだ義務を果たした。しかし、一家の厩舎長であった、イタリア人のサンピエリ伯爵と恋に落ちてしまう。夫婦は別居しイレーヌは恋人と生活を始めた。世間体が悪いことから離婚できず、離婚成立までに6年の歳月を要した。イレーヌが晴れて再婚したのは1903年、ふたりの子供はモイーズが育てた。第一次世界大戦が始まると、長男ニッシムはパイロットとして従軍、戦死してしまう。第二次世界大戦では、長女ベアトリスがユダヤ人の夫とふたりの子供と共に、アウシュビッツで虐殺され、イレーヌの肖像絵はナチスに奪われてしまう。イレーヌはカトリックに改宗していて助かった。ベアトリスが相続していたカモンド家の遺産は、全てイレーヌのものとなった。イレーヌは莫大な財産を使いながら、91歳で亡くなるまでの余生を南フランスで過ごした。終戦後手元に戻ったルノワール作の肖像画、イレーヌは過去を思い出したくなかったのか、すぐに手放していた。

このような波瀾万丈の人生を送り、死んだ頃はルノワールのこの肖像画も有名になっていて、彼女の死は大々的に報じる価値があった。「ニッシム・ド・カモンド美術館」がパリ8区モンソー通りにある。1910年頃モイーズ・ド・カモンドが建てて住んでいた邸宅。戦死した息子の名をつけた美術館として、モイーズが蒐集した美術品を展示している。エトワール凱旋門の東北東1 km強のモンソー通り沿い、モンソー公園隣。

佐久閒洋一

会場にて「inferno」 解説してくださった特別主任学芸員の北川智昭さん、ありがとうございます 2018ArtLabTokyoここにもアートラボ 石切り場 前室にて 音のアーキテクチャ トンネルでピクニック 佐川美術館 ギャラリートークの様子 展示会場で話をきく会員たち 泉屋博古館にて まずは講堂でレクチャを聴く会員たち 会長の乾杯の音頭に合わせて、いただきます! 「回生の苗床」 光内惟奈 燃やせないもの