「新しいおもいでの作り方」

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:members

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豊田市美術館のリニューアル・オープン記念イベントの 大崎のぶゆき 「新しいおもいでの作り方」に参加しました。10/17(土)13:00~17:00の楽しい午後でした。

大崎のぶゆき先生は名古屋市美術館の「ポジション2012名古屋発現代美術」の出展作家のお一人です。今回のリニューアルでワークショップルームも広く明るくなったそうです。パワーポイントで先生の作品の解説等を聞いて実際の制作が始まりました。今回の持ち物は「好きなもの」「気に入ったもの」「思い出のもの」のコピーや写真でした。はがきくらいの紙に下書きを書いて、その上に水性のシートを置いて、水性のサインペンで絵を描きます。描いた絵を水に浮かべて溶けていくのを撮影するインスタレーションと画用紙に写しとる2種類の「溶ける絵」の制作体験でした。
編集された映像は豊田市美術館で12/6迄公開予定です。画用紙の作品はお土産になりました。記憶に残るものを新しいおもいでにすることが出来た幸せなワークショップでした。
松本裕子

ソフィ・カル展+バックヤードツアー(豊田市美術館)

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:editor

来月、名古屋市美術館協力会でもミニツアーで訪問予定の豊田市美のソフィ・カル展を見てきました。豊田市美は10月10日にリニューアルオープンし、12月6日までの毎週末、いろいろな催しがあります。今回は展覧会以外に、催し案内で見つけたバックヤードツアー参加が目的でした。

展覧会は、第一部「盲目の人々」、第二部「最後に見たもの」、第三部「海を見る」で構成されています。リニューアルでガラスが張り替えられたためか、以前より明るくなった展示室で静かに作品と向き合います。今回は、ソフィ・カルの作品の他、杉本博の作品も1点、展示されています。
理由は「・・・・・・」。
ミニツアーの時に聞いてみてください。

さて、2階の展示室でビデオ作品を鑑賞したところで、ギャラリーツアーは終了です。
いよいよバックヤードへ。
扉の向こう側はもちろん撮影禁止なので、大まかな印象だけ報告します。まず、大きな扉と電気設備。天井のクレーン、大きなエレベーターと、木枠に入れられた大きな作品。大量のカセットテープのケース(インドネシア製)と、大量の印刷物。
どれもきちんと整理整頓。
最後の部屋で白い塗料が飛び散った高所作業車を見て、ロビーで解散でした。

今回、予想外で面白かったのが、美術館前庭のマルシェ(10月10日~10月12日)でした。
ガラスや木、竹の小物やパン、ケーキ、コーヒー、ワイン、ウィスキーのお店が並んでいて、おいしそうなにおいが立ち込めていました。
次回のマルシェは、11月21日(土)に桜城址公園で開催されるそうです。
お天気になりますように。
杉山 博之

お庭でマルシェ1

お庭でマルシェ1


お庭でマルシェ2

お庭でマルシェ2

「リバプール国立美術館所蔵 英国の夢 ラファエル前派展」ギャラリートーク

カテゴリ:協力会ギャラリートーク 投稿者:editor


名古屋市美術館で開催中の「ラファエル前派展」(以下「本展」といいます。)のギャラリートークに参加しました。参加者は46名、解説は笠木日南子学芸員でした。
Ⅰ ヴィクトリア朝のロマン主義者たち
最初に出合うのはミレイ《いにしえの夢―浅瀬を渡るイサンプラス卿》。この絵は、緻密に描く所と荒い描写を使い分けることで主題を際立たせているとの解説でした。確かに遠景はout of focus いわゆる「ボケ」が効いており、前景の人物が鮮やかに浮かび上がっています。葡萄の彫刻で装飾された金色の額縁が豪華で、リバプールの産業資本家の財力を見せつけています。
同じくミレイ《ブラック・ブランズウィッカーズの兵士》は、精一杯のおしゃれをしていることを示すため、わざわざ「おろしたて」のしるしである折り皺をドレスに描いているとの解説で、戦場に出発する前の、短い時を惜しむように寄り添う男女の姿は映画の1シーンのようです。
ロッセティ《シビラ・パルミフェラ》は、理想的な女性を象徴的に描いたとのこと。華奢ではなく、骨太な感じのする女性なので、中村獅童の女形を連想してしまいます。
Ⅳ 19世紀後半の象徴主義者たち
Ⅰ章の次にⅣ章が続くという不思議な順序ですが、理由はバー=ジョーンズの《スポンサ・デ・リバノ(レバノンの花嫁)》が大きすぎて、2階に運べなかったから。展示室の天井まで届く絵で、かなり後ろに下がらないと全体が見えません。花嫁の背景には擬人化した北風と南風が描かれていますが、ボッティチェリの名画《ヴィーナスの誕生》に着想を得たものとか。
ウォーターハウス《エコーとナルキッソス》は図録の解説に誤りがあり、画面右の水仙がナルキッソスの死の象徴であり、エコーが握るツタと黄色いアイリスが彼女の象徴との解説でした。
解説は無かったのですが、フォーテスク=ブリックデール《小さな召使(少女エレン)》の男装した少女の姿に惹かれました。
Ⅱ 古代世界を描いた画家たち
この章には女性のヌードがいくつもあります。解説では、ヴィクトリア朝の英国では古代ギリシア、古代ローマ帝国の女性ヌードを描くことが流行したとのこと。現代の女性のヌードは卑猥ですが、古代世界のヌードは「芸術である」と言い訳できたようです。なかでも、古代ローマの微温浴室に入浴する女性を描いた、タマデ《テピダリウム》は、男性の視線を十分に意識した作品です。タマデはこのような作品を描くことで成功した画家、との解説がありました。解説はありませんでしたが、アパリー《プロクリスの死》も横たわった女性が官能的です。
一方、ムーア《夏の夜》に描かれたのは古代ギリシア彫刻のような女性で、タマデと違い官能性は無く、絵には日本的なモチーフも描かれているとのこと。淡い色彩で、黄色が印象的です。海の夜景に懐かしさを感じてしまうのは、何故でしょうか。
Ⅲ  戸外の情景
最後の作品がハント《イタリアの子ども(藁を編むトスカーナの少女》で、「もう帰ってしまうのですか。もう少し見て行って。」と話しかけているようです。ハントには良心の目覚めなど宗教的主題のものが多く、この絵は「ハントらしくない主題」とのこと。
最後に
「自然に忠実に」をモットーにしたと言われるとおり人物も風景も写実的な描写で、素直に絵の世界に入っていけます。チラシのとおり「豊かな物語性を孕み、想像力を喚起」される作品ばかり。笠木さんによれば、ほとんどが日本初公開ではないかとのこと。会期は12月13日まで。
Ron.

解説してくださった笠木日南子学芸員

解説してくださった笠木日南子学芸員

東京アート見てある記

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:editor

10月12日、連休の最終日に東京に行き用事の前に時間があったので上野に向かいました。駅の中の美術館のチケット売り場が長蛇の列でしたので嫌な予感がしました。東京都美術館に開館5分前に到着しましたが、既に入場迄40分の案内が出ていました。モネ展が混雑しているのは知っていましたがこれ程とは思いませんでした。「印象 日の出」が10月18日迄の出展だからと推測しました。私はそれ程時間がないのでモネ展は諦めて国立西洋美術館に寄りました。

特別展のない時でしたので常設展を見て回りました。入場料は430円です。ご存知の方も多いと思いますが、2015年3月から新規常設展示としてヨハネス・フェルメールに帰属「聖プラクセディス」が寄託作品として展示されているのが見たかったからです。国立西洋美術館の珠玉のオールドマスターの作品の中に展示してありました。フェルメールかどうかは決着がついていないようですが、作品は本当に素晴らしいものでした。他に今名古屋市美術館の展覧会の出展作家のロセッティの作品もありました。モネの部屋もあり、睡蓮を含め12点の作品を見ることが出来ました。特別展も良いのですが、東京では混雑がひどくてゆっくり鑑賞出来ない時があります。常設展で静寂の中素晴らしい絵画と向き合うのも楽しいと実感した東京旅行でした。

会員 松本さま