新美の巨人たち「岡本太郎がTAROになるまで」(テレビ愛知2022.12.10)

カテゴリ:Ron.,アート見てある記 投稿者:editor

テレビ愛知「新美の巨人たち」(2022.12.10 PM10:00~10:30放送) は、モデルの堀田茜さんがArt Traveler、西田ひかりさんの語り、テーマは「岡本太郎がTAROになるまで」。東京都美術館(以下「都美」)で開催中の「展覧会 岡本太郎」を紹介するものでした。以下は、番組のあらましです。

◆展覧会の映像

堀田茜さんが都美の展示室を進むと、頭上には《光る彫刻》(1967)。顔と腕だけの彫刻《若い夢》(1974)や陶器の《犬の植木鉢》(1955)、旧東京都庁舎壁画原画(1956)、井の頭線・渋谷駅の壁画《明日の神話》とその原画(1968)、パリ時代に岡本太郎が描いたと考えられる今年発見された3点の抽象画も登場します。

◆第一の出会い(ピカソの抽象画)

次に登場したのは、21歳の岡本太郎が運命的な出会いをした、パブロ・ピカソの抽象画《水差しと果物鉢》。線と形を抽象化したピカソとは違い、有機的な、人間に近い形を描こうとした岡本太郎。番組では、赤いリボンと握りしめた腕を描いた《傷ましき腕》(1936/49)についての解説もありました。

◆第二の出会い(未開社会の文化)

27歳の岡本太郎は、パリ大学でマルセル・モースの講義に強く惹かれ、アフリカの彫刻など未開社会の文化に目を開かれた、との解説がありました。

その後、ドイツがフランスに侵攻したことにより、岡本太郎は帰国。徴兵され、中国戦線で終戦を迎えて復員。戦後の作品として《夜》(1947)、《重工業》(1949)、《森の掟》(1950)が紹介されます。

◆第三の出会い(縄文土器)

40歳の岡本太郎は、東京国立博物館の「日本古代文化展」で縄文土器の過剰さに衝撃を受け、土器や土偶を多数、カメラに収めたとの説明がありました。

◆タロタロユッケ(馬肉のタルタルステーキ)

新聞の番組欄には「縄文土器&馬肉の秘話」と書かれていたので何のことかと思ったら、東京・台東区日本橋の桜鍋の名店「桜なべ 中江」が紹介され、岡本太郎が特注した料理・タロタロユッケ(牛肉を刻んだ卵を載せたもの)が出てきました。堀田茜さんは、タロタロユッケを食べて「おいしい!」と感激。岡本太郎はこの頃、縄文土器に日本人の原点を見出し、東北や沖縄など日本各地を旅し、土着の暮らしや人々を撮影。カメラの手ほどきは、パリ時代に友人だったマン・レイやロバート・キャパから受けた、とのことでした。

◆番組のラストは《雷人》

番組もラストに近づき、数寄屋橋公園の彫刻《若い時計台》(1966)、万博記念公園の《太陽の塔》(1970)が映され、遺作で未完の《雷人》(1995)の紹介で番組は終了。

◆写真家・岡本太郎

東京都美術館「展覧会 岡本太郎」の作品リストを見ると、岡本太郎が撮影した写真を「スライドショー」という形で、多数展示しているようです。

「どんな機材を使っているのか?」気になって番組終了後に検索したら、愛用したカメラとして、レンジファインダーのNIKON S2、一眼レフのペンタックスSP、Miranda 、ハーフサイズ一眼レフOLYMPUS Pen FT、コンパクトカメラの OLYMPUS XA2など様々なカメラが紹介されていました。

また、2018年に川崎市岡本太郎美術館で開催された「岡本太郎の写真-採集と思考のはざまに」について、「あらためて、岡本太郎はいい写真家だと思う」と書いた、飯沢耕太郎の展覧会評も発見しました。

◆最後に

協力会でも2023年に愛知県美術館で開催される「展覧会 岡本太郎」のミニツアーを予定しているようです。今から待ち遠しいですね。

Ron.

コメントはまだありません

No comments yet.

RSS feed for comments on this post.

Sorry, the comment form is closed at this time.