堺 アルフォンス・ミュシャ館の思い出など

カテゴリ:Ron.,アート見てある記 投稿者:editor

◆堺 アルフォンス・ミュシャ館の思い出

私がアルフォンス・ミュシャ(以下「ミュシャ」)の作品を最初に美術館で鑑賞したのは、平成27年(2015)に開催された協力会・秋のツアー(10.31~11.1)で訪れた「堺 アルフォンス・ミュシャ館(堺市立文化館)」の企画展「ミュシャと世紀末の幻想」でした。なお、堺市立文化館は、高層住宅の2階から4階までを使った施設で、「カメラのドイ」の創業者、土井君雄氏から寄贈を受けたコレクションを展示する「堺 アルフォンス・ミュシャ館」(以下「ミュシャ館」)とギャラリーとの複合施設です。

ミュシャ館は秋のツアー最後の見学先でした。当日は大山古墳(伝仁徳天皇陵)の見学に時間が掛かったうえ、ツアー参加者の「お土産を買いたい」というリクエストに応えて予定外の堺伝統産業館に立ち寄ったため、到着時刻は予定を45分オーバーした14時25分でした。ミュシャ館を1時間ほど見学した後、15時20分に名古屋へ向けて出発しています。それまでの見学で体が疲れ切っており、「施設がコンパクトで体が楽」「きれいな作品が多く、アール・ヌーヴォーデザインの家具に座ることもできたので、心も体も癒された」という印象が強く、申し訳ないのですが、油彩画の《ハーモニー》(1908)以外の記憶は残っていません。

記憶を呼び覚まそうとミュシャ館のホームページを検索したら、館内風景の画像に女優サラ・ベルナール主演の《ジスモンダ》や《メディア》《ハムレット》のポスターのほか《モナコ・モンテカルロ》も写っています。また、ミュージアムショップでは「当店で人気の高い作品を用いた」として《黄道十二宮》と《夢想》のA4サイズ・クリアファイルを紹介しています。Bunkamuraザ・ミュージアム「ミュシャ展」のホームページに《夢想》の画像はありませんでしたが、夢見るような眼差しの《夢想》が「当店で人気の高い作品」ということは、十分に納得できます。なお、ミュシャ館ホームページのURLは、下記のとおりです。

https://mucha.sakai-bunshin.com/

◆堺 アルフォンス・ミュシャ館(堺市立文化館)協力の「ミュシャのすべて」(角川新書)

ミュシャ館のホームページを検索していたら、Amazonが推薦図書を知らせてきました。それが「ミュシャのすべて (角川新書)」(協力: 堺 アルフォンス・ミュシャ館(堺市立文化館)、出版社: KADOKAWA、発売:2016.12.10)です。内容は、2017年に国立新美術館で開催され66万人近い入場者があった「ミュシャ展」(会期:2017.3.8~6.5)の構成に沿ったもので、「ミュシャのすべて」というタイトルは「アール・ヌーヴォーの寵児」としてのミュシャだけでなく、長い間忘れられていた「壮大な歴史画の連作《スラヴ叙事詩》の作者」としてのミュシャにも光を当てていることによります。

◆複数の「ミュシャ展」が全国を巡回中 もしかして、ミュシャブーム?

現在、Bunkamuraザ・ミュージアムで開催中の「みんなのミュシャ ミュシャからマンガへ―線の魔術」(以下「みんなのミュシャ」)を始め、下記のとおり複数の「ミュシャ展」が全国を巡回しています。

◎「ミュシャ展~運命の女たち~」:http://event.hokkaido-np.co.jp/mucha/

美術館「えき」KYOTO(2017.10.14~11.26)から巡回が始まり、そごう美術館(横浜)(2019.11.23~12.25)が11館目となります。なお、URLは北海道展公式ホームページのものです。

◎「ミュシャと日本、日本とオルリク」:http://www.ccma-net.jp/exhibition_end/2019/0907_1/0907_1.html

 千葉市美術館(2019.9.7~10.20)から和歌山県立近代美術館、岡山県立美術館、静岡市美術館に巡回。

◎「サラ・ベルナールの世界展」:https://www.sunm.co.jp/sarah/

 1館目は群馬県立近代美術館で、横須賀美術館(2019.9.14~11.4)が5館目。渋谷区立松濤美術館に巡回。

 以上のほか、「アール・ヌーヴォーの華 ミュシャ展」はハウステンボス美術館(2019.2.9~6.29)で、「夢のアール・ヌーヴォー アルフォンス・ミュシャ展」は高岡市美術館(2019.7.13~9.1)で巡回が終了しています。

◆山田五郎氏が語るミュシャ様式

多数の「ミュシャ展」のなかで、私は「みんなのミュシャ」に惹かれます、それは「日本のマンガへと続くミュシャ様式」をテーマとした展覧会だからです。なお、「ミュシャ様式」については、カドカワエンタメムック「みんなのミュシャ」の中で山田五郎氏が分かりやすく解説していますので、以下に引用させていただきました。

ミュシャは後にミュシャ様式と呼ばれる独自の画風も、数多く開拓しています。勝手に名付けさせていただくと、日本美術に影響されたと思われる「縦長構図」にはじまり、円形の装飾背景を人物にかかるように配した「Q字構図」や、マンガのコマのような「分割画面」、複雑に絡み合う髪を太い輪郭線で囲って平面的な装飾効果を生む「髪唐草」などなど。正統派の画力を活かした「ミュシャ美人」も、もちろんミュシャ様式の大きな要素のひとつです。(引用終わり)                                  Ron.

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