「Inferno」藤原 葵
今年も近隣の卒展、修了展を見に行った。よく晴れた風の強い日だった。最寄りの駅からシャトルバスで10分ほどで会場に到着。総合案内で簡単な説明を受け、時計回りに展示を見始めた。
アート&デザインセンターで展示されていたのは、地色の赤と中央部のレモンイエローが印象的な巨大な作品(2.59m x 5.82m)。描かれているのは爆発シーン。見ていると音まで聞こえて来そうな迫力で、よく見ると、写真のように停止した一瞬ではなく、コマ送りの画面を重ね合わせたように前後左右に躍動感のある画面構成になっている。

会場にて「inferno」
爆発する芸術を見るのは初めてではないが、それにしても、中央部のレモンイエローの明るさと、前後に弾けるような緑色の帯の躍動感でめまいがしてきそうだ。その後、展示室にいた作家に話を聞いておもしろかったのは作品の移動に関するエピソード。作品サイズが大きいので、移動にはとても気を使うそうで、風のない晴れた日しか移動できないらしい。今日のように風が強いと、作品がヨットの帆布のようになり、室内から出た途端、運び手を柱や壁に打ち付けてしまうそうだ。
穏やかに晴れた風のない昼下がり、芸大の中庭の芝生の上で、この作品を運ぶ情景を想像すると、凶暴な爆発シーンとのミスマッチにユーモアを感じた。刺激的な展示だった。
名古屋芸術大学卒業・修了展
2019年3月3日まで
杉山 博之
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