本物の「北大路魯山人の器」が碧南に来る

カテゴリ:Ron.,アート見てある記 投稿者:editor

2019年1月8日(火)放送の「開運 なんでも鑑定団」を見ていたら、神奈川県大磯町で行われた出張鑑定に北大路魯山人の「蟹の絵皿」が3点出品され、180万円と鑑定されていました。鑑定人・中島誠之助氏の評は「魯山人最晩年、74歳頃の作品。(略)粘土の団子を丸くして上から押しつぶして、ヘラでぐるっと成り行きまかせに皿をえぐり出している。魯山人にとって皿の縁は茶碗の高台と同じように重要な役割をしているため、縁だけ見て魯山人だとわかる」というもので「友達に2枚あげたのは残念でしたね。5枚揃いで共箱(ともばこ)付きなら450万円でした」と続きました。
北大路魯山人といえばグルメ漫画「美味しんぼ」に登場する美食家・海原雄山のモデルというイメージが強いのですが、「開運 なんでも鑑定団」では陶磁器作家として紹介され、その作品が度々鑑定に出されています。
この北大路魯山人の器、テレビ画面で見るだけではなく、本物を見ることができる機会が近いうちに訪れるようです。「美術の窓」2019年1月号117ページに展覧会紹介記事が掲載されていました。内容は以下のとおりです。

没後60年 北大路魯山人 古典復興 ―現代陶芸をひらく―
 2018年4月27日(土)→ 6月9日(日) 碧南市藤井達吉現代美術館
文・藁科英也 千葉市美術館上席学芸員
北大路魯山人(1883~1959)は1915年、金沢に滞在していた際、山代の陶芸家である初代須田菁華(1862~1927)から作陶の手ほどきを受けた。これが魯山人とやきものの出会いとなった。
以後、魯山人は東京で美術骨董を扱う「大雅堂芸術店」を開いてからは自らのために作った料理が評判となり、1921年、店の2階に会員制の「美食倶楽部」を発足させた。当初は店の商品である古陶磁に盛り付けていたが、会員の増加にともなって器が足りなくなり自らうつわの制作に乗り出した。そして25年には中村竹四郎(1890~1960)を社長、魯山人を顧問兼料理長として明治時代から続いていた「星岡茶寮」の経営を受け継いでからは、作陶に拍車がかかった。それはやがて懐石料理の根本である茶とつながり、彼は桃山時代に生み出された茶陶の豊穣な世界と向き合った近代最初の個人作家となった。
本展覧会は魯山人の作品を中心に石黒宗麿(1893~1963)や荒川豊蔵(1894~1985)をはじめ、長次郎などの古陶磁から八木一夫(1918~79)の作品をあわせて展示し、昭和陶芸における古典復興の精華を紹介する。

「開運 なんでも鑑定団」に出品された魯山人の皿は鉄釉の織部焼でしたが、展覧会では魯山人の作品だけでなく、志野焼の荒川豊蔵の作品や八木一夫の前衛作品なども展示されるようです。楽しみですね。
Ron.