名古屋博物館で開催中の「北斎 だるせん!」(以下「本展」)に行ってきました。北斎が200年前に名古屋で描いた「大だるま」を中心にした展覧会で、「だるせん」は「だるま先生」の略。11月24日付け中日新聞1面「即興 北斎大だるま」という記事は、本展関連イベントの報道です。(11月25日にも続報)
なお、大だるまを描く様子は中日新聞HPの動画ニュースで見ることができます。
◆北斎漫画、大だるま、冨嶽三十六景
本展は、「Before 名古屋」「北斎、漫画を描く」「北斎、大だるまを描く」「名古屋の仲間たち」「After 名古屋」の五章で構成。みどころは1回目の名古屋訪問(1812)が契機になって出版された「北斎漫画」(第2章)と、2回目の名古屋訪問(1817)時の「大だるま」(第3章)、《冨嶽三十六景 尾州不二見原》(第5章)。
第2章では、「北斎漫画」第1編は名古屋滞在中に北斎(1760-1849)が描いた絵をもとに永楽屋東四郎(名古屋)と角丸屋甚助(江戸)によって出版されたこと、第15編は北斎没後の明治11年(1878)に名古屋の画家・織田杏斎が補筆して出版されたことなど、色々と勉強になりました。第3章では、「大だるま」や北斎が使った大筆が再現され、写真撮影もできます。第5章の《冨嶽三十六景》は、「青色」が印象的でした。また、《尾州不二見原》の解説に「桶がなかったら、何とも間抜けた絵」と書いてあり、北斎の画面構成力を再認識しました。
本展では「江戸時代から、名古屋の富士見原から冨士山が見えるかという論争があった」という説明もあります。論争の決着については展示室でご確認ください。
◆芸術新潮・日経新聞にも北斎の記事
芸術新潮(2017.11月号)の特集は「北斎漫画」を取り上げており、日経新聞(2017.11.18)の文化欄に「北斎の画業・影響 深まる国際研究」という記事がありました。特に、日経新聞の記事では、本展に展示されている北斎《おしをくりはとうつうせんのづ》、《冨嶽三十六景 駿州片倉茶園ノ不二》とスーラ《尖ったオック岬、グランカン》、セザンヌ《サント=ヴィクトワール山》との関係について触れ、「北斎没後160年余り。巨匠の画業への注目は、さらに世界各地へと広がろうとしている。」と、締め繰っています。
本展は、必見です。
◆スタンプ・ラリーも
本展は名古屋ボストン美術館で開催中の「鈴木春信展」との間でスタンプ・ラリーを実施しており、応募すると抽選で景品がもらえます。市バスで往復できるので、スタンプ・ラリーもお忘れなく。
Ron.
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