4回目のニューヨーク

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:editor

ニューヨーク市立図書館

ニューヨーク市立図書館


 3月末にニューヨークに行ってきました。今回はまだ訪れていない美術館に行く計画を立てました。グッゲンハイムソーホー別館、クーパーヒューイット博物館、ブルックリン美術館、ニューヨーク市立図書館、モーガンライブラリー、デイア・ビーコンに行こうと考えました。初日にグッゲンハイムソーホー別館を訪れるためにソーホーに行きましたが方々を探し回りましたが見つからず秋田犬をつれて散歩していた白人の女性に尋ねました。その婦人が親切にもスマホでかなり時間をさいて調べてくれたのだがわからず。それもそのはず2002年に閉館されていた。彼女には本当に申し訳ないことをした。ニューヨーク市立図書館は今回3回訪れたがここでは「Love in Venice」という16世紀から19世紀にわたる版画の展覧会と「VIEW POINT Latin America in Photographs」というラテンアメリカを題材にした写真展が開催されていました。いろいろな国の写真家が写した原風景の秀逸な写真ばかり。両方の展覧会とも無料。富豪たちの寄付という計らいでこのような企画、展示が開催できるのだろう。
 JPモルガンの収蔵品を集めたモルガンライブラリー、これは入場料が必要だがこれも無料になるときがありそれを狙って入場。これは絶対行くべき場所だと思う。とにかく逸品が多い。私が一番興味を持ったのはドッビュシー、ラヴェル、モーツアルト、ショパン、メンデルスゾーンの自筆の楽譜。マーク・トュエインの「トムソーヤー」の初版本、年代ものの陶器など。富豪たちの芸術的素養が感じられる場所だ。
 クーパーヒューイット博物館、こちらはカーネギーホールのあのカーネギーの邸宅だったところを博物館にしている。この日は3階が改修に入っており入場料は格安の5ドル。展示作品に関してはあまり自分にとってインパクトがなかった。
クーパーヒューイット博物館

クーパーヒューイット博物館


 ブルックリン美術館はニューヨーク市に組み込まれなかったならばメトロポリタン美術館よりも規模の大きな美術館になっていたはずのものである。この美術館古代エジプト作品の収蔵が多いので有名。とくにミイラなどを置いてあるスペースはエジプトの霊気を感じさせるほどの充実したコレクション。ニューヨークを訪れる美術ファンならば行かれることをお勧めしたい。中に吹き抜けのホールがありそこで若い男性のダンサー二人がコーチとともにクラシックバレイの練習をしていたが優雅な音楽で響きもよく流麗な踊りを見ているうちにこちらの方もとても良い気持ちになり平日の午後を豊かに過ごすことができた。この日はジョージア・オキーフ展が開催されていて多くの入場者でにぎわっていた。彼女の人気を改めて認識した。今回は彼女の絵画だけでなく日常のファッションに焦点をあてたもの。自分の思想を貫きとうした生き方に皆が共感しているに違いない。
ブルックリン美術館

ブルックリン美術館


ブルックリン美術館1階

ブルックリン美術館1階


ブルックリン美術館休憩所

ブルックリン美術館休憩所


エジプト美術

エジプト美術


 ちょっと前にニューメキシコ州サンタフェのオキーフ美術館で彼女の初期のデッサンを見たりしていたので彼女には前から興味を持っていたがこの展覧会でなお一層ファンとなった。服装が極めてシンプルでおしゃれ。無駄をそぎおとした生活にもあこがれる。こんな風に年齢を重ねていければと強く思った。
オキーフの展覧会ポスター

オキーフの展覧会ポスター


デイア・ビーコンはよく調べたら車で2時間ぐらいかかる郊外であった。時間もないのであきらめた。現代美術で興味をひくものがあったがアクセスもよくないみたいなので今回は中止。夜のオペラ鑑賞を考えたら無理という結論。
 なぜなら4日連続でのオペラ鑑賞があったから。《アイーダ》《フィデリオ》《椿姫》《エエフゲニー・オネーギン》。どのオペラも有名なオペラ歌手出演で大満足。ニューヨークは美術、オペラと芸術の宝庫だ。だからまた行きたくなる。
                              (谷口 信一)

天王洲のギャラリーめぐり

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:editor

 先日、名古屋市美で展覧会を観た帰り、あるギャラリーに寄り道した。その折、ギャラリーのスタッフから「最近、新しいギャラリーが天王洲にオープンしたよ。機会があれば、ぜひ観に行って!」と教えてもらった。

天王洲アートコンプレックス_開設おめでとう


 というわけで、天王洲のT倉庫(アートコンプレックス)に行ってきた。最寄りの天王洲アイルまでは、品川からバスで約10分だが、当日は夕方からの雨で道路が混雑し、かなり遅れて到着した。時折、雨のぱらつく中、薄暗くなった運河沿いの道を地図を頼りに目的の建物を探すのだが、それらしいものは見当たらない。近くにコンビニもなかったため、トラックやフォークリフトが並んだ駐車場にいたドライバーの方に聞いたところ、駐車場奥の建物が探している建物だった。(う~ん、まるっきり倉庫にしか見えない)
入口を探していると、「そっちのエレベーターで3階。」と声をかけられた。自分の他にも、ここに来て、おろおろするアートファンがいるのだろう。エレベーターはとても大きく、一人で乗るのが申し訳ないくらいだった。

 エレベーターを降り、時計回りに順に観ていくと、あるギャラリーでは美術館でも見かける有名作家の作品がズラーッと展示され、次のギャラリーでは新進作家のものと思われる写真とオブジェが並び、別のギャラリーでは開廊祝いの鉢植えが並ぶ奥に、椿を模した繊細な彫刻作品が多数、床にまかれたように並んでいた。本当に十人十色のアート模様。時折、エレベーターの稼働音や、リフト(?)の走行音が響くが、気になるほどでもない。

天王洲_床には一面の

天王洲_床には一面の


 名古屋で画廊、ギャラリーといえば、栄、伏見あたりに多数あるが、それぞれが離れているため、気になる作家の個展を3、4軒回ると半日かかる。今回の天王洲の倉庫みたいに複数のギャラリーをまとめて観て回れると、ずいぶん便利で、うらやましいと思った。

杉山 博之