「往来往来」を見て(清澄白河)

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:editor

 「MOTサテライト 2017春 往来往来 -by the deep rivers」を見てきた。
改修のため休館中の東京都現代美術館(以下、都現美)が、「清澄白河のまちのあちこちであれこれ展開します!」と銘打ち、美術館の地元、清澄白河を舞台に、まちなかで作品展示するという企画だった。例えるなら、あいちトリエンナーレの長者町、岡崎、豊橋の各会場のようなものだろうか。

MOTサテライト 目印はこれ!

MOTサテライト 目印はこれ!


 都現美の休館以来、清澄白河に来るのは久しぶり。展覧会チラシの裏側の地図を見ながら、初めて歩く路地でキョロキョロしていると、交差点の向こうにピンクが目立つ目印の垂れ幕が見えた。入ってみると、ちょうど地元の方と作家が公開トークをしているところだった。スタッフによれば、この建物は以前は印刷所だったそうで、確かに油のようなにおいがした。しばらくトークを聞いた後で、そこでもらった詳細地図を見ながら他の展示場所までの道順と所要時間を聞き、とりあえず遠い方から回ることにした。地図を見て感じたよりも、会場間の距離は近いようで、2時間ほどで一回りできた。

 おもしろかったのは、カフェの2階の展示室。2階に上がる階段の幅は狭く、入口のドアも割と小さめ。それなのに、展示室には縦2m、横3m超の大作が並んでいた。道路に面した窓も作品の幅より狭く、どうやって搬入したのか?。スタッフによれば「枠をバラして、室内で組み立てたわけではない」そうだ。
次におもしろかったのが、10面ほどのスクリーンにリアルタイムで清澄白河の商店街の映像を映していた作品。あるモニターには、中華料理店の厨房内で中華鍋を振るコックさんと大量のお皿が映し出されており、文具店の軒先と思われる映像には、自転車の親子連れや、乳母車のお年寄りがひっきりなしに行きかう様が映し出されていた。とてものどかな雰囲気。

MOTサテライト 迷ったらここへ戻る

MOTサテライト 迷ったらここへ戻る


 最後の展示場所で、スタッフと話していると、「MOTサテライトは今回がはじめての試みであること」、「多くのボランティアが参加していること」、「近隣に新しいギャラリーが増えていること」、「これからも企画を継続していくこと」などを教えてくれた。
 都現美のリニューアルも待ち遠しいが、今回のサテライト企画で、普段なら通り過ぎるだけの界隈をぶらぶら散歩できたのは、とても楽しい経験だった。

杉山 博之

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