春の旅行2016感想

カテゴリ:アートツアー 投稿者:editor

5月29日、春の旅行2016に参加しました。
今回は大阪。国立国際美術館、東洋陶磁美術館、アサヒビール大山崎山荘美術館を3館を日帰りでまわるという、美術館巡り好きの私には堪らない濃密なスケジュールです。

国立国際美術館は森村泰昌展。
過去の有名な画家になりきった写真作品で有名ですが、生でその作品を見るのは初めて。まず写真の大きさに驚きました。で、でかい!
メイクも美術もカメラも、どうやらプロが加わっているらしい。なるほど細部まで作り込まれてクオリティが高いわけだ。
作品ごとに写実っぽいものや、ザ・油絵ってものだったりで、雰囲気は違うのだけれど、わたしは共通して森村の瞳に目がいきました。
森村の顔には写真を絵っぽく見せるために肌に絵具?(ドーランかも)を塗っていますが、さすがに眼球には塗れない。つまり眼球は偽りのない森村自身のもので、その濡れた瞳がゴッホの神経質な性格や、フェルメールの愛人?の色っぽさをより感じさせる。
瞬きを一切しない女の動画作品や、アイラインを引いた目をクローズアップした小夜子シリーズから、目力を意識して制作しているのを感じました。また、カーロ本人になりきって演技していたり(大阪弁なのに笑った)と、わりと演技派なのもおもしろかった。
浮世絵シリーズで写楽!とか、合いそうだなーと勝手に思いました。

3館をめぐるハードスケジュールの合間にランチ

3館をめぐるハードスケジュールの合間にランチ


デザートも付きました

デザートも付きました


東洋陶磁美術館は宮川香山展。
初めて見ました。宮川香山の超絶技巧、ただただため息をこぼしながら眺めていました。素晴らしいですね。
陶磁器の、ゆっくり眺めてじっくりとその良さを感じる、というのがまだ個人的には楽しめず、退屈に思っていましたが、宮川香山の作品のインパクトはすごい。
半立体の鳥、蛙、鼠、猫!そして、蟹……!!どれをとっても見ごたえがあり、楽しんで観賞しました。
きっと、当時の万博に向けて、宮川香山が力を入れて、入れて、入れまくった作品なんでしょう。どうだ、この技術!というドヤ顔と共に、彼のサービス精神を感じとりました。

あっという間の大山崎山荘美術館。
急勾配を登った先にある、しっとりと佇む和洋折衷の山荘。安藤忠雄の無機質なコンクリートの階段を降りた先にある半円の美術館。現実の喧騒からトリップしてしまいます。
しかし、入館したのは閉館30分前。超特急で部屋を出たり入ったりしながら鑑賞にまわる44名の会員たち。
確かに、山田学芸課長が語ったとおり、この美術館は夫婦や恋人と肩を寄せ合いながらじっくりゆったりと見てまわるところですね。
山荘美から芝生の庭を見下ろしながら、できたてのスーパードライを一緒に飲んでくれる方と、次は一緒に来てまったりしたいなあ……。
                                    会員 れい子

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