
国立国際美術館前にて
◆東名阪からは、警察車両、陸自車両のパレード
名古屋高速から東名阪に入り反対車線を見ると、警察車両、陸自車両の車列が延々と続き、ひしめき合っています。朝刊に、伊勢志摩サミットで全国の都道府県から応援に集まった「特別派遣部隊」約1万4500人の離任式が5月28日(土)に津市で開かれたという記事がありましたが、まさに、その帰路に遭遇したのです。亀山JCTで新名神に入ると、今度は警察、陸自の車両に追い越されるようになり、車内では「警察が90キロ以上も出して、いいのか。」の声も。
土山SAでの休憩時に警察のナンバー表示を見ると、長崎、佐賀、徳島、香川、金沢など。陸自のナンバーは数字だけなので「どこの所属ですか?」と聞くと、「5月9日に伊丹から」との回答。サミット期間中は陸自の駐屯地から持ち場に通い、「この車で、熊本にも行ってきた」そうです。
◆森村泰昌「自画像の美術史」 作品へのオマージュと、パロディ
この日の最初は、中の島の国立国際美術館。11:15から12:45まで、森村泰昌展と常設展を見学。森村泰昌展では、ベラスケスの名画《ラス・メニーナス》を題材に10角形の展示室を丸ごと使って展示された8点の連作《画家が見つめようとしたもの:ベラスケス》が圧巻です。
連作最初の作品で「あれ?」と思ったのは、2本の消火器。美術館はハロゲン・ガスによる消火が一般的なので、「これはフィクションです」というサインでしょうね。以降、様々な視点から《ラス・メニーナス》を分析し、画像を組み立て直しているのが面白く、何度も見返しました。「何、これ?」とならなかったのは、ネタ元の作品に対する敬意、オマージュが感じられたからですね。
豊田市美術館所蔵の《セルフポートレイト 駒場のマリリン》の展示もあります。週刊ポスト「坪内祐三の美術批評」によれば、撮影されたのは東大・駒場の900番教室。かつて、三島由紀夫が全共闘の学生と討論した場所。三島へのオマージュではなく、パロディ=批判を感じる作品です。
◆「五代さま」にも会えました
昼食も中の島。バスで移動中、難波橋(なにわばし、バスガイドさんによれば ナンパばし)の南詰、北浜の証券取引所の正面に「五代友厚」の銅像。ツアー参加者はバスガイドさんの案内で注目、その中に「あの五代さまには似てない。」という声もありました。昼食はイタリアン。周りは若い人ばかりで、自分たちも20代になったような気分に浸れました。満足、満足。
◆「没後 100年 宮川香山」 ワタリガニに捕まって、動けない人も
昼食後は、歩いて大阪市立東洋陶磁美術館へ。解説が14:05から14:32まで。15:10出発のため、駆け足で見学。最後の展示室に二匹のワタリガニが張り付いている花瓶が二つ。一つは1881年(明治14年)作の重要文化財。もう一つは、宮川香山が没した1916年(大正5年)作。常設展の青華磁器や木葉天目茶碗なども見ごたえがありました。出発間際、数人が戻ってないので訳を聞くと「ワタリガニに捕まって、動けない」との回答。それでも、大山崎山荘美術館の見学ができる時刻には出発できました。(なお、宮川香山展は、来る10/1~11/27 瀬戸市美術館に巡回)

宮川香山のレクチャ
◆小雨降る山道を登って、大山崎山荘へ
最後は、アサヒビール大山崎山荘美術館の開館20周年記念「終わりなき創造の旅―絵画の名品より」の見学。バス到着が16:15。山道を10分ほど歩くのですが、美術館閉館時刻が17:00なので時間に余裕がありません。小雨が降り出したため、数人はタクシーで美術館へ。幸い、美術館が小振りで、なんとか閉館時刻までに藤田嗣治《メキシコの男》などの見学は完了。ひと汗かいた後、喫茶室で飲むビールは極めて美味。また、テラスからの小雨煙る眺めに、旅の疲れが癒されました。
帰路は渋滞に遭遇したものの、無事20:12に名古屋駅到着。皆さん、お疲れ様でした。 Ron.
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