今年度2回目の名古屋市美術館協力会ミニツアーは愛知県美術館のシャガール展です。5月25日(日)午前10時の集合でしたが、9時40分頃に行くと先に来た参加者が顔を寄せ合って相談をしているではありませんか。話によれば、その日の午後2時から名古屋市美術館で山口晃さんの講演会があり、定員は180人。午前11時から整理券の配布ですが、市美術館の開館と同時に配布場所に並んだ人が大勢いるというのです。鳩首会談の結果「ミニツアーのレクチャーが終わったら、その足で市美術館に行って整理券をもらい。それからシャガール展を見よう」ということになりました。
参加者の多くはそのまま展覧会場に足を運びましたが、9人の協力会員は市美術館を目指しました。その時点で80人ほど並んでいるという情報だったので、歩きはやめてタクシーで市美術館へ。着いてみると、整理券待ちの列の最後尾は地下1階のロビーの中央です。聞くと「100人目くらいかな」とのことで一安心。整理券をもらったら少し疲れが出たので「食事してから県美術館に戻ろう」ということになり、県美術館に着いたら12時近くなっていました。山口晃さんの講演会の開場時刻は1時半。自由席なので、いい場所を確保しようとすれば、あまりゆっくりできません。
エレベーターに乗り、10階で降りると展覧会場の入口に「5万人達成」という文字が見えました。
展覧会場は「第1章」から「第3章」までの3部構成で、第1章は、パリ・オペラ座の天井画の下絵、バレエ「ダフニスとクロエ」の舞台背景画の下絵、舞台衣装などです。オペラ座の天井画が76歳頃、舞台背景画が70歳頃の仕事です。その体力・気力に感心します。だから、百歳近くまで長生きしたのですね。天井画というとミケランジェロのシスティーナ礼拝堂が頭に浮かびますが、シャガールの場合は体育館のように広い場所にオペラ座の天井に貼るキャンバスを広げて絵を描いています。ミケランジェロと同じように足場を組んで天井に直接描いたのでは、体力が持たなかったかもしれませんね。舞台衣装の展示も興味を引きました。
第2章は、旧約聖書を主題にした作品です。旧約聖書には馴染みがないので、鑑賞ガイドに書かれた登場人物の解説を読みながらの鑑賞になりました。「ダヴィデ」の項目を見ると「……その後、ダヴィデはバテシバの夫を戦死させ、彼女を妻にする。」と、さらっと書いてありました。
第3章は、陶板、ガラス絵、タピスリーなどで、楽しんで作った作品という感じです。
なお、会場の中に映像ルームを設営し、天井・正面・右・左の四面にオペラ座の天井画のほか大聖堂のステンドグラスなどの動画が上映されており、大画面で迫力がありました。
総数で約250点の作品が展示され、一つひとつ見ていると時間も体力も要します。疲れた。
常設展も覗きましたが、あの「鮭」で知られている高橋由一の「不忍池」は春爛漫の日本画の風景なのに、艶やかな色で不思議な感じでした。藤田嗣治の「青衣の少女」は乳白色が良かったです。あと、第8展示室で「ノクターン 夜に誘われて」という展示があり、照明を落とした部屋にポール・デルヴォーの「こだま」を始め、夜をテーマにした絵が飾ってありました。
Ron.
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