名古屋のデパートで新春セールを一回りした後、気になる映画を見たのでレポートします。
「鑑定士と顔のない依頼人」
監督・脚本/ジュゼッペ・トルナトーレ 音楽/エンニオ・モリコーネ
出演/ジェフリー・ラッシュ、ジム・スタージェス、シルヴィア・ホークス、ドナルド・サザーランドほか
http://kanteishi.gaga.ne.jp/
市美のエコパリのコーナーでは、モディリアーニ、シャガール、藤田嗣治などの描いたポートレイトを多数、見ることができます。市美の展示室でポートレイトに囲まれているときはあまり感じないのですが、他館の美術展でずらりとポートレイトが並んだ展示室に入ると、多少の居心地の悪さを感じることがあります。たわいないことですが、画中の人物の意味ありげな視線に、つい恥ずかしくなるのです。
これが風景画なら、ゆっくり眺められるのですが。
さて、今回の映画の主人公は「鑑定士」。仕事でも美術品に囲まれ、自宅でも名画に囲まれ暮らしています。ミステリーなので、あれこれトリックめいた設定もあるのですが、骨董家具や絵画の修復や鑑定の様子、オークションで作品が落札されていく様子がリズミカルに描かれ、どんどん作品に引き込まれていきました。
あらすじは省略。
見終って感じたのは「余白に込められた意味深さ」というか、すてきな「だまし絵」に遭遇した、というものでしょうか。作中でも「本物」と「偽物」のあいまいな関係について、繰り返しエピソードが語られていたので、ハッピーエンドか、バッドエンドか、どこからが偽物だったのか、思い返しながら映画館を後にしました。
とても印象に残る作品でした。
会員:杉山 博之
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