平松礼二展を鑑賞して

カテゴリ:協力会ギャラリートーク 投稿者:editor
当日は50人の会員が参加

当日は50人の会員が参加

 誘われて「平松礼二展」を見てきました。私には馴染みのうすい画家でしたが、見てみるとなにか既視感があって、とても身近に感じられました。それもそのはず、文藝春秋の表紙絵を飾っていたのですね。中日劇場の緞帳にも見覚えがあります。展覧会の最後の部屋で種明かしされ納得しました。

 作家の平松氏は幼少から名古屋に住み、木曽川や鈴鹿山の自然に囲まれ、見たもの、感じたものを貪欲に作品にしていきました。テレビ塔や伊勢湾台風の作品を見ると地元人共通の懐かしさを覚えます。韓国の民家やニューヨークの摩天楼に気を感じ、モネに魂を奪われ、氏のたゆみなく生み出される作品は膨大で、巨大で、エネルギッシュで見る者を圧倒します。しかし近づいてみると、その一筆一筆がなんと緻密で繊細なこと、手を休めることを知らない、それでいて愛嬌たっぷりの心優しい手さばきの70翁の姿が浮かび上がってきます。

  「2011311-日本の祈り」と題された梅の花で埋めつくされた富士山は、作家自身と見る人が一体となって明日の美しい日本を願わずにはいられない感動的な作品でした。

神谷 朋子

深谷学芸課長による楽しい解説

深谷学芸課長による楽しい解説

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