あいちトリエンナーレの楽しみ方(その2)

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:members

8月21日から始まったトリエンナーレ、皆さんはどのように楽しんでおられますか?私は、地下鉄沿線に住まいと勤務地があるため、これまでに、芸文センター、名古屋市美術館、納屋橋会場、長者町の4会場を回り、また、さまざまなパフォーミングや映像プログラムも堪能しています。

(1)納屋橋会場では、やはりヤンフードンの映像作品が圧巻です(ただし、機材操作の都合で土日に3回のみの上映)。9台の映写機で各2巻の映像を流すもので、フィルムのまわる音や映写機を操作する係員の動きと一緒に鑑賞するとより深く堪能できます。この他に小泉明朗、小金沢健人の映像も面白かったですが、梅田宏明のチカチカ系はちょっと苦手でした。この会場には草間のソファーなどもあり、ゆっくり時間の余裕をもってでかけるとよいと思います。(ボリスシャルマッツは予約が必要なので未見)

(2)長者町会場は会場がいくつかあるので、ようやく涼しくなってから再度出かけました。まあ、種々雑多なものがあり、一日では全部見切れません。その中で印象的だったのが、やはり渡辺英司。古びたビルの1階から4階まで、実に魅力的な空間構成がされています。来年のカレンダーにも使われる蝶の切り抜きのみならず、ダイスを使ったものや廃材?を使った作品などバラエティに富んだ作品が楽しめます。その他気になったのは、淺井裕介、ジューチュンリン、マークボスウィック など。素直に楽しめるのは、トーチカ、山本高之などです。この他にも無料のものや、チケットがあれば何度でも入れるものがありますので、散策をかねてでかけるのも一興でしょう。

(3)見逃しがちですが、中央広小路ビル1階のジムオヴェルメン、2階の二人のユニットによる、パソコンの画面を作り出した映像作品がなかなかよかったです。この近くには、アーバンリサーチ名古屋 3階に<都市の断片>という関連企画もあります。

(4)パフォーミングアートでは、やはり圧巻はヤンファーブルの、<またもけだるい灰色のデルタミュー> 生きたカナリアと石炭の山を使った舞台装置も面白いですし、演じていたアルテミスの個性が光っていました。この他には、芸文センターの搬入口で梅田哲也と共演した、コンタクトゴンゾ、一見格闘技かケンカとも見えますがよく考えられた身体表現です。あとは、ギャラリーG での、アントニアベアーの<笑い>も面白かったです。

私は、当初は<都市の祝祭>というテーマと美術展示が、どういう関係なのかに注目して見ていたのですが、そういうこととは関係なく、美術、映像、パフォーマンス、トークなど時間の許す限り体験して、アートの持つ力を感じるほうが、このトリエンナーレを楽しむコツだと考えるようになりました。今後の予定は、10月4日の河文での平山素子のダンス、8,9日の名古屋大学での、西野達の<転がる名古屋>、ローザスの二つのダンス。この他にも、アーティストトークやパフォーマンス、芸文センターでの企画展示などいろいろあるので、マメに情報を入手して楽しみたいと思っています。

林 葉子(会員)

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