ギャラリートークに参加、及びあいちトリエンナーレ市美術館展示を観覧して

カテゴリ:協力会ギャラリートーク 投稿者:members

 開催中のあいちトリエンナーレを観ました。日曜でしたので、午前中に愛知県美術館での展示を鑑賞し、夕方になって市美術館でのギャラリートークに参加しました。

正直なところ、私は現代美術に対して先入観を持っていて、『わかりづらい』と敬遠してしまうところがありました(中には本当に美しいと実感できる作品もあるのですよ。ジェームス・タレルの光や窓を使ったインスタレーションなど)しかし、せっかくトリエンナーレでは自分の住んでいるところでこれだけの作家を擁して開催されるし、この日の協力会ギャラリートークでは学芸員の笠木さんが解説をしてくださるということでイベントに参加。1つずつ作品の説明を聞いたり、実際に作品を体験(!)してみたりしてゆっくり廻りました。

愛知県美術館の展示はスケールの大きさを実感しました。物理的に会場が広いことももちろんですし、一人ひとりの作家が独立して各々のスクエアを独占して堂々と存在感を表していて。市美術館は逆に一人ひとりが孤立している感じが無く、お互いがまるで相部屋で寄り添い合うように展示されていて、こちらの端ではこちらの作品と、あちらの端ではあちらの作品と、空間を共有しながら存在している感じで。家族団らんのようなあたたかさがありました。

今回のギャラリートークに参加して思ったことは、こと現代美術に関しては、作家の意図やその作品が影響を受けた事柄などを知っている方が作品をより楽しめるということ。作家は、なんの説明もなしで、観る人が自由に作品について妄想したり、勝手に解釈したり、時には誤解してくれる事も意図しているのかもしれませんが、より多くの人に門戸を開くという意味では、本人のコメントをつけてくれるとか、本人が直接来る、または作品について語っている映像を流すというような事をしてくれると、現代美術を『苦手』だと思っている人たちにも興味を持ってもらえると思います。

まだ残暑が厳しい中、1時間半に及んで熱く作家と作品について語ってくれた笠木学芸員には脱帽。彼女も作家たちに負けない情熱を持ってトリエンナーレを支えているのを実感しました。

中村麻弥(会員)

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