解説会/桑山忠明の芸術について

カテゴリ:協力会ギャラリートーク 投稿者:members

 5月16日(日)の「桑山忠明の芸術について」という山田さん(今回の企画担当学芸員)の解説会に途中から参加をしました。当日は熱田神宮の茶会参加後でしたので解説会を1時間ほど遅刻してしまいました。すみません。
 山田さんの詳細な分析のもと理知的に言葉を選び熱く語る解説はやっぱり聞く価値充分ですよね。桑山さんの作品を平面から立体そして空間へと作品が変貌していく過程をわかりやすく説明、芸術は人工的でなければならないという信念のもと50年もの年月を作品をとうしてその思想を貫いている。すごいことです。展覧会を見たとき私は静寂さを実感しましたが、その反面、白い背景の中に桑山さんの50年にわたる精神の葛藤がうごめいていて、その葛藤を作品が押さえ込んでいるような感じを受けました。初志貫徹と言葉で言い表すのは簡単ですが、それをやりきる精神には脱帽です。
 当日の茶会で、熱田神宮の又兵衛の土間にすわって外の様子をじっとみている時間があったのですが、明と暗、光と影、陽と陰その対比もおもしろく、そして静かに行われている茶事など静謐な心地よさを感じました。桑山さんの展覧会とまったく同じものを。だから解説の中で茶室が出てきたのには本当に驚きでした。山田さんの解説は本当にインテレサンテ(イタリア語)興味深いものでした。以前、桑山さんにサインしていただいたのですが、その時の横顔が素敵でした。ニューヨークに渡り自分の思想を貫いた人間だけが持つ威厳と自信、落ち着きを感じました。

谷口信一(会員)

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