桑山展トークに参加して

カテゴリ:協力会ギャラリートーク 投稿者:editor
 5月8日の夕方、特別展「静けさのなかから」協力会ギャラリートークが行われました。今回の展覧会はかなり刺激的です。
 会場に入り、まず気付くのは、室内、特に壁面がとてもスッキリしていることです。作品のキャプション、順路案内などが何もありません。担当の山田学芸係長によると「壁に掛かっているのは作品だけ」という状態にこだわったからだそうです。作品はどれも大きなものばかりですが、鑑賞しやすく、シンプルさが引き立ちます。
 こだわりはそれだけではありません。ご存知のように、名古屋市美術館の展示室には光沢のある白い大きな円柱が何本も並んでいます。2階の展示室では、この円柱に5点の大きな色面の作品が映りこみ、歩くにつれ写像も変化します。一方、つややかに輝くメタリックの作品が並ぶ1階では、円柱が何の反応もしません。よく見ると、壁面と同じ素材の壁紙が円柱にも貼り巻かれ、つや消しになっています。これは、メタリックの作品の表面が微妙な照明の変化にも敏感な反応を見せるので、それを抑えるためなのだそうです。

 作品とそれを見せるために工夫された空間の居心地の良さ、静けさのなかから何が現れ、何が聞こえてくるか、もう一度体感しに来ようと思いました。
杉山 博之

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