あいちアートの森について

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:editor

地下鉄構内などで、木の葉で愛知県のかたちを示した、あいちアートの森のポスターをみかけたことはありませんか?文化庁から地域文化芸術振興プラン推進事業として、各自治体に一億円資金提供があったのを受けての企画とのことで、愛知県下6ケ所で昨年12月から開催されています。


その中で、広小路と堀川の2箇所を見てきました。最近ホワイトキューブ以外の場所で現代美術を展示することが増えていますが、今回は準備期間が短かったせいか、作家の選択や展示方法にやや問題があるように感じました。特に堀川の東陽倉庫は、住宅展示場として使われていた空間を整備し直して30数名の作家の作品が展示されていますが、玉石混交、というか不思議な雰囲気を醸し出していました。まあ、世代も経歴も違う作家で、特にテーマも決まっていないので、やむを得ないかもしれませんが、もう少し作品数を絞って見ごたえのあるものにしてほしく思いました。ただGhost,という二人組のユニットは、この廃墟化したこの場所を逆手にとったユニークな展示で驚かされました。

また、広小路の展示では、今井瑾郎の作品は、芸文センターの8階での明るい空間での展示に比べると、こちらの古びたビルでの展示のほうがずっと魅力的でした。こういう発見もあるので、これから他の場所の展示も見に行こうと思っています。


ところで、もう一つ、ギャラリー矢田で、ユニークな企画を見てきましたので、お知らせします。こちらは、毎年名古屋市文化振興事業団が募集しているファン.デ.ナゴヤ美術展で、今年度は On the Planet という企画が選ばれました。今年開催される COP10と関連づけて、環境と人間をテーマにした、バーモント州と日本の作家11名による興味深い展示です。特に、いつもは空間に負けてしまいがちな展示室1を、実に見事に使いこなしており、他のバーモントの作家の作品は、ただ、頭で考えたものではなく、環境と生き様を感じさせるユニークなものです。

是非みなさん、この二つの企画展をご自分でごらんになって、美術作品の持つ力を感じたり、現代の美術展示のあり方などについて考えてください。
詳細は下記のとおりです。

あいちアートの森:http://aichiartnomori.com/
On the Planet:http://project-noa.com/ontheplanet/

林 葉子

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