DOMANI・明日展 PULS x 日比谷図書館文化館

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:editor


 「DOMANI・明日展 PULS」を見た。
あるギャラリーで、藤本由紀夫氏が図書館で作品展示をしていると聞き、見に行くことにした。藤本氏といえば、オルゴールやレコードを使った「音」の作品で、有名な作家。2006年には、名古屋市美でも展覧会が開催されているので、ご覧になった方も多いだろう。(「特別展「藤本由紀夫展 -ここ、そして、そこ-」」、2006年9月)

 「音」の作家が、「静けさ」を大切にする図書館でどんな展示をするのだろう?展示の様子が想像できないだけに、普通の展覧会より興味をひかれる。会場の日比谷図書館文化館に着き、もらったガイドシートに従い、閲覧室に入る。南壁面の書架から順に見ていくと、ほとんどの作品は、さりげなく書架に配置されているが、本とはハッキリ区別できる形態をしていて、探すほどのこともないのだが、一点だけ探すのに苦労した。

 ガイドシートにマークのある書架には「展示は最上段です」とヒントの表示があるのだが、本以外のものが見つからない。それでも、書架に並んだ本の背表紙を眺めていると、左から赤→黄→緑→青→紫になってることに気がついた。「・・・。わかった!」最後の作品を見つけたときは、思わず声が出そうになり、他の利用者の迷惑にならないように、そっと閲覧室を抜け出した。(皆さんはわかりますか?)
こういう体験があるから、美術鑑賞は楽しい。

杉山博之

展覧会情報
「DOMANI・明日展 PULS x 日比谷図書館文化館」
会期:2018年2月18日まで
会場:日比谷図書館文化館

「不在の彫刻史」黒田大祐(OPEN SITE 2017-2018)

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:editor


 前回の「あいちトリエンナーレ2016」に関連して、長者町のアートラボで行われた「まちとsynergism」展に出品していた黒田大祐氏の展覧会がトーキョーアーツアンドスペース本郷(以下、TOKAS hongo)で行われていた。会期は終了したが、「まちとsynergism 2018」(長者町)で、新作の発表予定もあることから紹介させていただくことにした。

 会場のTOKAS hongoは、水道橋から東に、ゆるやかな坂を上り10分ほど。本通りから一本奥まったところに控えめな案内が出ていた。

 展示されていた作品は、多数のシーリングファンをつなげた屋台のような構造物と、山道を登る様子を写した映像と、数点の石などで構成されたインスタレーション。部屋の所々に直径20cmくらいのレンズがぶら下がっていて、レンズ越しに作品を覗き込むと、作品がぐっと遠くに見える。シーリングファンや映像の組み合わせなどに、長者町の展示との類似性が感じられる。

 長者町での展示でも感じたことだが、作品を見たときの印象と作品のタイトルが、直感的に結びつかず、今回も作品の周囲をウロウロしたり、作家の話を聞いてみるが、・・・。ごく個人的な思いつきだが、せっかくファンを回すのだからもっと広い空間に作品を置き、風を感じられる状態で鑑賞すると作品の印象も変わってくるのではなかろうか。「不在の彫刻史」は、別の展開も考えているそうなので、次回も楽しみにしたい。

杉山博之

「まちとsynergism 2018」
会期:2018年2月2日(金)、3日(土)、
   9日(金)、10日(土)13:00〜19:00
会場:名古屋市中区錦二丁目7-20 旧玉屋ビル5階

映画『ジャコメッティ 最後の肖像』

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 名古屋市美術館のシャガール展で目にしたチラシに惹かれ、伏見ミリオン座で上映中の映画「ジャコメッティ 最後の肖像」(原題:Final Potrait)を見てきました。
ストーリーは、主人公のアメリカ人作家ロードがジャコメッティから引き受けた、「2、3時間ですむ」というモデルの仕事が来る日も来る日も終わらず、すったもんだの末、18日目に完成?するというもの。帰国後のロード宛にジャコメッティから「すぐに戻ってくれ。もう一度最初から描きたいから」という手紙が届いたというナレーションが、最後にあります。
何故、18日間もかかるのかというと、ジャコメッティは肖像画の出来に満足できず、完成したかと思うと白や灰色の絵の具で塗りつぶし、最初から描き始めるからです。(そういえば、ジャコメッティ展で見た《マルグリット・マーグの肖像》(1961)も、修正を繰り返したために、顔の部分が絵の具で盛り上がっていましたね。)
映画では、豊田市美術館のジャコメッティ展の写真にあった、絵筆や石膏像、粘土像が所狭しと並んで雑然としたアトリエの内部が再現されており、それを見ているだけでも満足できます。なので、アトリエで肖像画を描くシーンが多くても退屈しません。まさに、アトリエも重要な役者でした。アトリエの描写も、最初は薄暗くモノクロームに近い色調だったのが、後半では日光に照らされカラフルになっていきます。
ジャコメッティ展では「矢内原伊作」というセクションがありましたが、この映画で矢内原伊作が出て来るシーンは僅か。いつの間にかジャコメッティの家の寝室に入り込んでジャコメッティ夫人のアネットと親しげに話しながらジャコメッティに挨拶するシーンと、主人公がアトリエを後にするときに寝室の窓のカーテンを閉めるアネットの後ろで矢内原伊作がベッドに座っているという意味深なシーンの2つだけでした。
ジャコメッティがピカソとの裏話を語るシーンもあり、お勧めです。
なお、油絵風のアニメ映画「ゴッホ 最期の手紙」(原題:Loving Vincent)の予告編がありました。伏見ミリオン座で1月20日(土)から上映です。
Ron.

ポンピドューセンターに行ってきました

カテゴリ:アート見てある記 投稿者:editor

 年末パリへ行ってきました。目的はオペラと絵画鑑賞。滞在日数もすくないので初日にプティパレ、2日目にクリュニー中世美術館、3日目にポンピドューセンターに行ってきました。
 〈プティパレ〉 常設展にはクールベやモネ、セザンヌの作品もあり無料。当日はアンドレス・セッラーノの写真作品が企画展示されていた。企画展でルドンのパステル画が催されていた。グランパレでのアーヴィング・ペンの写真展は長蛇の列。ゴーギャン展も並んでいたので、どちらも見たかったのだが夜のオペラに備えて止める。

プティパレ

プティパレ


 〈クリュニー中世美術館〉 修道士邸宅跡にある美術館。中世時代の貴重なユニコーンのタペストリーがある。ニューヨークのメトロポリタン美術館の別館にあるのが大きいがここは数が多い。来館者もすくなくゆっくり観賞できた。
中世美術館

中世美術館


 〈オペラ座自由見学〉オペラ好きには至福の時間が過ごせる場所。ここも入るつもりはなかったのだがオペラ座の裏側から大勢の人が入場しているので中が見られると思い入場、チケットは自動販売機にてカードで購入。
 〈ポンピドューセンター〉11時開館だがセキュリティチェックのため30分入場が遅れた。レンゾ・ピアノ設計の建物で美術館に入場するときにパリ市内を眺望できるデザインがしゃれている。館外にはニキドサンファルのモニュメント。常設展、企画展示のシャガール展、ドラン展も合わせて14ユーロ。とにかくマチスありピカソありマルセル・ドユシャン、マン・レイあり草間弥生ありと見応え充分。マチスの「赤いキュロットをはいたオダリスク」に感動。
ポンピドューセンター

ポンピドューセンター


ポンピドデューの開館を待つ人々

ポンピドデューの開館を待つ人々


マチス「赤いキュロットをはいたオダリスク」

マチス「赤いキュロットをはいたオダリスク」


モディリアーニ

モディリアーニ


 今回オペラコミックでロッシーニの「ロリー伯爵」。これは古典的な演出で楽しめた。オペラ座ガルニエでモダンバレエ「プレイ」、これはパリのオペラ座バレエ団の技術のしっかりした踊りとアートと演劇と音楽が融合した見事な作品、終了後は使用された緑と黄色のボールを出演者たちが観客に投げておおいに盛り上がった。私も記念に二つ持ち帰った。オペラ座バスティーユで「ラ・ボエーム」を観賞。これが今回もっとも難解な演出。宇宙船や月がセットに登場するもの。風邪薬を飲んでいたため睡魔が襲いところどころ居眠り。だから演出の意図がわからずじまい消化不良になってしまった。残念。
 今回のパリ、オペラ座ガルニエの付近では迷彩服を身につけた銃をもった兵士3人がチームを組んで巡回していた。あと警察官も3人チームでいたるところ警備している。とにかくどこに入るのもセキュリティチェックで時間がかかる。そのかわりフランスへ入国するときは緩いのでありがたい。アメリカは本当に入国するのが厄介。
                               ( 谷口信一 )
   

燃やせないもの 夢見たものは 展示室で解説を受ける会員たち プティパレ まずはエントランスホールでの解説 2017_ジャコメッティ_1 富山県立美術館にて BankART_大霊廟Ⅱ プライウッド新地 ヨコトリ_パオラ・ピヴィ_まだ誰も来ない MOTサテライト 目印はこれ!