展覧会見てある記 豊橋市美術博物館「2021コレクション展 第2期」

カテゴリ:Ron.,アート見てある記 投稿者:editor

豊橋市美術博物館のコレクション展(2階 常設展示室 第2期)を見てきました。考古、歴史、陶磁、美術、民俗の5分野にまたがる展示でしたが、考古(考古資料から探るトヨハシの歴史)を除く4分野について、簡単にレポートします。

◆歴史 床の間動物園Ⅱ(2階 テーマ展示コーナー、第2展示室)

竹に虎図

 2階・通路沿いの「テーマ展示コーナー」には、4枚組の杉戸絵が2点。原田圭岳《鹿図》(1877)と《猿図》(1875)、大迫力です。第2展示室には同じ作者の杉戸絵《竹に虎図》(3枚組)もあります。いずれも豊橋市・石巻地区の宮司・佐藤為継が自宅を飾るために1875年から1881年にかけて描かせたもの、とのことです。

床の間動物園Ⅱでは、虎を描いた掛け軸や龍を描いた屏風、渡辺崋山が25歳のときに描いた写生帖などが展は示されています。いずれも江戸時代から大正時代に描かれたもので、武士や僧侶が描いた作品もあります。

◆陶磁 動物の模様と形(2階 第3展示室)

 《染付梅花文盃/染付梅花吹墨盃台》京焼の陶工永楽保全(1795-1854)の作品で、梅の花に梅の小枝を付けた小さな盃と小鳥が止まっている盃台のセット。デミタスカップとソーサーのように見えました。明治初期の薩摩焼《金襴手風俗草花文鶏頭付沈香壺》は、とても大きな香炉。豪華な伊万里焼の金襴手龍魚文盤もありました。

◆美術 動物集合!!(2階 第4展示室)

 最初に展示されていたのは筧忠治の描いた《猫(No.101)》(1982)と《ポニー4》(1990)。いずれも猫の絵です。北川民次《うさぎ》(1974)や中村正義が二羽の鶏を描いた《鳥》(1961)、中村岳陵《雙鶴》(大正後期)、牛が角で押し合う日本の闘牛を描いた大森運夫《闘牛祭》(1975)など、動物を描いた作品が並んでいます。

以上のほか《特別展示》「鈴木一正~動物と共に」と題して4点の作品も展示されていました。なかでも《共に》(2011)はカエル、ニホンザル、トラ、ウサギ、ゾウ、シロクマ、シマウマ、ウマ、サル(ハヌマンラグーン?)を描いた大きな作品です。

◆民俗 郷土玩具にみる動物たち(2階 第5展示室)

土人形 織田信長

 土人形では、愛知県・大浜(現:碧南市)の《織田信長(桶狭間)》や豊橋の《鯛抱き童子》など、張り子では福岡県・柳川の《虎》や豊橋の鍾馗や鬼、烏天狗、お多福などのお面が展示されていました。なかでも《虎》は、アニメ映画「リメンバー・ミー」に出てきたメキシコの民芸品アルゲブラを思わせるものでした。

土人形 鯛抱き童子

◆展覧会情報

 コレクション展Ⅱ(5.29~8.29)で動物を特集しているのは、企画展で「三沢厚彦 ANNIMALS 2021 in TOYOHASHI」(7.17~8.29)が開催されるためだと思われます。チラシによれば、初期の作品や平面作品、アトリエの再現コーナーもあるようです。楽しみですね。

Ron.

コメントはまだありません

No comments yet.

RSS feed for comments on this post.

Sorry, the comment form is closed at this time.