愛知県美術館「トライアローグ」展 ミニツアー

カテゴリ:Ron.,アート見てある記 投稿者:editor

協力会のミニツアーが再開しました。2020年2月16日の豊田市美術館「岡﨑乾二郎展」以来ですから、約1年4か月ぶりです。コロナ禍での再開とあって、ギャラリートーク無し、解説会と自由観覧のみ、という形です。少し寂しいですが、再開できたことだけでも、何よりの幸せです。

参加者は18名。愛知県美術館12階のアートスペースA(一番広い会議室)で、40分間にわたり、副田一穂さん(以下「副田さん」)の解説を聴きました。

◆ゲルハルト・リヒターの作品を800万円ほどで購入

解説会の冒頭で示されたのは、今回出品の愛知県美術館・横浜美術館・富山県美術館の所蔵作品の制作年を縦軸、所蔵年を横軸にしたチャートです。副田さんが言うには「このチャートで美術館の作品収集姿勢が分かります。富山県美術館の所蔵作品は、チャートの下の方に集中しています。これは、作品が描かれた頃、まだ評価が固まった頃に所蔵しているということです。今回出品されているゲルハルト・リヒターの《オランジェリー》は1982年制作ですが、収蔵したのは1984年。描いたほぼ直後に収蔵したということです。当時、800万円ほどで購入したとのことですが、今なら億円単位になるでしょう。一方、愛知県美術館の収蔵作品は、チャートの上の方、つまり、評価の固まったものを収蔵しています。横浜美術館は、バランスよく所蔵しています。」とのことでした。

◆三点並んだポール・デルヴォー

愛知県美術館と聞いて真っ先に思い浮かべる作品のひとつに、三人の裸婦が歩いている、ポール・デルヴォーの《こだま》があります。「トライアローグ」は三館の共同企画なので、ポール・デルヴォーの作品が三点並んでいて、壮観です。副田さんは「三点のなかでは、《こだま》が一番小さいけれど、一番良いと思う」と話していましたが、同感ですね。

◆ゆったりと鑑賞

コロナ禍という事情から、「押すな、押すな」という風景とはまったく違う、落ち着いた雰囲気のなかで、作品と向き合うことができました。マスクを着用し、人との距離も保っているので、とても静かです。

◆最後に

 コロナ第4波の襲来で、5月は蟄居を強いられました。久々の美術館巡りですが、20世紀西洋美術コレクションと向き合えて、生気が蘇った感じがしました。展覧会は6月27日(日)まで、お勧めですよ。

           Ron.

コメントはまだありません

No comments yet.

RSS feed for comments on this post.

Sorry, the comment form is closed at this time.