春旅は浜松、静岡へ

カテゴリ:アートツアー 投稿者:editor

今春のアートツアーは「没後70年 上村松園展」(浜松市美術館)、「荻須高徳・熊谷守一展」(静岡近代美術館)、「小倉遊亀と院展の画家たち展 滋賀県立近代美術館所蔵作品による」(静岡市美術館)を訪問した。
今回は、いつにも増して幸運に恵まれたと思う。ひとつめの幸運は、当日早朝の電車事故にもかかわらず、予定通り名古屋駅前を出発できたこと。ふたつめは、やはりお天気。浜松市美術館でわずかに降られたが、あとは晴天。行程のほとんどがバス車内および、展示室内とはいえ、雨天では気分が凹むから。

それでは、簡単に今回のツアーを振り返ってみよう。
まず、「上村松園展」。言わずと知れた美人画の大家で、2013年には名古屋市美術館でも大規模な個展が催されたので、ご記憶の方も多いだろう。会場には見覚えのある作品も多く、凛とした表情と黒色の着物姿が印象的な《花嫁》(奈良ホテル)にも再会できた。作品の他、きらびやかな打掛、様々な意匠のかんざしなどの装身具も展示されていた。カタログでは識別できない微妙な筆遣いや絵の具の凹凸を間近で見ることができ、遠出したかいがあったというもの。

お昼は懐石

耳寄り情報(その1)
滋賀県立近代美術館は現在、リニューアルのため長期休館中。そのため、同館のコレクションを中心とした展覧会が各地で開催されており、「小倉遊亀と院展の画家たち展」(静岡市美術館)もそのひとつ。その他に「山元春挙展 大明神と呼ばれた画家」(名都美術館)、「志村ふくみ展-滋賀県立近代美術館コレクションを中心に」(茨城県立美術館)、「NEW YORK ART SCENE ロスコ、ウォーホールから草間彌生、バスキアまで展 滋賀県立近代美術館コレクションを中心に」(鳥取県立博物館)が開催中。同時並行で4本の展覧会を構成できるコレクションの質と量に拍手。

次は「荻須高徳・熊谷守一展」。美術館は静かな住宅地の中に立地し、その外観はグレーで、サイコロのような立方体。展覧会の告知がなければ、モダンなデザインの個人宅と見間違うほど周辺の建物にマッチしていた。館内は程よい広さの展示室と、休憩コーナーがあり、皆で展示を見ていたら、館長ご自身が作品の説明をしてくれた。(コレクターならではの熱のこもったお話、ありがとうございました)

次に訪問したのが、「小倉遊亀と院展の画家たち展」。午前中に見た「上村松園展」では、雪の中の人物表現が印象的だったが、こちらでは夏を楽しむ涼しげな人物表現が印象的だった。帰りのバスの中でひとしきり話題に上がった作品が《姉妹》。左側のやんちゃそうな妹と、妹のほうにわずかに視線を向ける几帳面そうな姉が並んで座っている構図で、ふたりのしぐさと表情が微笑ましい。よく見ると、姉の眼の部分には金泥が使われており、妹に向ける彼女の表情(目力)を強めていた。

耳寄り情報(その2)
おすすめの静岡土産についても、新たな発見。
・バリ勝男クン (お奨めは、わさびマヨ味)
・世界一濃い静岡抹茶ジェラート (食べ過ぎると眠れない?)
・レモンケーク (他にも、こだわりの焼き菓子が多数)

今回も盛り沢山な展覧会を楽しむことができた。秋の企画は、まだ未定だが、楽しみに待ちたい。

(聞くところによると、新年度になり会員数が大きく増えているらしい。定員のあるツアーは、お早めに申込を。)

杉山 博之   

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